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名古屋造形大学次期学長に伊藤豊嗣さん 山本理顕学長は退任

 名古屋造形大学(愛知県小牧市)のWEBサイトの告知「名古屋造形大学次期学長選任結果について 」(2021年12月21日発表)によると、同大学を運営する学校法人同朋学園の理事会が、名古屋造形大学次期学長に、副学長でグラフィックデザイナーの伊藤豊嗣さんを選んだ。

 任期は、2022年4月1日から2026年3月31日までの4年間。

 2018年からの1期のみで退く山本理顕学長は、2022年春に名古屋都心の名城公園近くに移転する新キャンパスの設計者だが、移転オープン直前に退任した。

 山本前学長に対する、新校舎の設計・工事監理などの報酬の未払いに関する2023年10月の名古屋地裁判決については、こちら

 山本学長は、埼玉県立大学、公立はこだて未来大学、 広島市西消防署、 横須賀美術館、 北京建外SOHO、天津図書館などの設計で知られる著名な建築家である。 2024年3月には、建築のノーベル賞といわれるプリツカー建築賞の同年の受賞者に決まった。

 一方、新聞、テレビなどの報道によると、同朋学園は、2026年のアジア競技大会で名古屋市港区に設けられる選手村の跡地再開発計画で、同朋大(名古屋市中村区)を移転する計画だったが、隣接地に場外馬券売り場ができることへの異論が同朋学園内部にあったとみられ、移転を中止した。

 選手村は、名古屋競馬場が2022年4月に愛知県弥富市へ移転した跡地に設置される。再開発の事業者については、愛知県と名古屋市が公募。中部電力を代表とするグループの再開発案に決まった。

 計画の中で、複合商業施設や分譲マンションなどとともに、同朋大も現在地から移転する計画だった。

 しかし、同朋学園はグループから離脱。中電などは計画全体の見直しを迫られる事態になっている。

 同朋学園理事でもある山本学長は移転に反対。その後、同朋学園から懲戒処分を受けるなどしていた。

 読売新聞の取材に対し、同朋学園は、任期満了に伴う交代であるとしかコメントしていない。

 新学長となる伊藤豊嗣さんは1958年、三重県生まれ。1981年、三重大学教育学部美術科卒業。1984年、デザイン事務所を設立した。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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