旭丘高校美術科で38年間教職を務めた彫刻家、森克彦さん
名古屋・池下の古川美術館分館爲三郎記念館で2023年6月3日から7月30日まで、「彫刻家 森 克彦展/翼果の帰郷展」が開催されている。
愛知県立旭丘高校美術科で38年間教職を務めた彫刻家、森克彦さんと、教え子による展覧会である。
森さんの2022年3月の退職記念の展覧会として企画された。企画担当者は、教え子の1人で、愛知県立芸術大学准教授の彫刻家、村尾里奈さんである。
森克彦さんは1979年に愛知県立芸術大学彫刻専攻を卒業し、1981年に同大学院を修了した。人間や昆虫、枯葉などの自然の造形物をモチーフに、記憶のかけらや原風景を形にした詩的で趣のある作品を制作してきた。
会場では、森さんの作品18点が、爲三郎記念館のさまざまな空間に設置され、教え子らの作品は、一人1〜3点が所々に配されている。一部で、森さんと教え子の作品とが対話をするような展示方法も取っている。
森さん以外の出品作家は、村尾里奈さん 、磯部友孝さん、鈴木紹陶武さん、浅野健一さん、杉浦見奈子さん、森靖さん、中野岳さん、柄澤健介さん、𡈽方大さん、後藤あこさん、宮木菜月さん、丹羽啓さん、川角大和さん。
森克彦
森克彦さんは1956年、愛知県一宮市生まれ。愛知県尾張旭市在住。新制作展とギャラリーでの個展を中心に作品を発表してきた。
自然の摂理や人間がつくる形をはじめ、さまざまな条件の中で生成した形との出会いをきっかけに、それらが「呼び継ぎ」のように組み合わされ、過去の記憶、情景とともに造形化される。その根幹に、森さんは「輪廻」があると語る。