碧南市制75周年記念事業 開館15周年記念 須田国太郎展
重厚な作風、東西技法の融合で知られる洋画家、須田国太郎(1891~1961年)の画業を振り返る「生誕130年 没後60年を越えて 須田国太郎の芸術-三つのまなざし-」が2023年10月28日~12月17日 、碧南市藤井達吉現代美術館(愛知県)で開催される。
須田国太郎は「東西の絵画の綜合」というテーマを掲げ、日本の精神文化に根差した日本独自の油彩画のありかたを追求。近代絵画史に偉大な足跡を残した。
京都に生まれ、幼少時代から絵画に親しんだ須田は、東洋と西洋で、なぜ絵画が異なる方向に発展したかという疑問を解明するために、京都帝国大学、同大学院で美学・美術史を学んだ。
大学院在籍中には、「絵画の理論と技巧」を研究テーマとし、同時に関西美術院において、デッサンを学んでいる。
1919(大正8)年に28歳で渡欧。スペインのマドリッドを拠点にヨーロッパ各地を訪れ、ヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法など、西洋絵画の底流をなすリアリズムの表現に関心を持ち、探求。
1923(大正12)年に帰国し、日本独自の油彩画を生み出そうと制作に励み、1932(昭和7)年、41歳の時に初個展を開催した。
これを契機に、ヨーロッパ留学中に交流のあった里見勝蔵や川口軌外の誘いにより、1934(昭和9)年に独立美術協会会員となった。以後、須田は同協会展を中心に、意欲作を発表。骨太で生命感あふれる作品は、理論に裏付けられた風格を宿している。
本展では、以下の各章で須田国太郎を紹介する。
第1章 「画家の歩み」
初期から晩年までの画家としての流れ
第2章 「旅でのまなざし」
滞欧中に撮影した写真と関連する油絵、国内の風景画
第3章 「幽玄へのまなざし」
幼少時より親しんだ能・狂言の世界を描き出した作品
第4章 「真理のまなざし」
造形上の芸術的真理を追求した代表的な「黒の絵画」を核とした作品と、学術的な真理の追求として発表した芸術論の著作
また、須田がデザインに注目して蒐集した「グリコの玩具」や、愛用のカメラなどの遺品も併せて展示し、須田国太郎芸術の新たな魅力を検証する。
展覧会概要
会 期:2023年10月28日(土曜日)~12月17日(日曜日)
観覧時間:10時~17時(入場は16時30分まで)
休 館 日:月曜日
観 覧 料:一般900(720)円、高大生600(480)円、小中学生400(320)円
※( )は20名以上の団体料金。未就学児童、碧南市内在住・在学の小中学生・高校生、市内在住の65歳以上の方、各種障がい者手帳のある人と付き添い1名は無料。
※11月24日(金曜日)はあいちウィーク期間中の「県民の日学校ホリデー」のため観覧無料
関連イベント
記念講演会1
演題:「須田国太郎の魅力―三つのまなざし―」
講師: 木本文平(当館館長)
日時:11月4日(土曜日)14:00~15:30
場所:美術館 地下1階・多目的室B
定員:60名(先着順) 聴講無料
記念講演会2
演題:「須田のリアル論」
講師: 梶岡秀一氏(京都国立近代美術館学芸課情報資料室長)
日時:11月18日(土曜日)14:00~15:30
場所:美術館 地下1階・多目的室B
定員:60名(先着順) 聴講無料
記念講演会3
演題:「須田国太郎の画業」
講師: 中谷至宏氏(京都市美術館学芸アドバイザー・成安造形大学教授)
日時:11月25日(土曜日)14:00~15:30
場所:大浜まちかどサロン 2階・多目的ホール
定員:60名(先着順) 聴講無料
ミュージアムコンサート
テーマ:「情熱のスパニッシュ・ラテンミュージックライブ」
演奏者:栗原武啓(ギター)、森薫里(ヴォーカル)、魚住英史(パーカッション)
日時:11月3日(金・祝)14:00~15:00
場所:美術館 1階・ロビー
定員:50名(先着順) 無料
協力:碧南市芸術文化ホール エリアワングループ
ワークショップ「塗る」×「重ねる」-下地の色の深さを体感しよう-
須田国太郎をはじめ多くの洋画家は、下地に多彩な色を塗り重ねて作品に深みを与える。さらに上からたくさんの色を重ねて仕上げる。
日時:10月29日(日曜日) 10:30~11:45 / 13:30~14:45
対象:一般(中学生以上)
参加費:300円
定員:各10名(先着順)
場所:美術館 地下1階・創作室
講演会、ミュージアムコンサート、ワークショップともに定員になり次第締め切る。
電話で、 1.氏名 2.電話番号 3.参加人数を知らせる。
ギャラリートーク
展覧会担当学芸員による展示説明。
日時:11月11日(土曜日)/11月25日(土曜日)/12月2日(土曜日)/12月16日(土曜日)
いずれも14:00から約30分。予約不要。観覧券をもって、2階ロビー集まる。