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フェスティバル/トーキョー チケット9月13日から販売 9日からは先行割引

フェスティバル/トーキョー 9月9〜12日チケット先行割引販売

概要

 フェスティバル/トーキョー実行委員会が、フェスティバル/トーキョー20(以下F/T20)の全プログラムを発表した。2020年10月16日~11月15日の31日間、東京芸術劇場、あうるすぽっと、トランパル大塚、豊島区内商店街、オンライン会場などで、「想像力どこへ行く?」をテーマに、8組のアーティストが13以上の多彩なプログラムを展開する。

 チケットの一般発売は、 2020年9月13日午前10時から、公式サイトなどで。9月9日午前10時〜12日午後7時までの4日間限定で、モモンガ・コンプレックス  
『わたしたちは、そろっている。(振付・演出 :白神ももこ )と『ムーンライト(構成・演出:村川拓也 )の2演目が枚数限定で30%の先行割引販売となる。F/T remote(オンライン配信)の視聴券は、10月1日12:00から発売予定。

F/Tは、同時代の舞台芸術の魅力を多角的に発信し、社会の中での芸術の新たな可能性を追究する都市型フェスティバル。 2009年以来、国内外の先鋭的なアーティストによる演劇、ダンス、音楽、美術、映像等のプログラムを、東京・池袋エリアを拠点に展開した。

2016年からは東京芸術祭の一部として、それまで以上にジャンル横断的な創作を紹介。 通算13回目となる今回は、「想像力どこへ行く?」をテーマに据え、 新型コロナウイルス感染拡大の影響下で、新しい上演・上映スタイルを探りつつ、物理的距離の確保など適切な対策を実施した上で開催する。

全プログラム

☆セノ派『移動祝祭商店街』  会期未定、豊島区内商店街、トランパル大塚周辺

 舞台美術家の杉山至さんらによるコレクティブ「セノ派」が見出す"景"が、あらたな目線で「まち」や「みち」の存在を浮かび上がらせ、まちと人にあらたな縁を結ぶ。今回、創作のキーワードに挙げたのは「一人でいる方法」。さまざまなリサーチを重ね、リアルとオンライン、フィクションを駆使しつつ、コロナ禍で「集まる」ことが難しくなった今にこそ生きる舞台美術家ならではの"景"をつくり、出会いを演出する。

☆ Hand Saw Press 『とびだせ!ガリ版印刷発信基地』  会期中 計20日程度、大塚駅周辺(予定 )

誰もが気軽に立ち寄れる表現と交流の場として、昨年のF/T期間中に限定オープンし、365点ものZINE(手作り冊子)を生み出すなど、活況を呈したHand Saw Press『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』。デジタルガリ版印刷機「リソグラフ」を使ったZINEの作成や交換、ワークショップやイベントを通じ、人や町、その背景にある多様な文化が出会うプラットフォームともなったプロジェクトが、バージョンアップして再登場する。

☆ファビアン・プリオヴィル・ダンス・カンパニー『RENDEZ-VOUS(仮)』  会期中 計10日程度、トランパル大塚 ほか(予定)

ジャンル、プロ/アマ、年齢など、さまざまな違いを超えたコラボレーション作品に加え、VRやスマートフォンといったテクノロジーとコンテンポラリー・ダンスを組み合わせた作品づくりに取り組むファビアン・プリオヴィル。公園やカフェなど公共の場での上演を前提にしたVRプロジェクト『RENDEZ-VOUS』の東京版の制作に臨む。会場は、F/T19『移動祝祭商店街』のフィナーレでも使用された広場、トランパル大塚。観客はVRセットを装着、この広場で360度撮影されたダンス映像をベンチに腰掛けて視聴する。同じ場所を共有しながら、もうそこには存在しない身体、時間を間近に感じる体験は、私たちの感覚をどのように変えていくだろう。

☆ 【作】松井周【演出】キム・ジョン『夢の劇(仮)』 10月16日-10月18日(予定)  あうるすぽっと

緻密な心理描写と大胆な空想力、遊び心が隣り合う演出で人気を集める韓国現代演劇の新鋭、キム・ジョン。虚構を重ねることを通し、人間と社会のありようをむき出しにする劇作家、松井周。異なる言語、文化、個性を持つ二人が、F/T19『ファーム』(作:松井周/演出:キム・ジョン)での出会いを経て、初めての新作クリエーションに臨む。混迷する世界の現在に向き合うために、二人が選んだ題材は、アウグスト・ストリンドベリの『夢の劇』(1902)。人間界に降り、その暮らしを体験する“神の娘”の眼に映る物事をつづった近代古典を、"コスプレ”を始めとする現代カルチャーを通じて読み直し、再構築していく。

