©️Stephanie Berger/ Park Avenue Armory
2019年10月12日の日本経済新聞によると、SPAC(静岡県舞台芸術センター)が9月25日〜10月6日に米ニューヨークで開いたギリシャ悲劇「アンティゴネ」(ソポクレス作)の12公演が大反響を呼んだ。各公演約1000席の会場が完売し、175ドル(約1万9000円)の良席に最高1890ドル(約20万円)のプレミアがついたという。同紙のリポートによると、劇が終わると、観客は総立ちになり、ニューヨークタイムズ紙は「瞑想的な異世界に連れ去られる」と評した。
日経新聞の特集記事で、内田洋一編集委員は、米国での日本の現代演劇の受容の歴史を振り返り、宮城聡芸術総監督とSPACの国際的な活躍の意義を詳述している。
SPACのwebサイトなどによると、「アンティゴネ」は、フランス・アヴィニョン演劇祭に先立つ「ふじのくに野外芸術フェスタ2017」で、静岡市の駿府城公園に、フランス・アヴィニョン演劇祭の約1/3サイズの舞台を設置してプレ公演を行った(注:筆者観劇)後、2017年7月、世界最高峰の演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」のオープニング作品として、法王庁中庭で上演され、絶賛された。今回は、2019年3月から、ニューヨーク、ワシントンなどを会場に始まった日本博「Japan2019」の公式企画として招聘を受け、ニューヨークのパーク・アベニュー・アーモリーのドリル・ホールを会場に上演。アヴィニョンでの上演時とほぼ同じ規模の水を張った舞台を設け、人を2種類に分けない王女アンティゴネの思想に日本人の死生観を重ねて演出した。
「ふじのくに野外芸術フェスタ2020」で2020年5月2~5日(予定)に、駿府城公園の野外舞台で再演する。