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「コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより」愛知県美術館で2024年4月26日-6月30日に開催

コスチュームジュエリーの歴史的展開を紹介する日本初の展覧会

 愛知県美術館で2024年4月26日~6月30日、「コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより」が開催される。

 「これは、偽りなく美 しい “ニセモノ ” の ジュエリー」―あえて本真珠と模造パールをあわせて身に着けた、ガブリエル・シャネルの言葉である。彼女にとって、素材が何であれ、デザインやスタイルにこそ真の価値があることを表している。

 コスチュームジュエリーとは、宝石や貴金属を用いず、ガラスや貝、樹脂など多種多様な素材で制作されるファッションジュエリー。

 素材から解放され、自由なデザインを提案できるコスチュームジュエリーを、 20世紀初頭のポール・ポワレが先駆けとなり、以降、シャネルやディオール、スキャパレッリなどフランスのオートクチュールのデザイナーたちがこぞって取り入れた。

ポール・ポワレ《 夜会用 マスク、ブレスレット “深海 ” 》(制作: マドレーヌ・パニゾン) 1919年、 メタリックチュールにガラスビーズとクリスタルガラスで刺繍、小瀧千佐子蔵

 やがてヨーロッパ、そして戦後はおもに米国で、コスチュームジュエリーは広く普及し、当時の女性たちに、装う楽しみだけではなく、生きる活力、自由や自立の精神をもたらした。

 本展は 20世紀初めから戦後に至るコスチュームジュエリーの歴史的展開を紹介する、日本初の展覧会。小瀧千佐子氏による世界的に希少なコレクションから、ジュエリー約450点と、当時のドレスやファッション雑誌などの関連作品が展示される。

シャネル《ネックレス “花 ” モチーフ 》( 制作: メゾン・グリポワ) 1938年 、 パート・ド・ヴェール・エナメル ガラス、メタル 、 個人蔵

展覧会概要

展覧会名:コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより
会  期:2024年4月26日(金)~6月30日(日)[57日間]
開館時間:10:00-18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休 館 日:毎週月曜日〈ただし 4月29日(月・祝)と5月6日(月・振休)は開館〉、4月30日(火)、5月7日(火)
会  場:愛知県美術館( 愛知芸術文化センター 10階 〒 461-8525 名古屋市東区東桜 1-13-2)
美術館ウェブサイト https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
展覧会公式ウェブ サイト https://www.ctv.co.jp/costumejewelry-aichi/
アクセス:地下鉄東⼭線・名城線「栄」駅/名鉄瀬⼾線「栄町」駅下⾞、オアシス21連絡通路利⽤徒歩3分
主  催:愛知県美術館、 中京テレビ放送
監  修:小瀧千佐子
特別協力:ウィリアム・ウェイン (コスチュームジュエリー研究家 イギリス、ロンドン)
学術協力:ディアンナ・ファルネッティ・チェーラ (コスチュームジュエリー研究家 イタリア、ミラノ)
協  力:chisa、株式会社世界文化社
企画協力:株式会社キュレイターズ
後  援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
問合せ先:愛知県美術館 TEL 052-971-5511(代)

チケット

⼀般 1,800(1,600)円 ⾼校・⼤学⽣1,200(1,000)円 中学⽣以下無料

※( )内は前売券および 20 名以上の団体料⾦。
※上記料⾦で本展会期中に限りコレクション展も見ることができる。
※⾝体障害者⼿帳、精神障害者保健福祉⼿帳、療育⼿帳(愛護⼿帳)、特定医療費受給者証(指定難病) のある人は各券種の半額で見ることができる。また付き添いの人は各種⼿帳(「第1種」もしくは「1級」)または特定医療費受給者証(指定難病)のある場合1名まで各券種の半額で観覧できる。当⽇会場で各種⼿帳(ミライロ ID可)または特定医療費受給者証(指定難病) を提⽰する。付き添いの人は申し出る。
※学⽣の⽅は当⽇会場で学⽣証を提⽰する。

シャネル《ネックレス “ビザンチンクロス ” 》(制作: ロベール・ゴッサンス) 1960年頃 、 ガラスビーズ、メタル、 小瀧千佐子蔵

見どころ

コスチュームジュエリーを取り上げた、日本初の展覧会
 コスチュームジュエリーの研究家・コレクターである小瀧千佐子氏が、長い年月をかけて収集したコスチュームジュエリーを展示する。

 その数は約 450点に上り、世界的にも希少なコレクションとなる。近年、日本ではファッションに関する展覧会が頻繁に開催されるようになったが、その多くはドレスが主役。コスチュームジュエリーに焦点を当て、包括的に紹介する展覧会は今回が日本初であり、 1点もの、あるいはごく少数しか制作されなかったコスチュームジュエリーが一堂に会す貴重な機会である。

 シャネルやディオール、イヴ・サンローランなどよく 知られているフランスのオートクチュールのファッションデザイナーから、サルバドール・ダリやマン・レイなどシュルレアリストと親交を結んだエルザ・スキャパレッリ、日本で初めて紹介されるジュエリー・デザイナー、コッポラ・エ・トッポやリーン・ヴォートランなどによる、見ごたえのあるジュエリーが数多く展示される。

