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三重で舞台「変半身」 村田沙耶香さん・松井周さん

 「コンビニ人間」(芥川賞)などの作品で知られ、新刊「生命式」が出たばかりの小説家、村田沙耶香さんと、劇作家、演出家、俳優の松井周さんが共同で原案を練り、それぞれに小説と演劇を創作するプロジェクト「INSEPARABLE(インセパラブル)」の一環で、舞台「変半身(かわりみ)」が2019年12月14、15日に津市の三重県文化会館で上演される。舞台は、11月末から、東京を皮切りに、三重のほか、京都、神戸に巡演。村田さんの小説「変半身」は、11月29日に筑摩書房から刊行される。詳細は、三重県文化会館のwebサイト筑摩書房のwebサイト
 松井周は「自慢の息子」で 2011 年に岸田國 士戯曲賞を受賞し、「サンプル」を主宰。村田沙耶香は 16 年に「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した。プロジェクトは 17 年の神津島(東京)への取材から始まり、18 年 1 月の城崎国際アートセンター(兵庫)での合宿・試演会、18 年 5 月の緑島(台湾)、19 年の神島 (三重)への取材を経るなど、3年がかりで進んできた。「切っても切れない」=inseparableの関係によって、共同制作の原案を基に、演劇、小説、映像アニメなど、二次創作的に発展させるのが狙い。2人は、同じ設定、同じ編集者を介して別々の作品を生み出し、豊かなクリエイションを指し示す。出演は、台湾の実力派、王宏元や大鶴美仁音、安蘭けいなど。

村田沙耶香織
村田沙耶香さん (c)Sayo Nagase
松井周
松井周さん (c)平岩享

 松井さんは、「人間っていうものは、デタラメでエロくて愛すべき知的生命体だよなあ!と思えるようなフィクションまみれの人間像を魅力的に描きたい」とコメント。村田さんは「小説を書くとき、誰かの作った設定を使うということは一番苦手。でも、松井さんと話しているといつも無意識で理解できるような感覚があり、2人で作品世界をつくったらどうなるだろう? と思った」としている。

 近未来。東洋のガラパゴスと呼ばれている千久世島という離島は、かつてない賑わいを見せていた。国産みの神話に登場する島であると同時に、その島で発掘される「レアゲノム」という化石由来の DNA がヒトや動物の遺伝子組み換えに必要なものとして注目 を集めているからだ。その島に住む男は、奇祭で弟を失う。とこ ろがある日、弟は蘇り、まるで別人のように男の前に現れる。弟 の存在は島の住民を狂わせていく。そしてそれは、島の存亡を揺 るがす事態に発展していく…
 開演は、14日が午後2時、6時の2回、15日は午後2時。一般3000円、25歳以下1500円。

変半身
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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