2024年1月9日の朝日新聞デジタルによると、美術ジャーナリスト、編集者の福住治夫さんが1月6日に死去した。84歳。
1966年に美術出版社に入社。1971~73年に『美術手帖』の編集長を務めた後、独立。長く、非営利、独立系の硬派な美術ミニコミ誌、月刊『あいだ』を編集した。また、高島平吾の名前でトム・ウルフ著『現代美術コテンパン』などを翻訳した。
『あいだ』は筆者も長く愛読していた。
発行は『あいだ』の会。雑誌の名称は、「美術と美術館のあいだを考える会」に基づいている。この会は、富山県立近代美術館で1986年に始まった大浦信行の版画連作《遠近を抱えて》(1982-85年)の展示・公開・収蔵を巡る問題に対して、美術関係者が始めたグループに由来している。詳細は、美術評論家連盟のWEBサイトの光田由里さんの文章に詳しい。
また、2019年の「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由展・その後」で、 《遠近を抱えて》 が展示され、再び、クローズアップされた。
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