Fusz György（フス・ジェルジ）《Nodder II》1981年
ブダペスト国立工芸美術館蔵、Photo: Friedrich Krisztina
1960年代以降のハンガリー現代陶芸の流れを紹介
「やきものにうたう：ハンガリー現代陶芸展」が2023年4月22日～7月2日、岐阜県現代陶芸美術館（多治見市）で開催される。
中欧のハンガリーは、陶芸に特化したヨーロッパ随一のレジデンス施設（ケチケメート国際陶芸スタジオ）があるなど、陶芸文化の活発な地域として知られる。
豊かな自然に育まれる一方、複雑な歴史をたどった社会に呼応するように、独自の陶芸文化が形成されてきた。
本展は、ブダペスト国立工芸美術館による学術協力のもと、1960年代以降のハンガリー現代陶芸の流れを、その歴史的背景を踏まえて紹介する。
第二次世界大戦後の社会主義の時代、1989年の民主化を経て現代に至る激しい社会の変化を経験する中で、それぞれの方法で表現の道を模索した作家の作品が並ぶ。巨匠から新進気鋭の作家まで、ハンガリーの陶芸家たちの多彩な「こえ」が聴こえる作品である。
展覧会情報
会 期：2023年4 月22日（土）～7月2日（日）
休 館 日：月曜日
開館時間：10:00 ～ 18:00（入館は17:30まで）
会 場：岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ
主 催：岐阜県現代陶芸美術館、駐日ハンガリー大使館、リスト・ハンガリー文化センター東京、ブダペスト国立工芸美術館
共 催：中日新聞社
観 覧 料：一般1,000円（900円）、大学生800円（700円）、高校生以下無料
※（ ）内は20名以上の団体料金
※以下の手帳のある人と付き添いの1名まで無料。身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、特定医療費（指定難病）受給者証
見どころ
■日本で初めての「ハンガリー現代陶芸」展！
独自の陶芸文化で知られるハンガリー。しかしながら、日本ではこれまで、まとまった形でハンガリーの現代陶芸が紹介される機会はなかった。ブダペスト国立工芸美術館による全面的な学術協力のもとで実現する本展は、ハンガリー現代陶芸の総体を紹介する、日本のみならず世界的にも稀な機会である。
■オブジェ、器、アクセサリーまで 多彩な作品がハンガリーから大集合
そのときどきの社会に応じて、それぞれの方法で表現の道を模索してきたハンガリーの陶芸家たち。彼、彼女らの作品からは、作家の思いのみならず、ハンガリーの社会や文化が感じられる。本展では、メッセージ性の強い造形作品から、華麗な食器類、現代的なアクセサリーまで、ハンガリー本国から 112件（予定）の多彩な作品が一堂に会する。
■ ハンガリーの文化にひたる！関連イベントにも注目
豊穣な文化を有するハンガリー。会期中は食、音楽、歴史など、多様な視点からハンガリーの文化にふれるイベントを開催する。ハンガリーから来日する作家によるトークや、作家の制作に迫るワークショップも。
関連イベント
記念講演会「概説・ハンガリー現代陶芸」
本展企画者がハンガリー現代陶芸の歴史、文化、重要作家やグループについて、最新の傾向にもふれながら、詳しく話す。
講師：ノヴァーク・ピロシュカ（ブダペスト国立工芸美術館 陶磁器・ガラス部門 シニア・キュレーター）
日時：4月22日（土）14:00 ～ 15:30
会場：岐阜県現代陶芸美術館 プロジェクトルーム
※聴講無料、要事前申込、日本語通訳あり
アーティスト・トーク
ハンガリーを拠点に活動する陶芸家が自作や、美濃、日本の印象について話す。
講師：ネーマ・ユリア（陶芸家・ハンガリー在住、本展出品作家）
日時：5月20日（土）14:00 ～ 15:00
会場：岐阜県現代陶芸美術館 プロジェクトルーム
※聴講無料、要事前申込、日本語通訳あり
講演会「ハンガリーの文化と歴史」
講師：早稲田みか（大阪大学名誉教授）
日時：6月10日（土）14:00 ～ 15:30
会場：岐阜県現代陶芸美術館 プロジェクトルーム
※聴講無料、要事前申込
ミュージアムコンサート「ハンガリーのしらべ」
演奏：山田真吾（チェロ）、橋本專史（チェロ）
日時：6月18日（日）14:00 ～
会場：岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリー
※聴講無料（ただし要観覧券）、事前申込不要
ワークショップ「うずまきに魅せられて」
講師：アーグネス・フス（陶芸家・長野県在住、本展出品作家）
日時：6月17日（土）13:30 ～
会場：セラミックパーク MINO 作陶館
※要事前申込
当館学芸員によるギャラリートーク
日時：5月7日（日）、6月25日（日）各日14:00 ～
※聴講無料（ただし要観覧券）、事前申込不要