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彫刻家の岡崎和郎さんが死去 92歳

 報道によると、彫刻家の岡崎和郎さんが2022年7月21日、虚血性心疾患のため、死去した。92歳。

 東海地方では、豊田市美術館に「HISASHI」のシリーズなど、まとまったコレクションがある。

 名古屋では近年、現代美術ギャラリーのSTANDING PINEで作品を発表していた。

 「岡崎和郎 小川信治 スタンディングパイン(名古屋)—BEHIND THE GARDEN—」「大地の歌 岡崎和郎、ジャンフランコ・ザッペティーニ、ぺ・ラン スタンディングパイン(名古屋)で5月7日まで」を参照。

 名古屋ガーデン埠頭ジェティ・イーストにあったコオジオグラギャラリーでも、1998年に個展を開いている。

 岡崎さんは1930年、岡山市生まれ。早稲田大学、同大学院で美術史を専攻。1950年代から、本格的に作家活動を始め、58年に読売アンデパンダンに出品した。

 1960年代に入ると瀧口修造と交流し、アルミニウムやポリエステル樹脂などによる小型オブジェを制作。作品には、従来のオブジェで見落とされてきた物の見方を補おうとする独自の造形思想 「御物補遺」が貫かれている。66年には、初個展を東京画廊で開催した。

 1977年から制作する「HISASHI」シリーズは、ひさし状の物体をギャラリーの壁に付着するように展示。サイズは長さ約25センチから約1メートルと幅広く、手前は物質がどろりと溶けて垂れ落ちそうになったような有機的な形状をしている。

 この小物体は空間のわずかな部分を占めるにすぎないが、壁の向こうや手前、上方や下方にどこまでも広がる空間、ひいては宇宙全体を喚起させた。

 ほかにも、身の回りにある形、ものを基本に据えたユニークなオブジェ作品を制作した。

 倉敷市立美術館(1997年)、奈義町現代美術館(2001年)、神奈川県立近代美術館鎌倉(2010年)、北九州市立美術館(2016〜17年年)などで個展を開いた。「HISASHIは、岡山県の奈義町現代美術館で半永久的に展示されている。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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