報道によると、フランスの抽象画家、ピエール・スーラージュさんが2022年10月25日、心不全のため、死去した。102歳だった。「黒の画家」として知られた。
1919年、フランス中南部のアヴェロン県ロデーズ生まれ。南部モンペリエの美術学校で学び、第二次世界大戦後にパリへ。
初期には、黄土色や褐色の地に灰や黒のダイナミックな線が構成された抽象作品で注目され、70年代末から、黒一色で統一された。
絵肌に凹凸をつくって反射する光の効果を探究。ペインティングナイフや刷毛の筆触による黒いテクスチャーの変化の中で光が揺れ動く、微妙な絵画空間で魅了した。
2019~2020年には、100歳を記念してルーブル美術館で回顧展が開かれた。
日本でも、たびたび作品が公開され、来日した。1984年に東京・西武美術館で個展を開催。1992年には、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞した。