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大阪中之島美術館が2024年度開催の展覧会ラインナップを発表

  • 2023年9月23日
  • 2023年9月21日
  • 美術

大阪中之島美術館 2024年度開催展覧会 一覧

 大阪中之島美術館は2023年9月21日、2024年度に開催する展覧会のラインナップ を発表した。

【2024年度開催展覧会ラインナップ】
モネ 連作の情景
2024年2月10日(土)– 5月6日(月・休)
没後50年 福田平八郎
2024年3月9日(土)– 5月6日(月・休)
没後30年 木下佳通代
2024年5月25日(土)– 8月18日(日)
醍醐寺展
2024年6月15日(土)– 8月25日(日)
塩田千春 つながるアイ
2024年9月14日(土)– 12月1日(日)
TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション
2024年9月14日(土)– 12月8日(日)
スペース・インビトゥイーン:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン
2024年12月21日(土)– 2025年3月2日(日)
歌川国芳展
2024年12月21日(土)– 2025年2月24日(月・休)

モネ 連作の情景

2024年2月10日(土)– 5月6日(月・休)

 印象派の巨匠、クロード・モネ(1840 – 1926)は自然との対話を求め、季節や天候、時刻などによって自在に変化する風景の「瞬間性」をとらえようと探求を続けた。1891年に発表した〈積みわら〉以降、モネは連作の画家として国際的に名声を博し、水辺の景色などが刻々と変化する情景を描き、連作という手法によって絵画の新しいあり方を提示した。ジヴェルニーの庭園では〈睡蓮〉のシリーズに取り組み、後世の芸術家に大きな影響を与えている。本展は、1874年にパリで第1回印象派展が開催されてから150年を迎える節目の展覧会として開催する。モネが描いたさまざまな作品を紹介し、壮大なモネ芸術の世界を堪能してもらう。

没後50年 福田平八郎

2024年3月9日(土)– 5月6日(月・休)

 1892年に大分市に生まれた福田平八郎は、京都に出て美術学校で学んだ。1919年に第1回帝展に初入選し、次いで第3回帝展に出品した《鯉》が特選を受賞し、時代の寵児となった。障壁画や琳派の画風を研究し、写生を基本としながら形態の単純化をおしすすめた。豊かな色彩と奇抜な画面構成による独特の装飾表現を志向し、1932年に《漣》 (重要文化財)を発表した。戦後は斬新な視点で雨の情景を描いた《雨》をはじめ、《新雪》、《水》など情緒豊かな作品を手がけ、今なお、人々を魅了し続けている。本展では、日本美術の伝統を継承しながら、西洋絵画からの刺激を受けつつ、近代的な新しい日本画の世界を切り拓いた福田平八郎の画業を紹介する。

没後30年 木下佳通代

2024年5月25日(土)– 8月18日(日)

 木下佳通代(1939 – 1994)は神戸を拠点に活躍した、関西の戦後美術を代表する美術家のひとり。60年代半ばより、神戸で結成された前衛美術集団「グループ〈位〉」と行動をともにしながら、存在、認識、空間などをテーマとして、三次元と二次元の像のズレを写真やゼログラフィーで表現するなど、一貫して視覚と認識との関係性や個々の事物の存在について問いかける作品を制作した。その後、80年代より絵画へと軸足を移すと、それまでの問題意識をより発展させた作品制作に着手。平面と空間における存在の在り方を求めて、身体性を象徴するような筆致の抽象絵画を描き、1994年に亡くなるまで、様々な作風の作品を通して「存在とは何か」という問いに向き合い続けた。本展は作家の没後30年を機に、近年、再び注目され始めた本作家の代表作を一挙に展示し、初の美術館での個展として、作家の全貌を紹介する。

醍醐寺展

2024年6月15日(土)– 8月25日(日)

 醍醐寺は平安時代前期の貞観16年(874)理源大師聖宝によって建立され、真言密教のうち加持祈禱や修法などの実践を重視する寺として発展してきた。その長い歴史において、醍醐寺には、天皇や公家、武家との深い関わりから貴重な文化財が多数伝わっている。応仁・文明の乱によって荒廃した寺院を復興させた豊臣秀吉が、醍醐の花見を開いたことでもよく知られている。大阪では初めての開催となる本展では、醍醐寺の歴史と美術を「山の寺」 「密教修法のセンター」「桃山文化の担い手」という三つのテーマで構成。国宝《文殊渡海図》、重要文化財の快慶作《不動明王坐像》をはじめ、脈々と継承されてきた貴重な寺宝を紹介する。

塩田千春 つながるアイ

2024年9月14日(土)– 12月1日(日)

 塩田千春(1972年生まれ)の出身地・大阪で、16年ぶりに開催する大規模な個展である。現在、ベルリンを拠点として国際的に活躍する塩田は、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、 「存在とは何か」を問い続けている。本展覧会は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/eye」、「愛/ai」を通じてアプローチしようとしている。それぞれの要素はさまざまに作用し合いながら、わたしたちと周縁の存在をつないでいると考える。インスタレーションを中心に、絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品を通じて、本展覧会は、 「つながる私」との親密な対話の時間となることだろう。

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

2024年9月14日(土)– 12月8日(日)

 パリ、東京、大阪。世界有数の3つの都市から近代・現代美術の優れたコレクションを有する3つの美術館――パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館――が集結。20世紀初頭から現代までのモダンアートの魅力を、7つの章、34のテーマに分け、各館コレクションよりそれぞれ1点(組)の作品を選出して、約150点を「トリオ」として提示する新たな試みである。ピカソ、マティス、佐伯祐三、草間彌生、バスキアなどの人気作家の作品はもとより、時代や国や美術史的枠組みをも超えた、作品どうしが生み出す意外な親和性、そして新たな化学反応を楽しむことができる。

スペース・インビトゥイーン:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン

2024年12月21日(土)– 2025年3月2日(日)

 本展は、日本において初となる、吉川静子(1934-2019)とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914-1996)の大規模な回顧展。日本人アーティストの吉川とスイス人グラフィックデザイナー・ミューラー=ブロックマンは、それぞれ進むべく道を開拓しながら、夫婦として創造的な生涯を共に過ごした。吉川は、人生の大半をスイスで過ごし、1960年代、70年代に抽象絵画と彫刻により女性芸術家として注目される。一方、ミューラー=ブロックマンは、洗練されたタイポグラフィーと「グリッドシステム」によるグラフィックデザインで、1950年代以降スイスを代表するデザイナーとして国際的に知られるようになった。ミューラー=ブロックマンの構成的デザインと、吉川の芸術性と分野を超えた活動の軌跡を堪能できる。

歌川国芳展

2024年12月21日(土)– 2025年2月24日(月・休)

 江戸末期の浮世絵師、歌川国芳(1797 – 1861)は、奇抜なアイデアや斬新なデザインで名高く、国内外で高い人気を誇る。30代前半に「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壱人)」シリーズで世に出て以来、武者絵を得意とし、3枚続きの大画面も用いてダイナミックに描いた。天保13年(1842)に役者や遊女を描くことが禁止されると、苦境の中でユーモアと機知に富んだ戯画を数多く制作。猫を筆頭に金魚や鳥など様々な動物を登場させた戯画は、国芳作品の魅力の一つとなっている。本展は、国芳展の決定版として、武者絵や戯画をはじめ、遠近法や陰影など洋風表現を取り入れた風景画、美人絵や子ども絵など、幅広い画題の浮世絵版画に貴重な肉筆画を加え、約300点を展示。国芳の魅力を余さず伝える(会期中展示替えあり)。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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