2019年12月24日の朝日新聞のインタビューで、「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」を巡る問題について、愛知県の大村秀章知事がインタビューに答えた。分断社会を目指すべきでない、となどと語った。
大村知事は、全部で106あったトリエンナーレの企画のうち、ただ1つの企画が完全に展示できなかったという理由で文化庁の補助金が全額不交付になったことを理解できない、と回答。国がいいと言ったものでなければ補助金が出ないなら、みんなが萎縮して、この国の表現の自由が大きなダメージを受ける、と述べた。その上で、文化庁が是正しなければ、裁判に訴える、としている。公権力のある自分が、芸術作品を内容で判断してやめろ、ということは憲法21条に照らして、やってはいけないことだとも。
税金を投入される芸術祭について、「税金が不快な表現や政治的に偏った表現に使われていいのか」という政治家の声は、一般的に共感を得ているのでは、とインタビュアーから水を向けられると、税金はあらゆる立場の人が払っている、政治家のそういう声を聞くと、税金は権力者のものなのか、税金の私物化につながっていないか、と疑問を感じるという。
大村さんは、表現の自由は、憲法が保障する基本的人権の中でも特に重いもので、人間の違いを認めないとすれば、それは独裁だと述べ、日本は、立場の違う人を認めない分断社会となりつつあり、危険であると続けた。その上で、分断社会は、日本が目指すべきではない、社会の統合に役立つ政治を育てなければいけない、分断は深まっているが、まだ今なら間に合う、と語った。
表現の自由について 大村秀章愛知県知事が語る 朝日新聞
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