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第18回パラミタ陶芸大賞展 パラミタミュージアム(三重県菰野町)で2024年6月7日-7月29日に開催 岡田泰、加藤真美、矢部俊一、伊村俊見、氏家昂大、馬場康貴

  • 2024年7月10日
  • 2024年7月10日
  • 工芸

パラミタ陶芸大賞発表式は7月21日午後2時から

 三重県菰野町のパラミタミュージアムで2024年6月7日〜7月29日、「岡田文化財団設立45周年記念 第18回パラミタ陶芸大賞展」が開催されている。

 出品作家は、岡田泰、加藤真美、矢部俊一、伊村俊見、氏家昂大、馬場康貴の6人。

 全国の美術館、画廊、美術評論家などから推薦された陶芸家から上位6人をノミネート。来館者による投票で大賞を決定する。

 投票期間は、2024年6月7日〜7月11日。パラミタ陶芸大賞発表式は7月21日午後2時からで、受賞者には賞金100万円が贈られる。

岡田泰

 1976年、山口県萩市生まれ。2002年、東京造形大学美術学部彫刻科卒業。2005年、京都市工業試験場陶磁器専修科修了。萩市在住。

 2013年、菊池ビエンナーレ奨励賞。「日本伝統工芸展60回記念 工芸からKOGEIへ」(東京国立近代美術館工芸館)。2017年、山口県芸術文化振興奨励賞。2019年、現在形の陶芸 萩大賞展Ⅴ 優秀賞。2022年、「未来へつなぐ陶芸-伝統工芸のチカラ」展出品(パナソニック汐留美術館/東京、他巡回)。2023年、日本伝統工芸展入選(同’09~’22)。伝統文化ポーラ賞 奨励賞。

 萩に生まれ萩で育ち、風土が醸し出す空気を纏い、目の前に広がる日本海の透明感や、ゆったりとどこまでも続く姿をカタチにしていきたいと思います。
 目を閉じると、萩の海は寄せては返す波の美しさと切なさを感じさせ、常に形を変えながら、いつもそこに存在してくれる温かさを持ち、どこまでも繋がっていきます。
そこに流れるゆったりとした時間と清涼感を感じる品のある美しさを常に追い求めて、土と向き合います。

 パラミタミュージアムより

加藤真美

 1963年、愛知県東海市生まれ。1986年、常滑市立陶芸研究所(現・とこなめ陶の森陶芸研究所)修了。東海市在住。

 2013年、第31回長三賞陶芸展自由部門審査員特別賞(鯉江良二選)、2014年、第21回庄六賞茶盌展庄六賞、2015年、CERAMICA MULTIPLEX 2016 銀賞(クロアチア)、2018年、第44回美濃陶芸展大賞。

 私は子供じみた夢想家です。あえかな月の光や永遠にまどろむ深海に普遍を感じます。全ての彼方、微粒子の静寂。ああ、と溜め息がひとつ洩れるような、そんな景色が見られたらと優しい土に助けてもらいながらこさえています。

 パラミタミュージアムより

 「加藤真美陶展 ギャラリー芽楽(名古屋)で6月4-19日」、「タイル名称統 一 100年記念 タイルのまちをあるいてみた studio record展 2023年2月18日~5月7日」、「情の深みと浅さ」展も参照。

矢部俊一

 1968年、岡山県備前市生まれ。1992年、名古屋芸術大学彫刻科卒業。1993年、帰郷し、祖父・山本陶秀(人間国宝)、父・矢部篤郎の指導を受ける。備前市在住。

 2016年、「備前×矢部俊一×信楽」(滋賀県立陶芸の森)、2017年、「焼締─土の変容」(米国、他海外巡回)、2019年、「The 備前─土と炎から生まれる造形美─」(東京国立近代美術館、他巡回)、2022年、「矢部俊一展─空刻」(兵庫陶芸美術館)。

 「空間を刻む」という概念に基づいて制作しています。今回は社会性を内包し、鑑賞者が作品と対話できる要素を取り入れた体験型作品となります。
 制作意図やタイトルとの関連性を想像することで、作品との繋がりが築かれ、心に新たな波紋が生じます。

 パラミタミュージアムより

伊村俊見

 1961年、大阪市生まれ。 金沢美術工芸大学彫刻科卒業。 岐阜県立多治見工業高校窯業専攻科修了。岐阜県瑞浪市在住。

 1994年、第1回信楽陶芸展大賞、1995年、国際陶磁器展美濃’95陶芸部門グランプリ、1996年、「現代陶芸の若き旗手たち」(愛知県陶磁資料館)。岐阜市のギャラリーなうふ現代などで個展を開いている。

 土という素材を扱うなかで、私は粒子の集合体である土が、水の作用によって可塑性が生まれ、指の力や重力など外部のエネルギーによって変化し続け、時には意図と異なる方へ動くことを体感してきました。
 そのことは私の意識を土の粒子の現象だけでなく、水や空気、火など自然界のあらゆるものに向かわせました。それらは常に変化し続け、不変的なかたちは存在しないと思えるようになりました。
 そのことは私の制作にも変化を与え、かたちをつくるのではなく、かたちが消え去ることを含め変化していく営みを表現しようと考えるようになりました。

 パラミタミュージアムより

 「出版記念 伊村俊見展 なうふ現代(岐阜市)で2024年2月3-11日」、「伊村俊見展 なうふ現代(岐阜市)で5月1日まで」、「美濃からの発信 やきものの現在 ギャラリーヴォイス(岐阜県多治見市) 12月5日まで」、「『牛田コレクション作品と作家の現在』ギャラリーヴォイス(岐阜県多治見市)11月29日まで」も参照。

氏家昂大

 1990年、仙台市生まれ。2015年、東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻工芸研究領域修了。岐阜県多治見市在住。国内外で個展を開いている。

 完璧で整えられた形よりも、不完全な形に惹かれます。
 人は日々、何か受け入れがたい存在を受容しながら、生きているのではないでしょうか。
 そのような、逆境から生まれる不安や葛藤という、ある種の異物感を取り込みながらも躍動する生命、エネルギーの可視化を作品に込めています。生きるという鼓動を刻むために。
 作品が現代を生きる人たちへ、生の応援歌となれれば幸いです。

パラミタミュージアムより

馬場康貴

 1991年、長崎県生まれ。2016年、岐阜・多治見市陶磁器意匠研究所修了。2017年、多治見市陶磁器意匠研究所セラミックスラボコース修了。長崎県波佐見町在住。

 2017年、第11回国際陶磁器展美濃銅賞。2020年、個展「馬場康貴展」(多治見市陶磁器意匠研究所)。

 私は磁土という素材から感じる「無機的な力強さ」と「軽やかさ」という素材感を大切にして制作している。明暗のコントラストを映し出しやすい磁土は、ピースを一つ一つ階層状に貼り重ねていくことによって徐々に陰を纏っていく。
 生まれた陰影によって引き出された素材が持つ力強さ、繊細さや軽やかさといった素材感を借りながら、私の想像を超えるような新しい磁器の表現をこれからも模索していきたい。

 パラミタミュージアムより

 「ishokenの造形 やきものの現在 2022 ギャラリーヴォイス(岐阜県多治見市)で5月8日まで」も参照。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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