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「清流の国ぎふ」文化祭2024 皇居三の丸尚蔵館特別協力 PARALLEL MODE:山本芳翠-多彩なるヴィジュアル・イメージ- 岐阜県美術館で2024年9月27日-12月8日に開催

約30年ぶりの大回顧展

 岐阜県美術館で2024年9月27日〜12月8日、「『清流の国ぎふ』文化祭2024 皇居三の丸尚蔵館特別協力 PARALLEL MODE:山本芳翠-多彩なるヴィジュアル・イメージ-」が開催される。

 山本芳翠(1850-1906年)は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスと日本を舞台に活躍した岐阜県出身の画家。

 約30年ぶりの大回顧展として、国内外各所蔵者の協力により、初期から晩年までの代表作が紹介される。

山本芳翠《浦島》1893年‐95年 岐阜県美術館 【旧登録美術品】

 国立博物館収蔵品貸与促進事業の活用とともに、多くの山本芳翠の作品を収蔵する皇居三の丸尚蔵館の特別協力のもと、岐阜県美術館と文化庁が主催する。

山本芳翠(1850-1906年)

 現在の岐阜県恵那市に生まれる。画家を志し、京都で南画を学んだ後、横浜で五姓田ごせだ芳柳ほうりゅうの五姓田派に入門する。

 工部美術学校第 1 期生としてアントニオ・フォンタネージに学び、1878年、パリ万国博覧会事務局雇として渡仏。その後、同地に約10年間滞在し画家として活動し、ジャン=レオン・ジェロームに師事した。

 山本芳翠《自画像》1892年 東京藝術大学

 帰国後は開設した生巧館画学校における後進育成や、明治美術会や白馬会の創設に関わる一方で、伊藤博文らと沖縄(琉球)や日清・日露戦争において巡視・従軍画家として関与した。

 さらに新聞の挿絵や日本で初めてのオペラ舞台装飾に携わるなど、西洋の油彩画技術を社会の様々な場面で利用し、幅広い活動を行った。1906年東京で没。

 近年滞仏期の油彩画《裸婦》が重要文化財に指定された。

山本芳翠《唐家屯月下之歩哨》1906年 皇居三の丸尚蔵館収蔵

開催概要

展覧会名:「清流の国ぎふ」文化祭2024 皇居三の丸尚蔵館特別協力 PARALLEL MODE:山本芳翠-多彩なるヴィジュアル・イメージ-
会  場:岐阜県美術館 展示室1・2(岐阜市宇佐 4-1-22)
会  期:2024年9月27日(金)〜12月8日(日)
開館時間:午前10時ー午後6時
休 館 日:毎週月曜日(祝・休日の場合は翌平日)
夜間開館:2024年10月18日(金)、11月15日(金)は午後8時まで
※いずれも展示室の入場は閉館の30分前まで
料  金:一 般 1,200(1,100)円 大学生 1,000(900)円 高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特定医療費(指定難病)受給者証の交付を受けている方およびその付き添いの方(1名まで)は無料

山本芳翠《琉球中城之東門》1888年 皇居三の丸尚蔵館収蔵

◆山本芳翠展/オディロン・ルドン展共通券
一 般 2,000円 大学生 1,600円
※共通券は団体割引なし
主  催:岐阜県美術館、文化庁
共  催:岐阜新聞社、岐阜放送、中日新聞社
特別協力:皇居三の丸尚蔵館、東京国立博物館、文化財活用センター、紡ぐプロジェクト、読売新聞社
協  力:東京藝術大学、山本芳翠顕彰会、日本航空、日本通運
後  援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、恵那市、朝日新聞社、NHK岐阜放送局、日本経済新聞社岐阜支局

見どころ

約30年ぶりとなる大回顧展

山本芳翠《裸婦》1880年頃 岐阜県美術館 【重要文化財

 1993年の山本芳翠展以来、約30年ぶりの大回顧展として、初期から晩年までの画業全体を紹介する展覧会として開催する。油彩画、版画、素描、日本画、背景画等、さまざまなジャンルで活動した芳翠の多彩な表現を見ることができる。
総点数約200点。代表作が一挙集結

