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古川美術館 / 分館 爲三郎記念館(名古屋)で2024年4月27日-6月2日に木村光宏日本画展 

「濤(山陰海岸国立公園) 」2008年 『季の景』出品 作家蔵

日展で活躍 木村光宏の初期から最新作まで

 名古屋市千種区の古川美術館と分館 爲三郎記念館で2024年4月27日~6月2日、木村光宏日本画展が同時開催される。趣きの異なる二つの会場に、木村光宏の初期から最新作まで、様々な日本画表現の作品を展示する。

 古川美術館では特別展「我行画想ー思いのままでー」、分館 爲三郎記念館では特別展「喜々想描ー花・風景」を催す。

木村光宏「翔」2021年 藤田医科大学病院蔵

我行画想ー思いのままで 古川美術館

 日本画家 ・木村光宏は日展を活動の拠点とする、東海地方を代表する日本画家。古川美術館では、画業の原点を振り返りつつ、“今”の木村光宏の境地を展覧する。

 初期には人物画を描き、1985年に「ピエロ」、1989年に「生」で日展特選を受賞した。その後、人物群像を描きはじめ、同時に人物の背景にあった自然にも着目するようになった。

 人物に背景を足していく‘’足し算”の表現ではなく、自然がつくりだした完成した風景から、自身が感動したものを抽出していく“引き算”の表現を求めるようになり、風景画家・木村光宏が誕生した。

 色鮮やかな風景作品を発表した後、次第に心の内面を見つめるかのように抽象的世界へ展開。本展では、日展作品を中心に、色鮮やかな日本の風景を描きだした国立公園シリーズや、個展出品作を展示し、木村光宏の日本画世界を余すところなく紹介する。

木村光宏によるアーティストトーク
出品作家の木村光宏が作品前で制作意図などを話す。入館券のみで参加できる。
日 時:4月27日(土)、5月6日(月・振休)、5月22日(水)各日14時~

担当学芸員によるギャラリートークトトーク
日 時:4月28日(日)、5月15日(水)、6月1日(土)各日14時~

喜々想描ー花・風景 分館 爲三郎記念館

「華厳の滝」 2024年 作家蔵

 分館 爲三郎記念館では、「喜々想描-花・風景 」と題して、美しい花や日本の四季の風景を描いた最新作を展示する。

 木村の記念館全館を使用した展示は今回で2回目。初回での爲三郎記念館の展示は「墨游~木村光宏 墨と戯る」(2022年)と題した墨画展で、抽象的な表現にこだわった墨画作品だったが、今回は抽象から再び具象に戻る。

 爲三郎記念館という数寄屋建築に合わせた少し小さめの花や風景の作品が並ぶ。サイズは小さくとも内に込められた木村の思いは同じ。

 美しいと思う風景を心のままに描き出した作品は、木村の素直な喜びそのものである。身近な花や日本の美しい風景は、数寄屋建築の意匠や庭園と響きあい、観るものの心を癒やす。

「ポピー」 2024年 作家蔵

喜々想描~清和茶会
日 時:5月9日(木)、5月18日(土)、5月30日(木)
①10:15~ ②11:15~ ③13:00~ ④14:00~ ⑤15:00~
参加費:3000円(ただし別途入館券必要)
各席14名定員/瓢の間で立礼(椅子席)で開催。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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