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「越山若水が育んだ美ー福井県立美術館・若狭歴史博物館名品展ー」岐阜県美術館で2023年10月14日-12月3日に開催

仏教美術、日本画を中心に名品を紹介

 岐阜県美術館で2023年10月14日〜12月3日、「越山若水が育んだ美ー福井県立美術館・若狭歴史博物館名品展」が開催される。

 隣接する岐阜、福井両県の文化交流の一環。2021年度には、 福井県立美術館で、両県立美術館連携による「ももきねの美 清流の旅 ~日本画の巨匠と陶芸の人間国宝 岐阜県美術館名品展」を開催。

 今回は、交換展として、岐阜県美術館で、国指定重要文化財を含む越前と若狭の名品を紹介。仏教美術、日本画を中心に、福井県立美術館のコレクションから選び抜いた名作や、寄託を受けている文化財、福井県立若狭歴史博物館の収蔵品を展示する。

 福井県立美術館は、1977年に開館。岡倉天心ゆかりの画家たちの作品、中近世及び近現代の福井に縁がある作家の作品、ヨーロッパの作家の版画、ニューヨークで貿易商を営んだ岡島辰五郎氏が収集した工芸品などを含む数多くの名品を所蔵している。

 1982年に開館した福井県立若狭歴史民俗資料館は、2014年に常設展示を一新し、福井県立若狭歴史博物館としてリニューアルオープン。 若狭地域の貴重な文化財を紹介している。

展覧会概要

展覧会名:越山若水が育んだ美―福井県立美術館・若狭歴史博物館名品展―
会  場:岐阜県美術館 展示室3 (岐阜市宇佐 4-1-22)
会  期:2023年5年10月14日(土)~12月3日(日)10:00-18:00
前期 10月14日(土)~11月5日(日) 後期 11月7日(火)~12月3日(日)
※前期・後期で展示作品の一部が替わる
※入場は閉館30分前まで
休 館 日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
夜間開館:10月20日(金)、11月17日(金)は20:00まで
料  金:一般 1,000(900)円 大学生 1,700(600)円 高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特定医療費(指定難病)受給者証の交付を受けている人および付き添いの方(1名まで)は無料

見どころ

福井県立美術館・若狭歴史博物館から名品が岐阜県に来る
 福井県立美術館 と福井県立若狭歴史博物館が誇る名品を岐阜県美術館で鑑賞できるチャンス。(前期・ 後期で展示作品の一部が替わる)

国指定重要文化財や重要美術品、福井県指定有形文化財なども展示
 重要文化財の良全《仏涅槃図》(本覚寺蔵 / 福井県立美術館寄託)や《世界及日本図》(福井県立若狭歴史博物館蔵)をはじめとする指定文化財も展示する。
*《仏涅槃図》は前期展示
*《世界及日本図》のうち、《世界図》は前期展示、《日本図》は後期展示

6世紀から20世紀まで幅広く美術作品を展示
 中国・北斉時代、天統元年(565)の《観音菩薩立像》(福井県立美術館蔵)から、平成4年(1992)の元永定正《作品(仮題)》(福井県立美術館蔵)まで、 時代を越えた名品の数々を紹介する。

著名な作家の作品を多数展示
 岩佐又兵衛勝以や狩野芳崖、横山大観、加山又造などの作品を展示する。

展覧会構成

第一章 信仰の美術

 福井県立美術館は、鎌倉時代から室町時代の仏画を所蔵し、県内の寺院からも文化財の寄託を受けている。この章では、この中から仏画の名品をセレクトして紹介。

 福井県立美術館が所蔵する工芸品からは《五彩羅漢文盤》を、そして、白山信仰に関係す作品として能面を出品する。福井県立美術館の所蔵品の中で重要な位置を占める岡島コレクションからは、中国・朝鮮の小金銅仏を展示。

 若狭地方には、古い時代に造られた仏像が多く現存し、とりわけ、平安時代の優れた仏像が数多く遺されている。福井県立若狭歴史博物館の所蔵品・寄託品の中からも、仏像の名作を 展示する。

