記事内に商品プロモーションを含む場合があります

大須演芸場 貸席を復活 依然厳しい状況 定席は秋に再開予定 

 2020年6月16日の読売新聞によると、東海地方唯一の定席の寄席小屋、大須演芸場(名古屋市中区)で、2020年6月14日、貸席が復活した。開かれたのは、地元の講談師、旭堂鱗林さんらによる「太閤記続き読みの会」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休演が続き、3カ月ぶりに笑いが広がったという。再開後も厳しい経営状況が予想されることから、演芸場では引き続き寄付等の協力を募っている。

 大須演芸場は、休演の長期化とコロナ対策を意識した運営で予断を許さない状況。演芸場のWEBサイトによると、寄付金は当初の目標額の500万円を達成したものの、定席の休演は続き、再開した貸席でも、来場者と出演者、スタッフが安心・安全な環境で運営できるよう、定員制限を設けざるを得ない。貸席は、6月中旬から徐々に主催者の判断によって受け入れを再開したが、定席公演は秋口の再開に向けて準備をしている段階だ。

 読売新聞によると、この日、旭堂鱗林さんは、「太閤記続き読みの会」の会場を、これまで続けてきた名古屋市熱田区の白鳥庭園の休止に伴い、大須演芸場に移した。客席は、一つおきに使用禁止の紙が貼られたが、鱗林さんの熱演に大きな拍手が送られた。

 読売新聞によると、当面、定員を半数以下の100人に制限して運営。貸席の予約が十分でないのに加え、定席の再開は秋以降にずれ込む見通しである。家賃などの固定費が月100万円以上かかるなど、状況は依然、厳しいという。

最新情報をチェックしよう!
>文化とメディア—書くこと、伝えることについて

文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

CTR IMG