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SPAC 秋→春のシーズン2021-2022の演目発表 『桜の園』(新作)『みつばち共和国』『夜叉ヶ池』

『みつばち共和国』(2020) 舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」 ©K.Miura

SPAC 秋→春のシーズン 2021-2022の3作品を発表 

 SPAC-静岡県舞台芸術センターが、2021年10月から2022年3月までの 「秋→春のシーズン」 の演目を発表した。

 1年間の工事休館を終える静岡芸術劇場で、 芸術総監督の宮城聰さんと国内外 の注目の演出家による3作品を上演する。

 注目は、フランス国立演劇センター・ジュヌヴィリエ劇場との共同制作による新作『桜の園』。

 演出のダニエル・ジャンヌトーさんが厳選した日仏の俳優を起用。チェーホフの傑作を儚くも美しい劇世界に仕立て、11~12月に披露する。

宮城聰  ©加藤孝

  また、昨年、日本とフランスをZoomでつないで創作された『みつばち共和国』が早くも10月に再演される。蜜蜂の生態と神秘に迫る幻想的な作品である。

 年明けの1~3月には、宮城さんの人気作『夜叉ヶ池』のロングラン上演も始まる。

 いずれも、週末の一般公演とともに、平日には、静岡県内の中高生を招待する「中高生鑑賞事業公演 『SPACeSHIP(スペースシップ)げきとも!』がある。

 昨シーズンは、さまざまな感染防止対策を講じた上で、2020 年9月末から、 劇場公演を再開。 静岡芸術劇場の工事休館に伴い、県内各地の文化施設で3作品を上演した。新たな試みとして、オンラインでの映像ライブ配信にも挑戦した。

 俳優同士が触れ合うシーンをなくし、上演中は俳優もマスクを着用するなど、演出そのものを“ソーシャルディスタンス”仕様にする昨年の試みは、今シーズンも続ける。

上演作品一覧/公演スケジュール

1『みつばち共和国』再演/国際共同制作/2020年初演

 上演時間:60分 日本語上演/字幕なし 推奨年齢:7歳~ ※未就学児入場不可

 メーテルリンク作『蜜蜂の生活』に基づく 作・演出:セリーヌ・シェフェール 日本語台本:能祖將夫 出演:たきいみき、永井健二、仲村悠希[50 音順] 声の出演:木内琴子

 『青い鳥』で知られる作家メーテルリンクの詩情あふれるエッセイ『蜜蜂の生活』をもとに、フランス人演出家セリーヌ・シェフェールが神秘に包まれたミツバチの1年を鮮やかに描き出す。

 2020年、SPACが日本語版として創作。森に囲まれた舞台芸術公園屋内ホール「楕円堂」で上演した。プロジェクションやダンスを巧みに取り入れた本作は、大人も子どもも楽しめる演劇作品として好評を博した。

『みつばち共和国』(2020) 
舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」 ©K.Miura

 今年、シーズン開幕作として、早くも再演が決定。1年間の工事休館を終える静岡芸術劇場の重厚感あふれる舞台に、深遠なる ミツバチの共和国が立ち上がる。

<一般公演>
  ▼静岡芸術劇場 10月2日(土)/3日(日)/9日(土)/10日(日)/23日(土)/24日(日) 各日14:00開演▼下田市民文化会館大ホール 11月27日(土)14:00開演

 セリーヌ・シェフェール 演出家、ビジュアル・アーティスト。フランス生まれ。造形美術を学んだのち、1995年より演出助手として舞台芸術分野で活動を始め、1999年からは現代フランスを代表する劇作家ヴァレール・ノ ヴァリナのコラボレーターを務める。2019年には、カンパニー・ル・メロドロームを設立。フランス・アヴィニョン演劇祭で本作を創作・初演し、反響を呼んだ。演劇、言語、美術を横断する創作スタイルで注目を集めている。

