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篠田桃紅さん死去 107歳

 各種報道によると、墨による抽象画で知られる美術家、篠田桃紅さんが2021年3月1日、東京都内の病院で逝去した。老衰で、107歳だった。

 岐阜県美術館で、「篠田桃紅と抽象の世界」展が2021年1月13日~2021年3月28日、開催されている。

 所蔵作品による紹介だが、ゆったりとした空間に大作を並べ、見応えのある展示になっている。墨のもつ可能性、その空間と時間性に向きあい続けた篠田桃紅さんの世界が味わえる。
 会場で配られるリーフレットは、こちら

 また、関市役所庁舎の関市立篠田桃紅美術空間でも企画展が開かれている。

 1992年、鍋屋バイテック会社 関工園内につくられた岐阜現代美術館(岐阜県関市)は世界有数の篠田桃紅コレクションを有することで知られる。

 篠田桃紅さんは、1913年、中国・大連に生まれ、5歳頃から、父親の手ほどきで墨と筆に触れたという。1956年、単身、抽象表現主義が全盛のニューヨークに渡航。墨による抽象絵画を確立した。

 米国や欧州で個展を開いて注目を集め、エッセイでも活躍。100歳を超えても、幅広く旺盛な制作を続けた。

 映画監督の篠田正浩さんはいとこ。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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