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特別展「アイヌの美しき手仕事」豊田市民芸館で2024年10月12日-12月15日に開催

首飾り(タマサイ)部分[日本民藝館蔵]

2020年の日本民藝館での展覧会を再構成

 愛知・豊田市民芸館で2024年10月12日〜12月15日、特別展「アイヌの美しき手仕事」が開催される。

 日本民藝館創設者の柳宗悦(1889-1961年)は、アイヌ民族の工芸文化に早くから着目し、1941年には美術館で最初のアイヌ工芸展となる「アイヌ工藝文化展」を日本民藝館で開催した。

 その際、同展の作品選品や展示を任された染色家、芹沢銈介(1895-1984年)は、自身もアイヌの手仕事を高く評価し、蒐集している。

木綿地切伏刺繍衣裳(部分)髙松コレクション[日本民藝館蔵]

 本展は、2020年に日本民藝館で開催された展覧会を再構成。日本民藝館所蔵の柳のアイヌコレクションと、静岡市立芹沢銈介美術館所蔵の芹沢のアイヌコレクションを紹介しつつ、併せて「アイヌを最上の姿で示した展覧であった」と柳が評した1941年の展示を一部再現する。

 また、今回、2023年に豊田市民芸館と日本民藝館に寄贈された髙松静男コレクションの多くを初公開する。

イラクサ地切伏刺繍衣裳(テタラペ)丈126㎝ 樺太アイヌ[日本民藝館蔵]

 オヒョウやイラクサなどの靭皮繊維で織られた衣裳、本州から渡った古い木綿に切伏や刺繍を施した衣裳、そして幾何学文様が魅力的な刀掛け帯、アイヌ玉の首飾り、儀礼の際に用いられる木製のイクパスイなど、アイヌの手仕事には、細部にまで豊かな想像力や深い精神性、そして卓越した造形力がみなぎっている。

 柳がアイヌの工芸から受けた「真実なものへの強い感銘」が展覧会を通じて多くの人に共有され、民族の多様性を尊重する社会につながることが期待されている。

木綿地切伏刺繍衣裳 丈122㎝[日本民藝館蔵]

開催概要

会  場:豊田市民芸館 第 1・第 2 民芸館(愛知県豊田市平戸橋町波岩86-100)
開館時間: 午前9時30分-午後5時
休 館 日:祝日・振休を除く月曜日(10月14日、11月4日は開館)
観 覧 料: 一般 800円/高校・大学生 600円
中学生以下と豊田市在住の70歳以上、障がい者は無料(要証明)
※その他減免あり
主  催: 豊田市民芸館
共  催: 中日新聞社
後  援: 公益財団法人アイヌ民族文化財団
出品協力: 日本民藝館、静岡市立芹沢銈介美術館
出品点数: 約230点

関連企画

<記念講演会>
①11月23日(土)午後2時-3時30分
「アイヌ工芸ことはじめ」
②12月7日(土)午後 2時-3時30分
「アイヌと民藝」
※②は、北海道大学アイヌ・先住民研究センター巡回講座として共催

講師: 山崎幸治氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター センター長)
聴講: 無料(ただし会期中の観覧券提示必要)
定員: 先着50名(事前申込み不要)

同時開催

「アイヌの生活 -髙松コレクションを中心に-」
会 場: 豊田市民芸館 第 3 民芸館
観覧料: 無料

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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