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パウル・クレー展――創造をめぐる星座 2025年3月29日-5月25日に兵庫県立美術館で開催

  • 2024年10月15日
  • 2025年3月17日
  • 美術

パウル・クレー 20世紀美術に燦然と輝くスターたちとの共演!

 兵庫県立美術館(神戸市)で2025年3月29日~5月25日、「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」が開催される。同館では10年ぶりに開催されるクレー展。

 スイス・ベルン生まれのパウル・クレー(1879-1940年)は独創的な画風から、生前から高い評価を受け、現在では20世紀前半に活躍した最も重要な美術家のひとりとみなされている。

 「この世では、私を理解することなど決してできない。なぜなら私は、死者たちだけでなく、未だ生まれざる者たちとも一緒に住んでいるのだから。」

 クレーのこの言葉は、1920年にクレーの作品を売り出した画廊の販売戦略に用いられ、孤独に瞑想する芸術家としての彼のイメージを広めた。

 たしかにクレーの作品は謎めいているかもしれない。しかし、同じ時代を生きたほかの多くの前衛芸術家たちと同様に、クレーもまた、仲間たちと刺激を与え合ったり、夢を共有したりしながら、困難な時代を生き抜いたひとりの人間だった。

 クレーは、人生の根源的な悲劇性と向き合いながら、線と色彩によって光を呼び起こし、抽象のなかに生命のエネルギーを描き出した。その作品は、歴史的な文脈のなかに置かれることで、また新たな姿を見せるだろう。

パウル・クレー《チュニスの赤い家と黄色い家》 1914年 パウル・クレー・センター蔵

 兵庫県立美術館を含め、国内3館を巡回する「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」では、スイスのパウル・クレー・センターの学術協力のもと、クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、当時の貴重な資料の参照を通じて、多くの人や情報が構成する星座=コンステレーションのなかでクレーを捉え直し、その生涯にわたる創造の軌跡をたどる。

 キュビスム、表現主義、ダダ、シュルレアリスムといったクレーと同時代の美術動向にも目を向け、他作家の作品とあわせて展示することで、クレーの独自性にとどまらず、その同時代性や交流などにも焦点を合わせる。

パウル・クレー《熱帯の花》 1920年 パウル・クレー・センター蔵

開催概要

展覧会名:パウル・クレー展――創造をめぐる星座
会  場:兵庫県立美術館
 〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内]
会  期:2025年3月29日(土)~5月25日(日) 50日間
開館時間:午前10時-午後6時 
※入場は閉館の30分前まで
休 館 日:月曜日(ただし5月5日〔月・祝〕は開館、5月7日〔水〕は休館)
チケット発売日:2024年12月19日(木)10:00

観 覧 料

当日団体前売
一般2,000円1,600円1,800円
大学生1,500円1,200円1,300円
高校生以下無料
70歳以上1,000円800円
障害者手帳等をお持ちの方(一般)500円400円
障害者手帳等をお持ちの方(大学生)350円300円

※前売券の販売は2025年3月28日(金)まで
※団体は20名以上。団体鑑賞を希望する場合は1カ月前までに連絡する
※障害者手帳等のある人1名につき、その介助の人1名は無料
※予約制ではない。混雑時は人数制限を行う場合がある
※一般以外の料金で利用する人は証明書を当日提示
※コレクション展の観覧には別途観覧料金が必要(本展とあわせて観覧する場合は割引がある)

主  催:兵庫県立美術館、産経新聞社、関西テレビ放送
協  賛:DNP大日本印刷、アイシン、公益財団法人伊藤文化財団
学術協力:パウル・クレー・センター
特別協力:東京国立近代美術館、公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
公式サイト: https://www.ktv.jp/event/paulklee
問い合せ:兵庫県立美術館 078-262-1011

パウル・クレー《北方のフローラのハーモニー》 1927年 パウル・クレー・センター蔵(リヴィア・クレー寄贈品)

展示構成

1章 詩と絵画
 クレーがミュンヘンのアカデミーに学び、帰郷後再度ミュンヘンにてカンディンスキーやフランツ・マルクら青騎士の芸術家たちと出会うまでを紹介する。
2章 色彩の発見
 1912年にパリを訪れたクレーは衝撃を受け、その後、チュニジアを訪問し、色彩に目覚める。ここではピカソ、ブラックらの作品も紹介する。
3章 破壊と希望
 第一次世界大戦で青騎士の友人を失ったクレーは、戦争への批判的な態度を強め、自作の切断―再構成を実践する。ここでは戦争とクレーの関係性やダダの作家たちによるクレー評価を紹介する。
4章 シュルレアリスム
 「シュルレアリスム宣言」で、クレーはその先駆者のひとりとされた。ここではクレーとシュルレアリスムの交流を展示する。
5章 バウハウス
 1919年にクレーはバウハウスのマイスターとして招聘された。ここではクレーの造形論を紹介し、クレーにおける構成主義的な傾向の影響を検証する。
6章 新たな始まり
 ヒトラー政権樹立によりクレーは退廃的な「ユダヤ人」とみなされ、140点もの自作が「退廃芸術」として美術館から没収された。ここではクレー自身とその時代の危機的状況を紹介する。

パウル・クレー《腰かける子ども》 1933年 宇都宮美術館蔵(4/29から展示)

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