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一宮市三岸節子記念美術館 特別展「貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―」2月19日-4月10日

三岸好太郎・節子展

 日本の洋画史上、唯一無二の画家夫婦だった三岸好太郎と三岸節子。その出会いから100年を迎えるのを記念し、「貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―」が2022年2月19日~4月10日、愛知・一宮市三岸節子記念美術館で開催される。

 彗星のごとく画壇に現れ、独自のロマンティックな世界を描いた夭折の天才画家、三岸好太郎(1903-1934年)と、女性洋画家の先駆的存在として苦難の道を切り開いた三岸節子(1905-1999年)。

三岸好太郎
三岸好太郎《海と射光》1934年 福岡市美術館蔵

 夫婦の傑作が一堂に会する全国巡回展は、1992年以来、30年ぶり。節子が亡くなってからは初となる。

 好太郎の作品46点、節子の作品37点と、資料(写真、愛用品など)をまとめて紹介する。

 それぞれの最晩年の代表作である好太郎「蝶と貝殻」、節子「さくら」と、2人の絶筆が共演する歴史的な展覧会である。

内容—2人の旅路

三岸節子
三岸節子《花(絶筆)》1999年 一宮市三岸節子記念美術館蔵 ©MIGISHI

 1903年、札幌市生まれの好太郎と、1905年、一宮市生まれの節子。2人は1922年に出会い、1924年に結婚する。

 1934年、好太郎は新アトリエ建築の夢に取り憑かれていた。資金のための奔走に明け暮れる中、作品「のんびり貝」が化粧品大手の社長に売れた。

 上機嫌になって、節子を旅に誘い、6月、「貝殻旅行」と称して大阪、奈良、京都、神戸を巡った帰途、節子だけを東京に帰し、1人で名古屋にとどまった。

三岸節子
三岸節子《花・果実》1932年 一宮市三岸節子記念美術館蔵 ©MIGISHI

 そこで好太郎は持病の胃潰瘍が悪化。吐血と心臓発作で、7月1日、 帰らぬ人となった。まだ31歳だった。

 本展では、その後の節子の女性洋画家としてのいばらの道も辿りながら、2人が築いた絵画世界を紹介する。

 愛し、時に憎み、追慕しながら唯一無二の画家夫婦となっていく波瀾万丈の2人の旅路を振り返る企画である。

三岸節子
三岸節子《静物(金魚)》1950年 東京国立近代美術館蔵 ©MIGISHI

展覧会概要

会  期:2022年2月19日(土)~4月10日(日)
※2月19日(土)は正午から一般公開
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後 4時30分まで)
休 館 日:毎週月曜日、ただし3月21日(月祝)は開館、2月24日(木)、3月22日(火)
観 覧 料:一般 1000円/高大生 500円/中学生以下無料
※コレクション展(常設展)観覧料を含む
※一宮市内の満65歳以上で住所・年齢の確認ができる公的機関発行の証明書等を提示された人、身体障害者手帳・戦傷病者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳(ミライロID可)を持参の人(付添人1人を含む)は無料

三岸好太郎
三岸好太郎《女の顔(絶筆)》1934年 北海道立三岸好太郎美術館蔵

関連行事

オープニングコンサート

日 時:2月19日(土)11:00~(開場10:00)
出 演:AJATE(アジャテ)、サカイダコージ(特別出演)
会 場:1Fエントランスロビー
観覧料:一般2000円(「貝殻旅行」観覧料を含む)
※内覧会招待状持参者は無料
定 員:一般30人
申 込:2月1日(火)より電話受け付け

内 容:1954年に初めて憧れのヨーロッパに渡った節子は、ルーブル美術館でエジプトや中国の原始美術の素朴で力強い造形美に触れ、その後の作風を確立した。節子が絶賛したアフリカ原始美術を音楽によって体感する。

三岸節子
三岸節子《さいたさいたさくらがさいた》1998年 一宮市三岸節子記念美術館蔵 ©MIGISHI

ミュージアムパフォーマンス「道化とアコーディオンの調べ」

日 時:3月27日(日) ①11:00~ ②14:00~(各回 20 分程度)
出 演:LONTO( 道化師・パントマイミスト、ラストラーダカンパニー)、かいだむつみ(アコーディオン)
会 場:2F「貝殻旅行」展示室
観覧料:無料(「貝殻旅行」観覧券が必要)
定 員:50人(先着)
申 込:不要(当日直接会場)
内 容:三岸好太郎の代表シリーズ<道化>をイメージし、アコーディオンの調べにのせて道化師が無言劇を披露。

講演会「二人が出会って100年」

日 時:2月26日(土) 14:00~(開場 13:30)
講 師: 三岸太郎氏(三岸好太郎・節子孫、高輪画廊代表)
会 場: 1F 講義室
定 員:60人(先着)
観覧料:無料
申 込:不要(当日直接会場)

好太郎美術館×節子美術館 学芸員クロストーク

日 時:3月20日(日) 14:00~(開場 13:30)
ゲスト:北海道立三岸好太郎美術館副館長の五十嵐聡美さん
会 場:1F講義室
定 員:50人(先着)
観覧料:無料
申 込:不要(当日直接会場)

ワークショップ 貝殻旅行×おばけのマール

日 時:3月6日(日)14:00~15:30
対 象:年少~小学6年生(小3以下は保護者同伴)12人(抽選)
会 場:1F講義室
参加費:300 円
申 込:2月15日(火)までに電話・メール・ハガキで受け付ける
内 容:「貝殻旅行」鑑賞後、絵本『おばけのマールとモーニングのあとで』の読み聞かせを楽しみ、絵本の続きを自由に絵にする。

学芸員によるギャラリートーク

日 時:2月27日(日)、4月2日(土)各日14:00~
会 場:2F「貝殻旅行」展示室
参加費:無料(「貝殻旅行」観覧券が必要)
申 込:不要(当日直接会場)

貝殻旅行×限定スイーツ

【毎週土曜】貝殻旅行×尾西金蝶堂 コラボ和菓子「花ト蝶」

 好太郎の<蝶>をイメージした羽二重餅と、節子の<さくら>をイメージした桜餅のセットを同館喫茶コーナーで限定販売。
日 時
:会期中の毎週土曜日 10:00~
価 格:1セット500円(税込)
販売数:各日10セット(売り切れ次第終了)

【2月27日・3月20日】貝殻旅行×TSUBOYA コラボカヌレ

 好太郎と節子をイメージしたカヌレを同館喫茶コーナーで限定販売。
日 時:2月27日(日)、3月20日(日)10:00~
価 格:好太郎・節子味とも各320円(税込)、バニラ味280円(税込)
販売数:各日300個(売り切れ次第終了)

【毎週火・水曜】北菓楼 バウムクーヘン「妖精の森」プレゼント

 好太郎の故郷・北海道の北菓楼から、バウムクーヘン(個包装)をプレゼント。
日 時:会期中の毎週火・水曜日9:00~
提供数:各日50個(先着)

【毎週金曜】《春の野辺》キャンディプレゼント

 夫婦(カップル)で来館した人に、好太郎が節子へのプローズを描いた幻の作品《春の野辺》を再現したキャンディをプレゼント。
日 時:会期中の毎週金曜日9:00~
提供数:各日10袋(先着)

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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