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豊田市民芸館で開館40周年記念・河井寬次郎記念館開館50周年記念「河井寬次郎展-寬次郎の魅力は何ですか-」2023年12月16日-3月10日に開催

碧釉貼文扁壺|昭和40年頃|25.4×26.0×20.8㎝|河井寬次郎記念館蔵

 約200点の作品で表現者・河井寬次郎の魅力を紹介

 愛知・豊田市民芸館で2023年12月16日~2024年3月10日、 豊田市民芸館開館40周年記念・河井寬次郎記念館開館50周年記念「河井寬次郎展-寬次郎の魅力は何ですか-」が開催される。

 日本を代表する陶芸家・河井寬次郎(1890-1966年)は、柳宗悦、濱田庄司とともに日用雑器の美への関心を深め、「民藝」の新語を作って民藝運動を推進した。

 豊田市民芸館の開館40周年事業の一環。開館50周年を迎えた京都の河井寬次郎記念館の所蔵品によって、河井寬次郎の創作活動の全貌を紹介する。

呉洲陶彫像|昭和37年頃|54.8×20.0×16.4㎝|河井寬次郎記念館蔵
呉洲陶彫像|昭和37年頃|54.8×20.0×16.4㎝|河井寬次郎記念館蔵

 河井の陶業は、東洋陶磁に倣った初期作品、民藝運動を牽引する中での実用を意識した中期作品、独創的な造形美へと変化した後期作品に大別。いずれも技巧性、独創性において高く評価されている。

 陶業のみにおさまらず、その表現は木彫や書、デザイン分野など多岐にわたる。

 今回は、河井寬次郎の陶業の仕事や、昭和・戦後期に作られた木彫像や木彫面、真鍮のキセル、河井の人間性・精神性を表現した書など、3点の初公開作品もあわせて、約200点を展観。

三彩鳥天使水注|大正12年頃|17.4×20.0×9.8㎝|河井寬次郎記念館蔵
三彩鳥天使水注|大正12年頃|17.4×20.0×9.8㎝|河井寬次郎記念館蔵

 多くの人々を惹きつけてやまない「表現者・河井寬次郎」の魅力にアプローチする。

 関連企画として、美術家の中村裕太(1983年-)が、河井の仕事にみられる造形感覚をその暮しぶりからひも解いていく展示も併催。

青瓷鱔血文桃注|大正11年頃|10.0×19.0×12.5㎝|河井寬次郎記念館蔵
青瓷鱔血文桃注|大正11年頃|10.0×19.0×12.5㎝|河井寬次郎記念館蔵

展覧会概要

会  期:2023年12月16日(土)~2024年3月10日(日)
会  場:豊田市民芸館 第 1・2 民芸館(愛知県豊田市平戸橋町波岩86-100)
開館時間:午前9時-午後5時
休  館:月曜日・年末年始(12月28日-1月4日)、ただし祝日(1月8日、2月12日)は開館
観 覧 料:一般500円、高大生300円、中学生以下と豊田市内在住の70歳以上、障がい者は無料(要証明)※その他の減免もあり
主  催:豊田市民芸館
共  催:中日新聞社
協  力:河井寬次郎記念館、京都国立近代美術館

三色打薬扁壺|昭和36年頃|30.0×23.1×17.4㎝|河井寬次郎記念館蔵
三色打薬扁壺|昭和36年頃|30.0×23.1×17.4㎝|河井寬次郎記念館蔵

関連事業

記念講演会「祖父・河井寬次郎」

日  時:2024年1月20日(土)午後2時-3時半
講  師:鷺珠江氏(河井寬次郎記念館学芸員)
会  場:第3民芸館
聴  講:無料(ただし会期中の観覧券提示必要)
定  員:先着50名(事前申し込み不要)

