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国島征二 鯉江良二 献杯夏 L gallery(名古屋)で8月6-28日 

L gallery(名古屋) 2022年8月6〜28日(予約制)

国島征二 鯉江良二

 2020年8月6日に82歳で亡くなった陶芸家の鯉江良二さんと、2022年3月7日に84歳で他界した彫刻家、国島征二さんの死を悼み、献杯を捧げる2人展である。

 既に、2人を追悼する展覧会は、「国島征二展 記憶の成層圏Ⅸ-SEALED TIME- L gallery(名古屋)」、「鯉江良二へのオマージュ展 ギャラリー数寄(愛知県江南市)」、「four次展Ⅲ L gallery(名古屋)」、「森岡完介「1975」版画展〜鯉江良二さんを偲ぶ〜」 などが開かれている。

国島征二 鯉江良二

旅立った虎たちに献杯する夏

 その中で、今回は、L galleryの小島久弥さんの思い入れの深い展示になっている。

 ギャラリーが両作家の遺族から預かっている作品などで構成している。以前に展示した作品もあるが、2人の作品を同じ空間に対話するように配置した感慨深い構成である。

国島征二 鯉江良二

 鯉江さん、国島さんは年齢も近く盟友ともいえる関係にあった。

 また、ギャラリストであると同時に現代美術作家である小島さんにとって、2人は、人生の先輩であると同時にアーティストとして鑑のような存在だった。

国島征二

 2人の作品が響き合うように展示された会場で、筆者は、小島さんから、さまざまな2人の結びつきやエピソード、作品に込められた思いを聴くことができた。

 名古屋にあったギャラリー「ASGがらん屋」での鯉江さんの個展に小島さんが関わった思い出などもその1つである。

 また、国島さんの代表的なシリーズである「Wrapped Memory」シリーズの遺作とみられる作品も今回、展示されている。

国島征二

 鯉江さんへのオマージュともいえる作品で、2021年7月初旬ごろ制作。表にも裏にも鯉江さんに関する思い出の品が密封されている。

  2021年、国島さんは脳腫瘍で闘病中であった。筆者は、その年の5月にギャラリーサンセリテ(愛知県豊橋市)の個展会場でゆっくり話すことができたが、それが最後となった。 

鯉江良二
鯉江良二

最後までお読みいただき、ありがとうございます。(井上昇治)

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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