倉俣史朗《硝子の椅子 》1976年 京都国立近代美術館蔵 撮影:渞忠之 © Kuramata Design Office
25年ぶりの京都での大回顧展! 総展示数200点超
京都国立近代美術館で2024年6月11日~8月18日、「倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙 」 が開催される。
同館で「 倉俣史朗の世界 」 展が開催されたのは1999年のこと。1991年に56歳の若さで倉俣史朗が急逝した後 、 没後5年に企画され 、 東京 、 メキシコシティ 、 サンフランシスコ、ニューヨーク 、 パリ 、 ウィーンなど世界各地を巡回した。
それから25年。東京、富山を巡回した本展は、京都会場で幕を閉じる。
倉俣史朗(1934–1991年)は東京生まれ。銀座のランドマークとなる商業施設「三愛ドリームセンター 」 の店内設計で注目され、1965年には、クラマタデザイン事務所を設立して独立した。
高度経済成長とともに変化し続ける都市を舞台に、インテリアデザイナーという、当時はまだ曖昧な認識しかなかった領域で活躍した。
透明なアクリルを使用して、まるで商品が浮いているようにみえる棚、光そのものに形を与えたかのようなショーケース。華やかで移り変わりの激しい商業空間を、倉俣は永続性のない幕間劇にたとえた。
一方で、商品化を前提とせず、自主的に制作した家具も発表。遊び心を感じさせる変型の引出し、板硝子を貼り合わせ最小限の構造を突き詰めた椅子、造花のバラが浮遊するアクリルブロックの椅子。
1981年にエットレ ・ ソットサスに誘われて、イタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加すると、一躍国際的な評価を高めた。
倉俣が「言葉で語れない部分を形で言おう」とした家具たちは、大切に保管されて受け継がれ、今なお能弁なまでに魅力的である。
当時の雑誌には、毎月のように倉俣のインテリアや家具、そして、その時々の言葉が紹介されていた。彼の話は、デザインと一見関係のないような、幼少期の思い出や、夢に見たことにまで広がっていく。
本展では、こうした倉俣自身の言葉を辿りながら、創作の源泉ともいえる夢日記などの資料とともに、彼のデザインが語りかけるメッセージに耳を傾ける。
展覧会の見どころ
1.若き日の作品から生涯の代表作、美しいスケッチ、初公開資料など総展示数200点超。日本を代表するデザイナー、京都で25年ぶりの大回顧展。
2.ガラスにメタル、カラフルなアクリル。時代とともに素材と表現を変貌させる倉俣デザインの魅力を、名作家具の数々でたどる。
3.友人への書簡や知られざる夢日記、愛蔵の書籍やレコードも紹介。伝説のデザイナー・倉俣史朗の素顔にせまる。
開催概要
【展覧会名】倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙
【開催期間】2024年6月11日(火)~8月18日(日)
【開館時間】午前10時~午後6時〔金曜日は午後8時まで〕
※入館は閉館の30分前まで
【休 館 日】月曜日〔ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)は開館〕、7月16日(火)、8月13日(火)
【会 場】京都国立近代美術館〔岡崎公園内〕
〒 606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町
【主 催】京都国立近代美術館、朝日新聞社
【特別協力】クラマタデザイン事務所
【協 賛】竹中工務店
【お問合せ】075-761-4111