山本芳翠《西洋婦人像》1882年 東京藝術大学

 重要文化財《裸婦》や旧登録美術品《浦島》、《西洋婦人像》、《自画像》など、山本芳翠と言えばこの作品、という主要作品が目白押しである。特に現存する《十二支》連作全展示は必見!
皇居三の丸尚蔵館収蔵の山本芳翠作品が一堂に会す初めての機会
 国民文化祭を契機とする皇居三の丸尚蔵館地方展開事業として、同館の特別協力により、収蔵する山本芳翠作品全35点が揃って展覧会に出品されるのは本展が初めて。

 山本芳翠《明治二十七八年戦地記録図》1894年‐95年 皇居三の丸尚蔵館収蔵

 

 山本芳翠は、明治となり近代国家として成長する日本の姿を絵画として描くことで天皇に伝えた。画面の中には、実は芳翠自身が隠れていることも。
岸田劉生を画家にした作品《天女》など幻の作品を公開
 山本芳翠がパリから岸田劉生の父・吟香に贈ったとされる《天女》は、現存するものとしては滞欧期最大の作品。劉生は幼い頃、この作品を見て画家を志した。本展では、門外不出とされていた《天女》が展示される。また今回、皇室に納められた「琉球連作」のうち、下賜された後、行方不明となっていた作品1点が新たに発見された。本展では、現・宮内庁、皇居三の丸尚蔵館、岐阜県美術館が収蔵する作品とともに、発見された作品が並び、琉球連作絵画の全貌を見ることができる。
山本芳翠ゆかりの画家の名品も併せて展示
 本展では、山本芳翠と同時期にヨーロッパに留学していた原田直次郎や、美の制度化を託した黒田清輝、生巧館の弟子である北蓮蔵や藤島武二らによる、山本芳翠ゆかりの作品をあわせて紹介する。

山本芳翠《磐梯山破裂之図》1888年 皇居三の丸尚蔵館収蔵

関連プログラム

ナンヤローネ アートツアー
日 時:2024年10月13日(日)14:00-15:30
会 場:岐阜県美術館 多目的ホール、展示室1・2
備 考:要事前申込み、要観覧券
詳細は岐阜県美術館ウェブサイトで確認

ギャラリートーク
日 時:2024年10月18日(金)18:00‐18:45
会 場:岐阜県美術館 展示室1・2
担 当:廣江泰孝(岐阜県美術館学芸員)

記念講演会「山本芳翠とフランス」
日 時:2024年10月20日(日)14:00‐15:30
会 場:岐阜県美術館 講堂
講 師:三浦篤氏(山本芳翠展監修者、大原美術館館長、東京大学名誉教授)

ナンヤローネ アートアクション
日 時:2024年11月3日(日)10:00-15:30(12:00‐13:00昼休み)
会 場:岐阜県美術館 多目的ホール、展示室1・2

記念講演会「山本芳翠と皇室、宮内省」
日 時:2024年11月10日(日) 15:00‐16:30
会 場:岐阜県美術館 講堂
講 師:田中 純一朗氏(皇居三の丸尚蔵館研究員)

美術講座「山本芳翠とその時代」
日 時:2024年12月8日(日) 15:00‐16:00
会 場:岐阜県美術館 講堂
担 当:廣江泰孝(岐阜県美術館学芸員)

山本芳翠《ヴィクトル・ユゴー葬送の図》1885年 ヴィクトル・ユゴー記念館

同時開催

PARALLEL MODE:オディロン・ルドン-光の夢、影の輝き-
2024年9月27日(金)〜12月8日(日)
アートまるケット 「つなぐ人 日比野克彦」
2024年9月27日(金)〜12月8日(日)

山本芳翠《猛虎一声》1895年 東京藝術大学

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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