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ニキ・ド・サンファル展 三重県総合文化センター開館30周年記念事業 同センター第1ギャラリーで2024年8月31日-9月23日に開催

  • 2024年8月25日
  • 2024年8月25日
  • 美術

平面作品を中心に約130点を展示

 津市の三重県総合文化センター第1ギャラリーで2024年8月31日~9月23日、ニキ・ド・サンファル展が開催される。同センター開館30周年記念事業の一環。

 センターの広場には、ニキ・ド・サンファルによる「ナナ」シリーズの作品「La Grande Temperance《中庸》」がシンボルのように設置されている。

 「ナナ」は、フランス語で女子を意味する俗語。ニキは友人の妊娠をきっかけに、この色鮮やかで豊満な女性像「ナナ」シリーズの制作を始め、今では世界中に展示されている。

 71歳で生涯をとじるまで、作品を作り続けたニキの想いは、世界各地で多くの人にパワーを届けてきた。

 そんなニキの作品に魅了され、ニキ作品の世界的コレクターとなったのがYoko(ヨーコ)こと故・増田静江さん。ニキの1枚の版画作品に出合い、その後、ニキと直接友情をはぐくみ、14年後には栃木県那須町に「ニキ美術館」を創設した。
 今回の展覧会では、ヨーコが衝撃を受けた版画「ラブレター」や、鮮やかな「ナナ」シリーズの絵画のほか、ニキからヨーコに送られた絵手紙など、ヨーコのコレクションから平面作品を中心に約130点の作品を展示する。

開催概要

会  期:2024年8月31日(土曜日)~9月23日(月曜祝日)
休 館 日:9月2、9、17日
開館時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)、9月14日(土曜日)および9月21日(土曜日)は午後7時まで開館
会  場:三重県総合文化センター 第1ギャラリー(三重県津市一身田上津部田1234)
観 覧 料:800円 高校生以下無料 ※20名以上の団体および障害者手帳をお持ちの方(付き添いの方1名を含む)は割引料金500円
主  催:公益財団法人三重県文化振興事業団
助  成:公益財団法人岡田文化財団
後  援:独立行政法人国立女性教育会館
協  力:株式会社スペースニキ、三重県立美術館、三重県総合博物館(MieMu)

アーティスト・プロフィール

ニキ・ド・サンファル Niki de Saint Phalle(1930-2002)
 戦後を代表する芸術家の1人。個人的な危機を乗り越えるために絵を描き始め、1950年代初めに芸術家の道を選択。
 1961年に発表した絵具を入れた缶や袋を石膏によって画面に付着した絵画に向けて銃を放つことで完成する「射撃絵画」で国際的な名声を得る。
 その後、女性の表象への関心を強め、「ナナ」シリーズでは鮮やかな色彩と伸びやかな形態を用いて解放的な女性像を示し、世界各地で多くの人々に愛されている。
 また、「タロット・ガーデン(イタリア)」と称する彫刻庭園に代表されるように建築デザインにも積極的に取り組み、芸術家として様々な活動を展開した。
Yoko(ヨーコ)増田静江(1931-2009)
 東京・上野の宮内庁御用達の日本料理屋「花屋」の3姉妹の長女として生まれる。母との死別、戦争、疎開、東京大空襲を経験した子ども時代、終戦をむかえ高揚感と好奇心にあふれた学生時代を経て、後に「パルコ」会長となる増田通二と出会い、駆け落ち結婚。
 2人の子どもの母となるが、仕事と育児の両立で悩み続けた50歳の時に、ふと立ち寄ったギャラリーでニキ・ド・サンファルの1枚の版画に出合い、衝撃を受ける。
 この運命的な出合いから、ニキ・ド・サンファルのコレクターという第二の人生を歩み、ついには栃木県那須町に「ニキ美術館(現在は閉館)」を創設する。

上野千鶴子講演会「ニキと私」

 女性学の第一人者の上野千鶴子さんは、実はニキの大ファン。ニキやヨーコと面識がある上野さんが、二人とのエピソードを交えながら、ニキの作品の魅力について語る。

日  程:9月14日(土曜日)13時~14時30分
会  場:三重県文化会館中ホール
参 加 費:500円 ※ニキ・ド・サンファル展のチケット付き
申込方法:WEBフォーム他でフレンテみえに申し込む
定  員:500人

WEBページ https://www.center-mie.or.jp/30th_anniv/category/9

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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