スキャパレッリ 《ネックレス “葉 ” 》(デザイン/ 制作: ジャン・クレモン) 1937年頃 、 クリアエナメル彩メタル、メタルメッシュ、 個人蔵


パリのオートクチュールからヨーロッパ、アメリカまで、コスチュームジュエリーの歴史的展開を辿る
 コスチュームジュエリーの歴史は、20世紀初頭にパリのファッションデザイナーであるポール・ポワレが先駆けとなり、その後、シャネルやスキャパレッリ、ディオールなど、名だたるオートクチュールのデザイナーたちが取り入れたことに始まった。

 やがて需要が高まると、ヨーロッパ各地でコスチュームジュエリーの制作を専門にする工房が生まれ、職人の高度な技術がジュエリーの美しいデザインを支えた。

 そして戦後、プレタポルテや大量生産の既製服といったマスプロダクションのファッションが主流となり、より量産体制を確立した米国で、コス チュームジュエリーは広く普及する。ヨーロッパとは異なり宝飾文化がなかった米国では大変ユニークなデザインが数多く誕生した。

 衣服に加え、コスチュームジュエリーの登場によって、各々、より自由にスタイルを選択できるようになった歴史から、ファッションは自己を豊かに表現するため重要な手段であるというメッセージを読み取ることができる。

コッポラ ・エ・トッポ 《チョーカー “花火 ” 》(デザイン:リダ・コッポラ、 制作: コッポラ・エ・トッポ) 1968年 、クリスタルガラス、ガラスビーズ、ワイヤー、メタル、 小瀧千佐子蔵

ドレスや香水瓶、ファッション雑誌など、愛知県美術館限定の出品作品
 本展は昨年12月に東京のパナソニック汐留美術館から始まった巡回展(その後、京都、愛知、宇都宮、北海道に巡回)。

 愛知県美術館では、広い展示スペースを活かして、コスチュームジュエリーのほかに、ポール・ポワレ、シャネルやディオール、イヴ・サンローランなどのドレスやスーツを展示。ドレスに合わせてコーディネートしたコスチュームジュエリーをともに展示する試みも見どころの一つである。

 さらに、香水瓶やファッション雑誌、ファッションプレート(ファッション雑誌などの挿絵・図版)といった充実した関連資料を通して、コスチュームジュエリーやそのデザイナーを多角的に紹介する。

ディオール《ネックレス、イヤリング》(デザイン:ロジェ・ジャン=ピエール、制作:ミッチェル・メイヤー) 1954年頃 、ラインストーン、模造パール、メタル、 小瀧千佐子蔵

関連イベント

記念講演会①「コスチュームジュエリー 美の変革者たち―シャネル 、ディオール、スキャパレッリ 」
[日時]5月18日(土) 13:30-15:00(13:00開場)
[講師]小瀧千佐子(本展監修者、コスチュームジュエリー研究家)
[会場]アートスペースA(愛知芸術文化センター 12階)
[定員]180名
※聴講無料(ただし本展の観覧券が必要)。
※事前申込不要。

 小瀧千佐子 ムラーノガラス、ヴェネチアンビーズ、コスチュームジュエリーの研究家・コレクター、コレクター歴は約40年。 1983年日本で初めてムラーノガラスの専門店をオープン。2014年、東京の北参道にてクリエイティブディレクターをつとめるショップ・ブランド「chisa」をスタート、美しい文化とともに暮らすライフスタイルを提案する。コレクションによる展覧会の監修は、「ヴェネツィアンビーズとコスチュームジュエリー展」(2005年、全国巡回)、「小瀧千佐子コレクション 旅するヴェネチアンビーズ」(2015年、町田市立博物館)など多数。著書に『別冊太陽 ヴェネツィアンビーズ』(2001年、平凡社)、テレビ出演にNHK「美の壺」(2011年)など。

リーン・ ヴォートラン 《ブローチ》(デザイン/制作:リーン・ヴォートラン) 1948年頃 、エナメル彩、金色ブロンズ、 個人蔵

記念講演会②「シャネルの好敵手 エルザ・スキャパレッリ―ファッション/アート/哲学」
[日時]6月1日(土)13:30-15:00(13:00開場)
[講師]森美樹(愛知県美術館主任学芸員)
[会場]アートスペースA(愛知芸術文化センター 12階)
[定員]180名
※聴講無料(ただし本展の観覧券が必要)
※事前申込不要

ワークショップ「ヴェネチアンガラスのネックレス」
 本展監修者小瀧千佐子氏が主宰するセレクトショップ「chisa」より、ヴェネチアンガ ラスのビーズでオリジナルのネックレスを制作。
①5月19日(日)11:00-
②5月19日(日)14:00-
[講師]小瀧千佐子(本展監修者、コスチュームジュエリー研究家)
[会場]アートスペースEF(愛知芸術文化センター 12階)
[定員]各回30名
※参加料:材料費として①5,000円、②10,000円を当日支払う。
※要事前申込。

ロジェ・ ジャン =ピエール 《クリップ》(デザイン/制作:ロジェ・ジャン=ピエール) 1960年代 、クリスタルガラス、メタル、 小瀧千佐子蔵

スライドトーク(学芸員による展示説明会)
[日時]5月12日(日)11:00-11:40、5月28日(火)13:30-14:10、5月31日(金)18:30-19:10、6月8日(土)11:00-11:40
[会場]アートスペースEF(愛知芸術文化センター12階)
[定員]各回先着60名
※申込不要・聴講無料。開始時刻に会場に集まる。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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