SPAC 秋→春のシーズン2022-2023 #4
今シーズンの最後を飾る傑作社会劇 !!
SPAC-静岡県舞台芸術センターの新作舞台『人形の家』(演出:宮城聰SPAC芸術総監督、作:ヘンリック・イプセン)が2023年2月11日(土祝)、12日(日)、19日(日)、3月4日(土)、5日(日)、11日(土)、12日(日)各日14:00から、静岡市の静岡芸術劇場で上演される。
『人形の家』は「近代演劇の父」といわれるノルウェーの作家ヘンリック・イプセンが1879年に発表した戯曲。世界で初めて「女性の自立」が文学で描かれたといわれ、男性優位な当時の社会でセンセーショナルな結末は激しい論争を巻き起こした。
舞台設定は戦前の日本
日本で起きた女性解放運動にも大きな影響を与え、140 年がたった今も国内外で絶えず上演され続けている。
今回は、舞台設定を大胆にも、当時のヨーロッパから、昭和10年(1935年)という戦前の日本に置き換え、衣裳は和装、小道具は日本家具で上演。レトロな時代に見せながら、現代の日本でも「女性の立場」が根本的には戦前から変わらないのではないかと問いかける。
固定観念を揺るがすパズルピースの欠落
舞台セットは、宮城が演出したもう1つのイプセン作品『ペール・ギュント』とも呼応させ、舞台面に、能舞台と同じサイズとなる5.4メートル四方の巨大なパズルを設置。背景にも、同じパズルを傾かせて配置する。
はめ込まれたピースには、“三種の神器”(洗濯機・冷蔵庫・テレビ)や自動車、ミシンなどの家庭用品が描かれている。
これらのアイコンは、ヘルメル、ノーラも、現代の私たちも、幸せな家庭に必要とされるものにむしろ縛られていることを象徴している。物語が進むにつれ、パズルのピースが徐々に欠落していく仕掛けは、観客の固定観念を揺さぶるだろう。
あらすじ
弁護士の夫ヘルメル、子どもたちと何不自由なく幸せな生活を送るノーラ。
かつて夫を助けるために秘密裏に行った借金が露呈。激情したヘルメルの発言により、ノーラは、自分が夫にとって都合のいい所有物であり、従順な「人形」に過ぎなかったと悟る。
「一人の人間として生きる」決意をし、家族を捨てて家を去る…。
公演概要
演出:宮城聰
作:ヘンリック・イプセン/ 訳:毛利三彌
照明デザイン:大迫浩二/衣裳デザイン:駒井友美子/音響デザイン:澤田百希乃
出演・配役:たきいみき (ノーラ(ヘルメルの妻)) 、 加藤幸夫 (弁護士クログスタ)、武石守正(ドクトル・ランク) 、 葉山陽代 (リンデ夫人)、bable(ベイブル)( 弁護士ヘルメル) 、 森山冬子(家事手伝い/ヘルメルのこども)
公演日:2月11日(土祝)、12日(日)、19日(日)、3月4日(土)、5日(日)、11日(土)、12日(日)各日14:00開演 上演時間未定(120 分以内)
会場:静岡芸術劇場(グランシップ内)
チケット
●料金(税込/全席指定)
一般:4,200円、ペア割引:3,700円(2名で1枚につき)、ゆうゆう割引[満 60 歳以上]3,500円、学生割引[大学生・高校生]2,000円 [高校生以下]1,000円 そのほか各種割引あり
●チケットお取り扱い
SPAC チケットセンター
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演出家プロフィール 宮城聰(みやぎ・さとし)
演出家。2007年 SPAC芸術総監督に就任。自作の上演とともに世界各地から現代社会を鋭く切り取る作品を紹介。県内各地でのアウトリーチ活動にも力を注ぎ、「世界を見る窓」としての劇場運営を進めている。代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『アンティゴネ』など。K-mix レギュラー番組「宮城聰の頭のなか」出演中。