「河井寬次郎の器でお茶を楽しむ」

日  時:2024年1月21日(日)午前10時-11時半/午後1時半-3時
講  師:鷺珠江氏(河井寬次郎記念館学芸員)
会  場:茶室 勘桜亭(豊田市民芸館内)
参 加 費:2,500円
定  員:各回10名(要事前申し込み)
申し込み:往復はがき、または豊田市民芸館ホームページの講座申込みフォームで、1月5日(金)までに必着。往復はがきの場合は、往信裏面に講座名・参加者名・住所・電話番号を記入。(1枚のはがきで2名までの申し込み可)

ギャラリートーク(豊田市民芸館学芸員による展示解説)

日  時:2024年2月17日(土)午後2時から(1 時間程度)
聴  講:無料(ただし当日の観覧券提示必要)

木彫面|昭和34年頃|59.5×36.5×13.0㎝|河井寬次郎記念館蔵
木彫面|昭和34年頃|59.5×36.5×13.0㎝|河井寬次郎記念館蔵

関連企画 眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎

河井の仕事にみられる造形感覚をその暮しぶりからひも解く展示

 河井寬次郎展の関連企画として、美術家の中村裕太が、河井の仕事にみられる造形感覚をその暮しぶりからひも解く展示を行う。

 河井は日本民藝館の初代館長である柳宗悦と志を同じくし、民藝運動を共に牽引。本展では、豊田市第 1 民芸館が日本民藝館の建物の一部(大広間と館長室)を移築したものであることに着目し、元館長室に河井と柳にまつわる作品や資料などを設えていく。

 会期中には、河井寬次郎記念館が所蔵している作品や家具などをもとに中村が制作した造形物に触れるワークショップも開催する。

 本展は、2022年に京都国立近代美術館で「感覚をひらく」事業として開催された鑑賞プログラムを一部再構成するとともに、新たな視点を加えて開催する。

辰砂刷毛目扁壺|昭和12年頃|25.5×20.0×14.5㎝|河井寬次郎記念館蔵
辰砂刷毛目扁壺|昭和12年頃|25.5×20.0×14.5㎝|河井寬次郎記念館蔵

中村裕太 プロフィール

 1983年、東京生まれ、京都在住。 京都精華大学博士後期課程修了。 博士(芸術)。 京都精華大学芸術学部准教授。

 〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。近年の展示に「チョウの軌跡|長谷川三郎のイリュージョン」(京都国立近代美術館、2023 年)、「第 17 回イスタンブール・ビエンナーレ」(バリン・ハン、2022 年)、「眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎」(京都国立近代美術館、2022 年)、「万物資生|中村裕太は、資生堂と を調合する」(資生堂ギャラリー、2022 年)、「MAM リサーチ 007:走泥社─現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019 年)、「あいちトリエンナーレ」(愛知県美術館、2016 年)、「第 20 回シドニー・ビエンナーレ」(キャリッジワークス、2016 年)など。著書に『アウト・オブ・民藝』(共著、誠光社、2019 年)。

拓本「此世このまゝ大調和」|昭和37年頃|54.8×20.0×16.4㎝|河井寬次郎記念館蔵
拓本「此世このまゝ大調和」|昭和37年頃|54.8×20.0×16.4㎝|河井寬次郎記念館蔵

トークショー「河井寬次郎に聴き、柳宗悦に視る」

日 時:2023年12月16日(土)午後2時-3時半
講 師:軸原ヨウスケ(デザイナー)・中村裕太(出品作家)
会 場:第3民芸館
聴 講:無料(ただし当日の観覧券提示必要)
定 員:先着40名(事前申込み不要)

ワークショップ「眼で聴き、耳で視る」

日  時:
①2023年12月16日(土)午前10時半-12時
②2024年3月2日(土)午後2時-3時半
講  師:中村裕太(出品作家)
会  場:旧館長室(第 1 民芸館内)
参 加 費:無料(ただし会期中の観覧券提示必要)
定  員:各回8名程度(要事前申込み)
申し込み:豊田市民芸館ホームページの講座申込みフォームで①12月6日(水)②2月21日(水)までに必着

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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