2『桜の園』新作/国際共同制作

ダニエル・ジャンヌトー演出
『 ガラスの動物園 』(2011) より ©K.Miura

 上演時間未定 日本語・フランス語上演/日本語字幕

 演出・舞台美術:ダニエル・ジャンヌトー  作:アントン・チェーホフ 翻訳:アンドレ・マルコヴィッチ、フランソワーズ・モルヴァン(仏語)、安達紀子(日本語) 出演:鈴木陽代、布施安寿香、ソレーヌ・アルベル、阿部一徳、カンタン・ブイッスー、オレリアン・エスタジェ、小長谷勝彦ナタリー・クズネツォフ、加藤幸夫、山本実幸、アクセル・ボグスラフスキー、大道無門優也、大内米治

 現代フランスを代表する演出家の1人で、SPACと『ブラスティッド』(2009年)、『ガラスの動物園』(11年)、『盲点たち』(15年)で深い信頼関係を築いてきたダニエル・ジャンヌトー。彼が厳選したフランスの俳優と、 SPACの俳優・スタッフが、全く新しいチェーホフの劇世界を描き出す。

<一般公演>
 ▼静岡芸術劇場 11月13日(土)/14日(日)/20日(土)/21日(日)/23 日(火・祝)/28日(日)/12月12日(日) 各日14:00開演▼磐田市竜洋なぎの木会館大ホール 12月3日(金)13:30開演

 ダニエル・ジャンヌトー 演出家、舞台美術家。ストラスブール装飾芸術学校を卒業後、ストラスブール国立劇場付属学校で演劇を学ぶ。在学中にフランス演劇界の巨匠クロード・レジと出会い、その後、15年にわたってレジ作品の舞台美術を手がけたほか、ジャン=クロード・ガロッタ、トリシャ・ブラウン、パスカル・ランベールなど、数々の演出家や振付家と創作を共にしている。2001年より、マリー=クリスティーヌ・ ソマと共同で、ラシーヌ、ストリンドベリ、サラ・ケイン、ダニエル・キーンなどの作品を演出。ステュディオ・テアトル・ド・ヴィトリーの芸術監督を経て、17年、フランス国立演劇センター・ジュヌヴィリエ劇場ディレクターに就任。

3『夜叉ヶ池』再演/2008年初演,09,12年,15年再演

『夜叉ヶ池 』(2012)© NAKAO Eiji

 上演時間:95分 日本語上演/英語字幕

 演出:宮城聰 作:泉鏡花  出演:奥野晃士、春日井一平、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦鈴木真理子、たきいみき、武石守正、永井健二、ながいさやこ、布施安寿香、三島景太、宮城嶋遥加、山崎皓司、若宮羊市 [50 音順]

 大正初めの山深い村里を舞台に美しい幻想世界を描いた泉鏡花の傑作戯曲。失踪した東大生、その友人が山奥の村で見たものとは…? 美しく艶やかな衣裳と、俳優の生演奏による心を揺さぶる音楽。伝説、自然、恋物語が交差する興奮の舞台が7年ぶりに待望の再演。

<一般公演>
 ▼静岡芸術劇場 2022年1月22日(土)/23日(日)/29日(土)/30日(日)/2月6日(日)/12日(土)/13日(日)/19日(土)/23日(水・祝)/3月5日(土) 各日14:00開演

チケット

SPACの会会員先行予約一般前売
『みつばち共和国』8月28日(土)10:00〜9月4日(土)10:00〜
『桜の園』9月25日(土)10:00〜10月2日(土)10:00〜
『夜叉ヶ池』12月4日(土)10:00〜12月11日(土)10:00〜

チケット料金
一般4,200円/ ペア割引3,700円(2名で1枚につき)/ グループ割引3,300円(3名以上で1枚につき)/ ゆうゆう割引[満60歳以上]3,500円/ 学割[大学生・専門学校生]2,000円 / 学割[高校生以下]1,000円 / 障がい者割引2,900円[障害者手帳のある人、付添の人(1名)は無料]

☆『みつばち共和国』ファミリー割引3,300円(高校生以下を同伴の大人 1 名につき)※電話・窓口のみの取り扱い
★静岡県内の小学生招待(1公演5名まで)※電話・窓口で取り扱い

SPAC チケットセンター
電話予約 TEL:054-202-3399(10:00〜18:00・休業日を除く) 窓口販売静岡芸術劇場チケットカウンター(10:00〜18:00・休業日を除く)
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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