報道によると、美術家の高山登さんが2023年1月8日、仙台市内の病院で、肺がんのため死去した。78歳。「もの派」の美術家として活動した。
1944年、東京生まれ。1970年、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。1960年代末から、線路の枕木など重厚な物質によるインスタレーション作品を展開した。
物質と記憶の関係をテーマとし、枕木は、近代化による犠牲者、植民地や移民、日本によるアジア侵略の際の鉄道敷設の記憶と結び付いていた。パリ国際青年ビエンナーレや光州ビエンナーレに参加した。
宮城教育大や東京藝術大学美術学部先端藝術表現科教授を務めた。
岐阜県が顕彰する第6回円空大賞円空賞も受賞している。
展覧会に、2010年の「高山登展 ―300本の枕木 呼吸する空間―」(宮城県美術館)、2011年の高山登退任記念展「枕木―白い闇×黒い闇」(東京藝術大学大学美術館)などがある。