第二章 中近世絵画

 この時代は、越前朝倉氏の御用絵師を務めて室町時代から江戸時代中期に活躍した曾我派、福井藩主の二代松平忠直・三代忠昌のもとで江戸時代初期に活動した岩佐又兵衛勝以と岩佐派の絵師などによって彩られる。

 曾我派は、越前朝倉氏の家臣の家に生まれた曾我蛇足(生年不詳〜1473)が親交のあった大徳寺の僧、一休宗純から「墨溪」の雅号を受けて始まった流派。宗丈、紹仙、宗誉、紹祥と五代まで続いたと考えられ、「蛇足六世」を名乗った曾我直庵とその子とされる曾我二直庵もいる。

 岩佐又兵衛勝以は、奇想の画家として注目を集めている絵師で、壮年期の20年間を福井で過ごし、代表作の多くを福井で制作した。本展では、又兵衛及び岩佐派の作品26点を紹介する。

第三章 近代の絵画

 福井藩士の子として生まれた岡倉天心は、東京美術学校(現・東京藝術大学)の設立に尽力。のちに日本美術院を創設し、近代に入って低迷していた日本画の復興と革新に努めた。

 そのため、福井県立美術館では岡倉天心を顕彰し、東京美術学校や日本美術院にゆかりのある画家の作品を収集している。

 この章では、天心とともに近代日本画を推進した狩野芳崖と橋本雅邦、その教えを受けた横山大観、下村観山、菱田春草、その次の世代を担う今村紫紅、安田靫彦、前田青邨、速水御舟など近代日本画を彩る巨匠たちの作品を紹介する。

第四章 現代の美術

 この章では、福井にゆかりのある 現代の美術を取り上げる。日本画に革新的な絵画表現を模索した作家として、横山操、加山又造、三上誠、星野眞吾らの代表作を紹介。

 特に横山操の大画面の作品は圧巻で、見る者に強い力で迫ってくる名作である。

 また、福井の現代美術コレクションの独自性を物語る、「小コレクター運動」や「創造美育運動」に関連する瑛九らの作品群も、この章で紹介する。

関連プログラム

記念講演会「福井県立美術館コレクションの歩み~福井の小コレクター運動を中心に 」
日 時:10月14日(土)13:30-15:00
会 場:岐阜県美術館講堂
講 師:福井県立美術館 副館長(学芸) 西村直樹氏
備 考:聴講無料、事前申込み不要 、定員170名(先着順)

記念講演会「福井県立若狭歴史博物館のコレクションについて」
日 時:10月21日(土)13:30-15:00
会 場:岐阜県美術館講堂
講 師:福井県立若狭歴史博物館 文化財調査員 河村健史氏
備 考:聴講無料、事前申込 み不要 、定員170名(先着順)

ナンヤローネアートツアー
日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such 》を体験し、展示作品の魅力を味わう。
日 時:10月22日(日)14:00-15:30
会 場:岐阜県美術館多目的ホール、展示室3
備 考:要事前申込み 詳細は岐阜県美術館ウェブサイトで確認

美術講座「信仰の美術」
日 時:11月4日(土)13:30-15:00
会 場:岐阜県美術館講堂
講 師:岐阜県美術館 守屋靖裕学芸員
備 考:聴講無料、事前申込み不要 、定員170名(先着順)

美術講座「近世・近代の美術岩佐又兵衛と岡倉天心を中心に」
日 時:11月18日(土)13:30-15:00
会 場:岐阜県美術館講堂
講 師:岐阜県美術館 北泉剛史学芸員
備 考:聴講無料、事前申込み不要 、定員170名(先着順)

岐阜県美術館アートコミュニケーター募集イベント「福井県美術館ボランティアと楽しむアートツアー」
日 時:11月23日(木・祝)13:30-15:30
会 場:岐阜県美術館多目的ホー ル、展示室 3
備 考:要事前申込み 詳細は岐阜県美術館ウェブサイトで確認

ギャラリートーク
日 時:10月20日(金)18:45-19:30、 11月12日(日)15:00-15:45、11月17日( 金)18:45-19:30、11月26日(日)15:00-15:45
会 場:岐阜県美術館 展示室3
備 考:要観覧券、事前申込み不要

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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