静岡県長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館とクレマチスガーデンが2023年9月30日をもって閉館すると、9月12日に公式サイトで発表した。
同館は、2002年4月に開館。新型コロナウイルスによる来館者激減で経営難に陥り、2021年10月、静岡県に対して無償譲渡を含む支援の要請をし、2022年12月26日から長期休館に入っていた。美術館の存続に向けたクラウドファンディングなど、できる限りの取り組みを続けてきたが、これ以上の運営の継続が困難になったとしている。
静岡県への支援要請は現時点では結論に至っていないという。
報道によると、静岡県の見積もりでは、同美術館の管理運営には、展覧会などの企画事業費を除いて、年間約9000万円がかかる。このため、静岡県議会では、県の施設とすることへの反対意見も出ている。
こうした背景もあって、2023年2月には、静岡県東部のリーダーでつくる政策提言集団「サンフロント21懇話会」が、ヴァンジ彫刻庭園美術館を含む複合文化施設・クレマチスの丘について、提言書を知事に提出。美術館を県の支援で公共施設として存続させたうえで、官民連携でクレマチスの丘を運営する案を出している。
閉館に伴い、HPの更新、問い合わせ窓口の対応は9月29日で終了する。HPと、同館が管理していたクレマチスの丘のHPは、年内での閉鎖を予定している。