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劇団MONO 三重・四日市公演「その鉄塔に男たちはいるという+」

イメージ写真 撮影:西山榮一(PROPELLER.)

 2019年に結成30周年を迎えた京都の劇団MONOの公演「その鉄塔に男たちはいるという+」が2020年3月1日午後2時から、三重・四日市市文化会館第2ホールで再演される。「劇団結成30周年記念」と銘打ち展開してきたシリーズの掉尾を飾る舞台。

 1998年の初演時、戦争という過酷の状況の中、鉄塔の上で交わされるくだらないやりとりを描き、評判を呼んだ。

 今回は、その後、数々の団体によって上演され続けている代表作をオリジナルメンバーで上演。同じ場所で展開する時間軸の異なる短編も加え、新たな地平で物語を完結させる。 兵庫・伊丹、長野・上田、北九州、東京・吉祥寺でも公演がある。

 作・演出の土田英生さんは愛知県出身。立命館大で演劇に打ち込み、1989年にMONOの前身となる「B級プラクティス」を旗揚げした。非日常的な世界を軽妙なやりとり、ユーモアとともに展開させながら、現代の人間社会に切り込む作風で知られる。

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初演舞台写真(撮影:松本謙一郎)

 30周年記念として、「はなにら」「涙目コント」「怠惰なマネキン」を連続上演し、今回が4作目。

 「その鉄塔に男たちはいるという」は、日本社会に閉塞感が立ち込めていた1998年、演劇を続ける自分たちがどうなるのかという不安を感じながら創作した。

 上演後にOMS戯曲賞を受賞。2001年後にプロデュース公演として再演後も、花組芝居OFFシアター、青年座など、外部の多くの団体に上演されてきた。

 今回は、社会の変化に合わせて台本に加筆。ほぼ20年ぶりの上演となるのに出演者が全員、初演時と同じというのも興味深い。

MONO

MONO(撮影:西山榮一(PROPELLER.))

 とある戦争の最前線。戦意高揚を目的にショーを見せようとやってきた慰問グループのメンバーがある朝、突然、脱走。森の中にある鉄塔に逃げ込んだ。

 戦争が終わるのを待つが、何かすることがあるわけではない。ただただ、披露する予定のないショーの練習を繰り返すばかりだ。男たちが鉄塔に隠れている噂が皆に伝わり——。

 今回は、「+」として、同じ場所、違う時代という設定の新作短編も追加。2018年に20年ぶりにMONOに加入した4人が出演する。この上演によって、作品世界が、より現在の社会と地続きになることを狙った。

 出演は、水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生、石丸奈菜美、高橋明日香、立川茜、渡辺啓太

 前売3000円、22歳以下1500円。当日3500円、22歳1750円。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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