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玉山拓郎: FLOOR 豊田市美術館で2025年1月18日-5月18日に開催

参考作品

ただ一つのインスタレーションを展示

 「玉山拓郎: FLOOR」が2025年1月18日〜5月18日、豊田市美術館で開催される。

 玉山拓郎は1990年、岐阜県多治見市生まれ。愛知県立芸術大学、東京藝術大学大学院に学び、東京を拠点に活動する。

 絵画制作を出発点としながら、早くから立体的な造形や光、映像、音を組み合わせたインスタレーションを展開してきた、現在最も注目を集める作家の一人だ。

 日常的に用いられる机や電球が大地や星々のようにも見えるなど、玉山の作品は内なる場(In-terior)と外界(ex-terior)の関係へと想像を広げつつ、大小のスケールの振れ幅に両者の境界を問うてきた。

 とはいえ同時に、玉山の作品は明確な境界線を引くのではなく、異なるものが流通し、また衝突する不可分で動的な領域=界面として現れる。

MV01、2024 Photo: Kohei Omachi (W)

 今回の展覧会で展示されるのは基本的にはただ一つのインスタレーションのみ。

 豊田市美術館の特徴的な展示空間に、建築とも、構造物とも、あるいは立体作品や彫刻とも弁別できない巨大な物体を貫入させる。日の光の移ろいによって刻々と変化する展示室に、ひとつのインスタレーションがさまざまなかたちで現れる。

 日常的なスケール=基準がいったん保留され、ずらされる、この未知なる領域(territory)において、わたしたちは空間と時間のなかで、なにかを体験することそのものをあらためて見つめ直すことになる。

MV02、2024 Photo: Kohei Omachi (W)

開催概要

開催期間:2025年1月18日[土]-5月18日[日]
開館時間:午前10時-午後5時30分(入場は午後5時まで)
休 館 日: 月曜日[2月24日、4月28日、5月5日は開館]
会  場: 豊田市美術館 展示室1-5
主  催: 豊田市美術館
協賛協力: 特別協賛/株式会社ニューバランスジャパン、協賛/SOPH. CO.,LTD、特別協力/株式会社サンゲツ、機材協力/ソニー PCL株式会社、 協力/ANOMALY

観覧料

一般高校・大学生中学生以下
当日窓口販売1,200円1,000円無料
オンライン販売1,000円800円無料

※前売券及び20名以上の団体は当日窓口料金から200円割引

お得なセット券を販売(オンライン限定)
 同時期に開催する「しないでおく、こと。」展と会期が重なる時期に使用できるセット券
 一般2,200円、高校・大学生1,600円
*販売期間:2024年9月14日-2025年2月16日[日]
*有効期間:2025年1月18日[土]-2月16日[日]

*その他、観覧料の減免対象者及び割引等については、同館ウェブサイトを確認

玉山拓郎《FLOORのプラン》2024

見どころ

この地域にゆかりの新進気鋭の作家、美術館での初個展
 玉山拓郎は岐阜県多治見市出身で愛知県立芸術大学で学んだ。その後、東京に拠点を移し、近年では「六本木クロッシング 2022 展:往来・オーライ!」(森美術館、東京)への参加や「NACT VIEW 01」(2022年、国立新美術館、東京 ) でのプロジェクト企画、街中でのサイト・スペシフィックな展示などで、その都度斬新な新作を発表し注目を集めてきた。本展でもまた新作を過去最大規模の作品として発表する。

5つの展示室にまたがるひとつの作品
 谷口吉生による豊田市美術館の建築のなかでも、2-3階の展示室はとりわけ特徴的な空間として知られている。今回の展覧会では 2-3階に続く5つの展示室に、ひとつの作品を貫入させる。全面をカーペットに覆われたそれは彫刻とも、建築ともつかない、巨大な「なにか」。そこには展覧会に往々にして設定されている順路も物語もない。日常的なスケールがずらされ、ただ空間と呼ぶほかない場所が生まれる。そこでわたしたちはなにかが生じていることそのもの、作品を経験することそのものを見つめ直すことになる。

日の光の移ろいによって変わり続ける展示室
 当館の2-3階の展示室はガラス壁や天井を通して、自然光の日の移ろいがはっきりと伝わる。本展ではそうしたガラス壁に少しだけ手を加えながら、スポットライトやシーリングライトをいっさい使わず、自然光のみで展示を構成する(1 カ所を除く)。1月から始まり、5月に終わる本展では、会期中、日が徐々に伸び、日差しが強くなっていく。それに合わせて、展示室の様子も一日のうちにも刻々と、季節に合わせてゆっくりと移ろっていく。その時々で現れるもの、受け取られるものもまた移ろう、「いま・ここ」での体験のための展覧会である。

日没後の闇に沈む特別な時間
 展覧会開幕から1月末までの 2 週間ほどは開館時間中に日が沈む。閉館時間が近づくにつれて展示室はだんだんと暗くなり、作品もゆっくりと闇に溶け込んでいく。非常灯などの限られた灯りに浮かび上がるまさしく非日常的な空間における、限られた期間のみに立ち現れる特別な体験。美術館は、早目の来館をつよく勧めている。

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