「A shore A.M./P.M.」 小型上映作品 2021©︎Yusuke Shigeta
映像作家 重田佑介の ちいさくて おおきな アニメーションのせかい ひかり-ピクセル-アニメーション
ピクセルアートのアニメーション表現で知られる映像作家、重田佑介さんの初めての個展「しかくいけしき」が2022年2月26日~3月21日、 愛知県春日井市の文化フォーラム春日井・ギャラリー で開催される。
新作2点、過去作品3点の計5点が展示される。
ピクセルアートは、デジタル画像の最小単位であるピクセルを強調したアート表現。
パーソナル・コンピューター(PC)の性能が上がり、複雑で写実性のある表現が可能となった現代と異なり、性能上の問題から、色数や解像度などに制約があった1980年代のPCのように、あえて初期のデジタル画像のスタイルで表現した作品である。
ピクセルアートはインターネットを中心に再度注目を集め、文化的な広がりを見せている。
重田さんは、ピクセルアートのアニメーションによって、デジタル技術ならではの映像表現を探究している。
併せて、作品を空間に展示することで、プロジェクターやモニターなどの光学的装置を作品表現の手法として取り込む。
展覧会タイトルの「しかくいけしき」は、ピ クセルアートの特徴である正方形のドットによって 描かれた風景画を意味している。
展覧会概要
会 期:2022年 2月26日[土] –3月21日[月祝]
時 間:10:00~17:00(最終入場16:30)
休館日:月曜休館(3月21日は開館)
会 場:文化フォーラム春日井・ギャラリー
入場料:無料
見どころ
①本展のために制作された新作を展示
新作「影絵(タイトル仮称)」の映像インスタ レーションを展示。鑑賞者は、通常の映像を見る体験とは異なり、プロジェクターとそこに映し出される映像の狭間に入り込む。
映像という“イメー ジ”と鑑賞者を含めた“現象”をスクリーンの上に同時に組み込み、映像のあちら側とこちら側、架空と現実の接続を試みる新作となる。
②代表作「がそのもり」や、近年、中部国際空港セントレアでの展示で話題になった「関ケ原山水図屏風」の展示も
重田の代表作である「がそのもり」は、世界中の童話をモチーフにしたピクセルアニメーショ ン。
天井から床に向けて投影されたプロジ ェクターの映像を、手に持った白い本をスクリ ーンにして鑑賞する。
さまざまなキャラクターごとにそれぞれの物語が進行しているため、鑑賞者は本を持って移動し、キャラクターや場面を追いながら鑑賞する。
「関ケ原山水図屏風」は、17世紀初期に描かれたとされる重要文化財「関ケ原合戦図屏風」(大阪歴史博物館所蔵)をモチーフにしたピクセルアニメーション。
屏風に描かれた当時の合戦風景に、現在も古戦場跡に残る自然の風景を重ね、アニメーションとして再構成。工芸品のように緻密なピクセルアニメーションをこれまでの最大サイズで白壁に投影する。
文化庁の文化発信プロジェクト「Culture Gate to Japan」の一環で制作され、現在は岐阜関ケ原古戦場記念館で常設展示されている。
③関連イベント ピクセルアニメーションをつくってみよう!を開催
重田さんが自ら講師となって、会期中、ピクセルアートのワ ークショップを開催。アニメーションに興味を持ちだす小学生向けの簡易なものと、中学生以上の大人向けの2種類がある。
数枚のピクセルを描き、連続して再生することで、自分の描いた絵が動きだす楽しさを体験してもらう。
《ワークショップ・ピクセルアニメーションを作ってみよう》
参加無料。要申し込み。
▶対象=小学 3~6 年生 2022年2月26日(土)①11:00~12:30 ②14:30~16:00
▶対象=中学生から大人 2022年3月21日(月祝)①11:00~12:30 ②14:30~16:00
定員各回15人。 ※先着順で2022年2月25日(金)17:00まで追加募集中。詳細はこちら。
重田佑介 プロフィール
1981年生まれ 東京藝術大学大学院映像研究科修了。神奈川県在住。映像作家。
驚き盤やゾートロープ、幻灯機など、装置や仕組みを含めた広義のアニメーショ ンへの興味からメディアアート領域で活動。複数のプ ロジェクターやモニターを使って、空間的にアニメーシ ョンを展開した体験型の作品を手掛けている。
主な展覧会に「オープンスペース 2011」(ICC/2011)、「キラ キラ、ざわざわ、ハラハラ展」(横須賀美術館/2014)、「動くアートの秘密展」(浜田市世界こども美術館/2019)、「魔法の美術館」(山梨県立美術館、長崎県立美術館、佐川美術館等/2010-2019)、「“ちり” も積もれば世界をかえる」(日本科学未来館/2021)など。