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「布施知子 ORIGAMI-紙の鼓動-」ヤマザキマザック美術館(名古屋)で2024年11月29日-2025年3月23日に開催

布施知子《ダリア》2019年 土佐浜田和紙 作家蔵 すべて© Fuse Tomoko

力強く変幻自在な紙と折りの造形美

 「布施知子 ORIGAMI-紙の鼓動-」が2024年11月29日~2025年3月23日、ヤマザキマザック美術館(名古屋)で開催される。

 幼い頃の記憶と生活の中に息づいている折り紙は、子供の遊びでありなが ら、それにとどまらない奥深さをもっている不思議な存在。布施知子(1951)は、そのスペシャリスト。

 一枚の紙を折ったユニット・パーツを組み合わせて立体作品を作る「ユニット折り紙」を代表する作家として知られ、世界各地で展覧会や実演会、ワークショップを行っている。

布施知子《枯山水 in 葵》2024年 特殊紙(デュポンタイベック、ツインガード)作家蔵

 この展覧会では、布施が近年制作している数多くの作品の中から、「くす玉」や「アリ地獄」といった「ユニット折り」をはじめ、「スパイラルらせん折り」「平折り」「無限折り」「ノット結び目による造形」など、多種多様な折り方 によって無限の形と美しさを見せる折り紙の数々を展示する。

 また、枯山水を表現したスケールの大きなインスタレーションをはじめ、同館のアール・ヌーヴォー様式のダイニングルームの展示室2部屋、アール・ヌーヴォー様式のベッドルームの展示室1部屋の床全面を使ったインスタレーション3点を初公開。

 日本人が「折り紙」に対して持っている固定観念を覆すような、力強く変幻自在な紙と折りの造形美が紹介される。

布施知子《アリ地獄480枚組》2019年 洋紙(マーメイドリップル) 作家蔵

開催概要

展覧会名:「 布施知子 ORIGAMI -紙の鼓動 -」
会  期: 2024年11月29日(金)〜2025年3月23日(日)
※状況によっては会期など開催内容が変更となる場合がある。
最新情報は館ホームページの「お知らせ」欄で確認。
会  場:ヤマザキマザック美術館4階展示室
愛知県名古屋市東区葵1-19-30 地下鉄東山線「新栄町」下車 1 番出口直結
TEL 052(937)3737 URL www.mazak art.com
開館時間:平日1 0:00-1 7:30 土日祝10:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
休 館 日:月曜日〔1月13日、2月24日は開館〕、1月14日(火)、2月25日(火)、年末年始12月30日~1月4日
入 館 料:一般1,300円(10名以上1,100円)、小・中・高生500円、小学生未満無料
〔音声ガイド無料サービス〕
主  催:ヤマザキマザック美術館、中日新聞社

布施知子《レッド・スネーク》2024年 洋紙(NT ラシャ)作家蔵

見どころ

新作折り紙インスタレーション《枯山水 in 葵》を紹介!
 展覧会導入部の細長い空間に、枯山水の庭園が出現! 布施さんが同館の展示室をイメージして考えた折り紙 による枯山水では、巨大な白い折り紙の山や川が、展示室のシックな木の床、美しい織り模様の入った緑色の壁紙に映えて、スケールの大きな格調高い空間になること間違いなし。

同館のアール・ヌーヴォー家具の展示室をイメージして制作した新作折り紙インスタレーション《シルバー・スネーク》 《ゴールデン・スネーク》 《レッド・スネーク》を紹介!
 アール・ヌーヴォーのベッドルーム家具やダイニング家具が展示された同館4階の展示室。まるで 19世紀フランスのお屋敷に迷い込んだような特別な空間で、それぞれの部屋の雰囲気に合わせて、蛇たちの色も 金・銀 ・赤と異なる。アール・ヌーヴォーの優美なデザインと力強い折り紙の蛇たちのコラボレーションが楽しめる。

さまざまな折り方を駆使して生み出された 、ヴァリエーション豊かな折り紙の形と美しさを紹介
 1枚の紙を折ったユニットパーツを組み合わせて立体作品を作る「ユニット折り紙」の名手として知られる布施さん。展示では、それだけでなく、「らせん折り」「多重折り」「無限折り」「平折り」「ノット結び目による造形」など、折り紙の多様性を堪能できる。

今から約50年前 、若き日の布施さんが制作した「お面マスク 」シリーズを紹介!
 最初期には折り紙でお面マスクを制作していた布施さん。このたび、布施さんの実家や知人宅から二十代半ばに折ったお面が、非常によい保存状態で見つかった! 「般若」「大黒」など紙を折って作ったとは思えない生き生きとした表情を見せている。

布施知子《らせん折り①》2005年(2016年再制作) 洋紙(OK ゴールデンリバー) 作家蔵

イベント

講演会「 私の折り紙の歩み」 ミニ折り紙教室付き

日 時:2025年1月18日(土)13:30受付開始 14:00~15:30
講 師:布施知子氏
申 込:2024年12月13日(金)から電話(052- 937-3737)で
定 員:60名
参加費:無料ただし本展鑑賞券(半券でも可)が必要
会 場:マザックアートプラザ(美術館北側隣接ビル 4階会議室)
 折り紙との出合いから折り紙歴の変遷、折り紙の魅力、そして本展に出品した新作4点について語る。講演会の後には布施さんによるミニ「折り紙教室」も。

布施知子《アリ地獄270枚組》2010年 洋紙(カラートレーシングペーパー) 作家蔵

ガイドツアー

会期中第2・4土曜日に開催
 学芸員によるガイドツアー。展覧会の見どころをわかりやすく解説。
日 時:次の日程の10:30から約1時間
2024年12月14日、28日、2025年1月11日、25日、2月8日、22日、3月8日、22日
申 込:不要
定 員:20名 先着順
参加費:無料ただし要当日鑑賞券
鑑賞券を提示し、参加証を受け取る。開始時刻の5分前までに 美術館1階、ブールデルの彫刻《果物を持つ裸婦》の前に集まる。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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