報道によると、横浜国立大名誉教授(哲学)の室井尚さんが2023年3月21日、死去した。67歳。ハル・フォスター編『反美学――ポストモダンの諸相』(1987年)の翻訳(吉岡洋との共訳)で知られる。
アートプロジェクトにも関わり、日本初の本格的国際展として2001年に開かれた「横浜トリエンナーレ」では、椿昇+室井尚のユニットで、人間の昆虫化とアートのヒエラルキーの破壊をテーマに、ホテルの高層建築の壁に巨大バッタのバルーンを設置するプロジェクトを展開した。
1955年、山形県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。哲学、メディア論、情報文化論、美学などを専門とし、著書に『情報宇宙論』『哲学問題としてのテクノロジー - ダイダロスの迷宮と翼』などがある。
筆者は、新聞社時代に、思想家のヴィレム・フルッサーについて、原稿を書いていただいたことがある。