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寺田就子さんが第2弾 キャプションのenvelope as a door 次は大岩オスカールさん

GALLERY CAPTIONからのメールより

GALLERY CAPTION(岐阜市)が2020年5月下旬に始めた郵便を介したプロジェクト「envelope as a door」(ドアとしての封筒)の第2弾、寺田就子さんの作品受け付けを2020年6月6日正午から始める。6月20日からの第3弾は、大岩オスカールさんを予定している。

 ギャラリーと作家、そして封筒を受け取る人とを結ぶメール・アートのプロジェクト。第1弾は、アーティストの藤本由紀夫さんの「星の読書 –word search puzzle- vol.1  26 philosophical toys」で、既に投函された。

 新型コロナウイルスの影響で、世界中の人々の生活と健康が脅かされている中で企画した。今後、ポストコロナの新常態が変化していく中で、人類が向き合う事態は予測できない。オンラインによるコミュニケーションや、インターネット配信など、新しい生活様式が急速に日常に浸透し、人間が新たな環境でどう生きるか、芸術と人間との関わりはどうなるのかが問われている。
 「envelope as a door」は、そんな現在を見据えたプロジェクトだ。

 第2弾は、寺田就子さんの「いまの空は、」のシリーズ。寺田さんらしいメッセージとともに、ちいさなオブジェがそこにある。ガラスや鏡、プラスチックを組み合わせた、いまの空とうつろいゆく光をつかまえておくための、ささやかな装置のようである。

『いまの空は、』

 
こんにちは お変わりございませんか

 
幼いころからいつも 変わらないことを望みながらも日々変わっていくのを感じます
自分にとってそれは落胆なのか発見なのか いまでもよく分かりません
それでも いつでも異なる表情をみせる雲に光りに心をひかれています

​寺田就子

GALLERY CAPTIONのWEBサイトより

 「envelope as a door」は、からっぽの封筒をギャラリーの空間に見立て、作家の作品を封書で届ける。ギャラリーの入り口の扉を開けるように、封筒を開くと、そこに作品がある。人が作品と出合い、そこから、さらなる出合いへと導かれる‥‥

 GALLERY CAPTIONは、オンライン・ショッピングの仕組みと変わらないと、あえて言う。それでも、そこには、ギャラリーだからこそできること、作家とギャラリーの真摯なメッセージとともに、美術作品の可能性、人間を豊かにする小さな時間と空間の大切さが提示されているのではないだろうか。
 それは、コロナによって世界の見え方、人間の生活と生き方が変容する中で、人間の価値、人間と世界との関わり、過去と現在、未来をつなぐ可能性を問い直す試みでもある。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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