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特別展「マリー・ローランサンとモード」名古屋市美術館で2023年6月24日-9月3日に開催

マリー・ローランサンを再発見する――1920 年代パリ、アートとファッションの交差

 名古屋市美術館で2023年6月24日~9月3日、特別展「マリー・ローランサンとモード」が開催される。

 二つの世界大戦に挟まれた1920年代のパリ。それはさまざまな才能がジャンルを超えて交錯し、類いまれな果実を生み出した、奇跡のような空間だった。

 ともに1883年に生まれたマリー・ローランサンとココ・シャネルの二人は、その自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在。

 パステルカラーの優美な女性像で人気を博したローランサンと、男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れたシャネル。

 本展では、二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、ジャンヌ・ランバンなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、美術とファッションがそれぞれの境界を越えてダイナミックに展開する様子をたどる。

 オランジュリー美術館やポンピドゥー・センター、マリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、約90点の出品作品で紹介する。

展覧会概要

展覧会名:マリー・ローランサンとモード
会  期:2023 年 6 月 24 日(土)~9 月 3 日(日)【63 日間】
開館時間:午前9時30分~午後5時、8月11日を除く金曜日は午後8時まで(いずれも入場は閉館の30分前まで)
休 館 日:月曜日(7 月 17 日、8 月 14 日は開館)7 月 18 日(火)
会  場:名古屋市美術館
     〒460-0008 名古屋市中区栄 2-17-25〔芸術と科学の杜・白川公園内〕
     TEL:052-212-0001 FAX:052-212-0005

主  催:名古屋市教育委員会・名古屋市美術館、中京テレビ放送
協  力:ヤマト運輸、名古屋市交通局
後  援:在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本、名古屋市立小中学校 PTA 協議会
企画協力:美術デザイン研究所

観 覧 料:一般 1,800 円(1,600 円)、高大生 1,000 円(800 円)、中学生以下無料
     ( )内は、前売・団体料金

展覧会公式ホームページはこちら

関連催事 解説会
① 7月8日(土)14:00~15:00(開場 13:30)
② 7月23日(日)14:00~15:00(開場 13:30)
③ 8月18日(金)18:00~19:00(開場 17:30)

講師:勝田琴絵(名古屋市美術館学芸員)[①③]、深谷克典(名古屋市美術館参与)[②]
会場:名古屋市美術館2階講堂
定員:180 名(当日先着順、30分前に開場し定員になり次第締め切り)
※入場無料。ただし聴講には展覧会観覧券(観覧済みの半券も可)が必要

見どころ

◇マリー・ローランサンを再発見する
 画家としてのみならず舞台美術家や室内装飾家としても活躍し、時代を切り拓いた女性、マリー・ローランサンの魅力を生誕 140年を機に紹介する。

◇1910~1930 年代のファッションを紐解く
 ローランサンと同じ年に生まれたココ・シャネルの軌跡を中心に、「モダンガール」の登場とパリ社交界のファッションの展開をたどる。

◇ローランサンの色彩を蘇らせたシャネルのコレクション
 デザイナー、カール・ラガーフェルドがローランサンの色彩から着想を得て発表したコレクションのなかから、シャネルのスーツが来日する。

展示構成

第 1 章 レザネ・フォルのパリ

 奇しくも 1883年という同じ年に生まれたマリー・ローランサンとココ・シャネル。美術とファッションという異なる分野に身を置きながら、互いに独自のスタイルを貫いた二人は、「レザネ・フォル(狂騒の時代)」と呼ばれた1920年代のパリを象徴する存在だった。

 女性的な美をひたすら追求し、社交界の女性たちを繊細優美に描いた肖像画で、瞬く間に人気画家に駆け上がったローランサン。一方、シャネルの服を身にまとうことは、ひとつのステータス・シンボルとなっていった。

 ローランサンが 1923年に描いた《マドモアゼル・シャネルの肖像》は、似ていないからとモデルに受け取りを拒否された作品として知られている。

 シャネルは男性ファッションの考えを取り入れ、シンプルな形態を特徴とした機能的なファッションを提案した。ローランサンらしい甘美な女性像は、彼女のイメージにふさわしくないと感じられたのかもしれない。

第2章 越境するアート

 1920年代のパリは、スペインからパブロ・ピカソ、アメリカからはマン・レイなど、国境を超えて集まった多くの若者たちがパリで才能を開花させた時代だった。

 そして美術、音楽、文学、ファッションなど、別々の発展を遂げてきた表現が垣根を超えて手を取り合い、「バレエ・リュス」などに代表される新たな総合芸術が活発になる。

 ローランサンとシャネルも、その活動に参加することで表現の幅を広げ、新たな人脈を形成する糸口をつかんだ。

 ジャン・コクトーなど、前衛と社交界をつなぐ人物の存在もカギとなる。工芸や染色、ファッションなどの装飾美術が芸術的地位を高めたのもこの頃のこと。ローランサンもまたこの分野におけるキーパーソンだった。

第3章 モダンガールの登場

 第一次世界大戦を契機とした女性の社会進出、都市に花開いた大衆文化、消費文化を背景に、短髪のヘアスタイルにストレートなシルエットのドレスをまとった女性が街を闊歩した。

 彼女たちは“モダンガール”と呼ばれ、世界的な現象となる。

 ポール・ポワレによるコルセットからの解放、ココ・シャネルのリトル・ブラック・ドレスの発表を経て、さらにジャンヌ・ランバンをはじめ、多くのデザイナーたちが競ってモダン・ファッションに取り組み、女性服は大きく変化を遂げた。

エピローグ よみがえるモード

 1983年から 30年以上にわたり、メゾン・シャネルのアーティスティック・ディレクターを務めたカール・ラガーフェルド(1933-2019)。

 ローランサンの色彩から着想を得て、コレクションを発表した。ローランサンとシャネルの二人が、百年近い時を経て、新たなモードの中で見事に融合した。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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