猩々大行進
国際芸術祭「あいち2022」の開幕(7月30日)を前に、ラーニング・プログラムの一環で2022年7月23日午前9時30分~10時30分、プログラム参加者や子どもたちが作った猩々(架空の妖怪)の大人形が名古屋市中心部を練り歩くプレイベント「猩々大行進」が開催される。
「愛知と世界を知るためのリサーチ」のプロジェクトの1つ「猩々大発生」の中で、ラーニング・キュレーターの山本高之さんとプログラム参加者でつくる「山本高之と猩々コレクティブ」と、愛知県内の児童館の子どもたちが共同制作した約40体の猩々が、アートラボあいち(中区丸の内3)から愛知芸術文化センター(東区東桜1)までを歩く。
イベント概要
◉日時
2022年7月23日(土)午前9時30分から午前10時30分まで。小雨決行、警報発令時は中止。雨天時は翌24日(日)に延期。
◉出発場所
アートラボあいち(名古屋市中区丸の内三丁目4-13 愛知県庁大津橋分室2・3階)
◉タイムスケジュール
9:30 出発(アートラボあいち)
9:50 ヒサヤオオドオリパーク セントラルブリッジを通過
10:05 中部電力 MIRAI TOWER(旧名古屋テレビ塔)を通過
10:15 オアシス21 緑の大地(地上階)を通過
10:30 愛知芸術文化センターに到着
11:00 到着式(愛知芸術文化センター)
「猩々大発生」
アーティストで、「あいち2022」ラーニング・キュレーターの山本高之さんが中心となって、「山本高之と猩々コレクティブ」を結成。愛知県の一部地域の祭りに登場する大人形、猩々にファーカスしたプロジェクトに取り組んでいる。
コレクティブは、猩々についてのリサーチや制作、芸術祭会期中のイベントなど、さまざまなプログラムを展開する。
愛知県児童総合センター(愛・地球博記念公園)との共催により、県内5カ所の児童館で、猩々を制作するワークショップも実施。
制作した猩々は、芸術祭会期中にラーニング・ルーム(愛知芸術文化センター8階)で展示される。猩々にまつわるワークショップやイベントなども予定されている。
猩々
能の演目として有名で、顔は人間、体は獣。人の言葉を解する妖怪、化け物である。酒が好きで、酒樽一個を飲み干すといわれている。能では、赤い能装束を着て、お酒を飲み、舞い踊る、海中に住むものと紹介されている。
これらのことから、酒にまつわるものや、赤色に縁が深い。愛知県の名古屋市緑区(鳴海、有松)や南区(笠寺)、東海市、大府市、豊明市などの地域では、主に秋に開催される祭礼に登場する大人形のことを指す。
1757年の文献の中に、鳴海村の祭りの行列に猩々が並んでいたと書かれているのが最初とされている。
頭部は張り子、肩から腰までを竹で組み、羽織を着せたものを人がかぶる。ちょうど、猩々の胸部から腹部のあたりに、中の人の顔がくるようになるので、大人が被ると2mほどの大きさとなる。
地域や時代によって、扱われ方は異なるが、猩々は祭りで練り歩きながら、参列した子どもたちを追いかけ、手に持つ棒で叩いたり撫でたりすることで、無病息災を願うものとされている。
「愛知と世界を知るためのリサーチ」とは
芸術祭の開催地である愛知という土地にまつわるさまざまな事柄をテーマに取り上げ、我々が現在立っている場所について明らかにしながら、「世界とは何か」という謎に迫るリサーチをベースとしたプログラム。
その1つである『監督と学ぶ』は、「あいち2022」の芸術監督、片岡真実さんが、開催会場となる地域を中心に、専門家や地域の方々をゲストに迎え、対談形式で、歴史、文化、産業などを学ぶシリーズで、動画を公開している。
アーティストらがリーダーとなって、さまざまな視点で愛知を発見していくプロジェクトも実施。リサーチリーダーと公募による参加者が、フィールドワーク、ワークショップなど、グループごとのテーマに沿って、自由な形式で活動を展開。「あいち2022」の開催期間中にその成果を発表する。