☆ モモンガ・コンプレックス【 振付・演出 】白神ももこ 『わたしたちは、そろっている。』10月24、25日(予定)、 東京芸術劇場 シアターイースト

振付・演出家の白神ももこの下、シュールな感性と叙情をないまぜにした独自の作品世界を展開するモモンガ・コンプレックスによる新作公演。"観察型ミュージカル的ダンス・パフォーマンス”と銘打たれた本作は、集まることが当たり前ではなくなった今この時にこそ、"上演”や"個と全体/集団”の意味を、ユーモアを持って問い直そうとする。エリアやタイムラインで区切られたパフォーマンスは、『伊勢物語』をはじめとする歌物語の構成を意識した。西井夕紀子を音楽監督に迎えてつづられるスケッチ(場面)を、観客は自由に観覧し、つなぎ、物語を紡いでいく。別々の、離れた存在同士であるからこそ生み出される表現、人との出会い方、つながり方への希望が見出せるはずだ。

☆【 構成・演出 】村川拓也『ムーンライト』 10月下旬(予定) 、東京芸術劇場 シアターイースト

身体に障害のある人の在宅介護・介助における、介護する/されるの関係を演劇化した『ツァイトゲーバー』(F/T11公募プログラム)が国内外で高く評価された村川拓也が8年ぶりにF/Tに参加する。村川との対話とピアノの発表会の形式をとり、主人公は、ベートーベン「月光」にひかれてピアノを始めたという京都在住の70代男性。質問に導かれ、音楽との出会い、20歳から今日まで続く目の病とのつきあいなど、人生の断片が浮かび上がる中、さまざまな年代のピアノ演奏者たちが彼の記憶を彩る曲を演奏する。そして、最後の一曲「月光」が披露される時がやってくる―。実在の人物やその語りといったリアルな題材を、劇場での再現や演技と交錯させる手法は、現実の中に確かに存在するにもかかわらず、見過ごし、聞き逃している大切な何かとの出会いへいざなう。

☆テアター・エカマトラ 『Berak』ほか 未定 、オンライン会場 (トランスフィールド from アジア)

マレー演劇の確立を目指し、多民族都市国家シンガポールの現実に向き合う創作を続けるテアター・エカマトラの作品群を映像配信する。新型コロナウイルスの影響で公演直前にキャンセルとなった舞台に代わり制作・収録された作品『Berak』も公開される。異なる言語、文化を交差させるテアター・エカマトラならではの「トランスクリエーション」の手法、その先に浮かび上がる普遍性とは—。オンラインを通じ、新旧複数の作品に触れ、さまざまな取り組みを重ね合わせた先に、彼らの創作の「核」が見えてくる。

ディレ クタ ー ズ ・メッセ ー ジディレ クタ ー ズ ・メッセ ー ジ

F/T20 想像力どこへ行く?

無数の想像力が、いまこの瞬間にも、どこかのドアを開けに行こうとしています。ふだんとは違う人の移動や出会いが起こる機会になることが、フェスティバルの大切な機能のひとつだと、F/Tでは考えてきました。なぜなら移動や出会いは、未来に何かが生まれる可能性につながるからです。とくにアートは、経済合理性と無縁とは言えないまでも、わたしたちを無意識に縛る効率や常識からあえて距離を置き、意外な通路、入口や出口を作れるはずだと信じています。ところがご存知のとおり、ヒトの移動や出会いが極端に難しくなる事態が、今年になって世界的な規模で起こりました。新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行により、移動や出会いの意味がすっかり変わってしまい、それらのリスクとありがたみの両方が剥き出しになっています。国と国の間だけでなく、都道府県の間や、家の内と外の間、人と人との間にまで、突如国境が出現したかのようです。こんな状況だからこそ、想像力が大事だと、誰もが思っているはずです。困難な状況に置かれている人々のことを考えなければならない。来るべき事態に備えなければならない。しかし想像力は、いつもそう都合よく働くとはかぎらないこともわかっています。第一わたしたちは、今年の初めまで、この事態を想像すらできていませんでした。それにわたしたちは、よいこと、真面目なことばかりを想像するわけでもありません。手に負えない想像力が、わたしたちを食べてしまうこともある。もう想像するのに疲れてしまっているかもしれない。それでも想像力が止まらないのは、自分のこと、人のこと、社会のこと、世界のこと、とくにそれらの未来のことを、わたしたちが気にせずにはいられないからだと思います。感染症との付き合いが長期にわたると予想されるなか、どれだけ形を変えてでも、国内外含めた交流の通路を確保し、未来に何かが生まれる可能性を耕しつづけることが必要だと考えて、フェスティバルの開催を決めました。からだに制限がかかっても、想像力とともに開けられるドアがあるし、想像力が生み出す現実があります。今年の会期がさまざまな参加者の方たちとともに出会いの意味をアップデートする機会となるように、まずはアーティストやパートナーの方々と実現可能な色々な形を探っている最中です。新しい状況は随時お伝えしていきます。秋にお会いするのを楽しみにしています。

                      (2020年7月2日)

           ディレクター長島 確 共同ディレクター 河合千佳

プレスリリースより
フェスティバル/トーキョー
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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