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「特集展示 植松永次 ―土と火」三重県立美術館で2024年7月27日-9月29日に開催

植松永次《泉》
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三重県ゆかりの現代美術家の大規模個展

 三重県立美術館で2024年7月27日~9月29日、「特集展示 植松永次 ―土と火」が開催される。

 植松永次(1949年、神戸市生まれ)は三重県伊賀市を拠点に活動する現代美術家。1970年代、既成の美術表現に疑問を感じたことをきっかけに土を用いた制作を始めた。

 土をはりつけ、乾かすことから始まり、まもなく窯での焼成、野焼きの手法が加わった。「土と火」をテーマに制作を続ける中で、自らの存在を自然の営みや宇宙の時間の流れの一部ととらえ、空や星の動き、草木や虫の息遣いに意識を向けながら制作を試みてきた。

 「できるだけつくらないようにつくる」ことを心がけ、制作においては土の個性を観察することや、偶然に得られる発見や驚きを重んじている。

 作品は一見、素朴な土塊のようでありながら、素材の個性や自然のうつろいを観察する植松のまなざしが色濃くあらわれ、観るものの記憶や認識を強く刺激する。

 土や自然との対話によって独自の表現を展開してきた植松は今回、柳原義達記念館の空間に新作と旧作を組み合わせた展示を試みる。

植松永次《乾き》
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展示概要

会  期:2024年7月27日(土)~9月29日(日)
会  場:三重県立美術館柳原義達記念館
開館時間 9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
休 館 日:毎週月曜日(8月12日、9月16日、9月23日は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)
主  催:三重県立美術館
助  成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団、公益財団法人三重県立美術館協力会
観 覧 料:一般310(240)円、学生[大学・各種専門学校等]210(160)円、高校生以下無料

※( )内は20名以上の団体割引料金
※この料金で常設展示室も見ることができる。
※企画展「果てなきスペイン美術ー拓かれる表現の地平」観覧は企画展チケットが必要。
※生徒・学生は生徒手帳・学生証等を提示。
※障害者手帳等(アプリ含む)のある人、および付き添いの1名は観覧無料。
※県内学校(幼・小・中・高・特別支援)等が来館する場合、引率者も観覧無料(要申請)。
※毎月第3日曜の「家庭の日」(8月18日、9月15日)は団体割引料金で見ることができる。

植松永次《泥舟》
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見どころ

・三重県ゆかりの美術家・植松永次の大規模個展
 植松永次は1982年から、三重県伊賀市に拠点に活動し、土を素材にした作品を制作してきた。アトリエまわりの豊かな自然に着想を得て制作された作品群は、観るものの記憶や認識を刺激し、見慣れた土や自然が持つ新たな一面に気づかせる。その表現は近年、国内外で関心を集めているが、本展は植松が三重県内で開催する初の大規模個展となる。

・ジャンルにとらわれない独自の表現
 1970年代、版画を学んでいた植松は、土という素材に根源的な魅力を感じたことをきっかけに、土を用いた制作を行うようになった。いわゆる陶芸の技法を用いているが、ときには展示空間に合わせた作品を展開。あるいは、巨大なオブジェを制作するなど、技法やジャンルにはこだわらない制作をしている。

・本展のために制作された新作も展示
 本展では、これまでの旧作と共に、植松が柳原義達記念館の空間に合わせて制作した新作を展示する。

イベント

作家が自作について語る。
日時:9月15日(日)14時~14時40分
参加希望者は柳原義達記念館入口に集まる。観覧券が必要。

植松永次略歴

1949年 兵庫県神戸市生まれ
1969年 上京し、絵画や版画を学ぶ。
1972年 土を用いた制作を始める。
1982年 三重県伊賀市に拠点を移し、現在に至る。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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