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国立新美術館で2024年9月15日(日)に国際芸術祭「あいち2025」トークイベントを開催

フール・アル・カシミ監督、アーティストが登壇

 国際芸術祭「あいち」組織委員会は、「あいち 2025」の開幕1年前イベントとして、東京・六本木の国立新美術館3階講堂で2024年9月15日14:00~16:00、トークイベントを開催する。

 本芸術祭は、詩人アドニスの詩集から着想を得て、「灰と薔薇のあいまに」というテーマ・コンセプトのもと、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかを主な会場として開催される。

 今回、芸術監督であるフール・アル・カシミのほか、国内外の参加アーティストが登壇し、コンセプトや芸術祭にかける思いを語ることで、1 年後に開催される国際芸術祭「あいち 2025」の世界観を共有する。

開催概要

日時|2024年9月15日(日) 14:00~16:00( 13:30開場)
会場|国立新美術館 3階 講堂 (東京都港区六本木7-22-2)
登壇|フール・アル・カシミ(国際芸術祭「あいち2025」芸術監督)
   国際芸術祭「あいち2025」参加アーティスト
   ※参加アーティストの詳細については後日、公式サイト、SNSで。
参加|無料(要事前申込、先着順) 
※日英同時通訳有り
※オンラインによる同時配信はありません
申込|応募フォームから 
定員|200名
主催|国際芸術祭「あいち」組織委員会 
助成:文化庁、公益社団法人企業メセナ協議会 社会創造アーツファンド

コンセプト(要約版)

灰と薔薇のあいまに A Time Between Ashes and Roses

 国際芸術祭「あいち 2025」は、詩人アドニスの詩集『灰と薔薇の間の時』から出発します。その心情とヴィジョンに共鳴するこの芸術祭は、現在の人間と環境の間の分断を照らし出す国家や領土といった目先の視点からではなく、地質学的な時間軸によって見えてくる未来の展望を提示します。本芸術祭は、極端な終末論と楽観論を中心に据えるのではなく、環境正義*の重なり合う複雑さを扱うことで、自らの責任に向き合い、不正義への加担を自覚するよう促しています。そしてまたこの芸術祭は、破壊と開花のあいまにある・・・・・・陰影のニュアンスや表現、人間と環境の複雑に絡み合った関係を強調します。

 世界中から招くアーティストやコレクティブによる作品は、私たちが生きる環境について既に語られている、そしてまだ見ぬ物語を具現化してくれるでしょう。キュレーターの使命とアーティストの作品は、この芸術祭の地域性を掘り下げ、陶磁器や「せともの」の生産に触発された環境の物語を掘り起こします。こうした産業は地域の誇りの源であり、人間と環境の関係の新しく実験的なモデルを模索する本芸術祭の枠組みを支えています。愛知の産業史において、陶磁器生産によって灰のように黒く染まった空は、環境の汚染や破壊よりもむしろ繁栄を意味していました。こうした地場産業や地域遺産は、人間と環境の複雑に絡み合った関係について、ニュアンスに富んだ思考への道を開いてくれるのでしょうか。「灰と薔薇の
あいまに」とは、当然視されてきた位置づけやヒエラルキーが解きほぐされるよう、幅を持ち中間にある状態を引き受けること、そのような横断的なあり方なのです。

*出自や所得の多寡にかかわらず公平に安全な環境で暮らす権利を持つこと。
                国際芸術祭「あいち 2025」芸術監督
                フール・アル・カシミ

フール・アル・カシミ(Hoor Al Qasimi)

 アラブ首長国連邦出身。2023 年 7 月より国際芸術祭「あいち 2025」芸術監督。世界中のアートを繋ぐ支援者として、2009 年にシャルジャ美術財団を設立、現在は理事長兼ディレクター。第 6 回シャルジャ・ビエンナーレ(2003)から同ビエンナーレのディレクターを務め、2023 年の第 15 回ではキュレーターに就任。また、2017 年には国際ビエンナーレ協会会長に選出されたほか、シャルジャのアフリカ・インスティテュート会長や建築トリエンナーレ会長兼ディレクターとしても活動。さらに、2026 年に開催される第 25 回シドニービエンナーレのアーティスティック・ディレクターに指名された。

国際芸術祭「あいち 2025」

灰と薔薇のあいまに
A Time Between Ashes and Roses
会期:2025 年 9 月 13 日(土)~11 月 30 日(日)[79 日間]
主な会場:愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか
主催:国際芸術祭「あいち」組織委員会
公式サイト:https://aichitriennale.jp

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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