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1997年・ICCでの荒川修作ヴィデオ・インタビューを公開(聞き手・平芳幸浩さん)

  • 2020年9月8日
  • 2020年9月8日
  • 美術

『Distraction Series』第11号より

 荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所Reversible Destiny Foundationが、荒川+ギンズが創造したさまざまな哲学、プロジェクトを共有しようと配信を始めた隔週のニューズレター『Distraction Series』の第11弾で、1997年、東京・初台のNTT InterCommunication Center (ICC)で収録された荒川修作ヴィデオ・インタビューを、日・英語字幕付きで紹介した。

 ICCがオープン・ヴィデオ・アーカイブとして、WEBサイトで一般公開したシリーズ・インタビューの2回目として、荒川の当時の発言が記録、保存された。 日本語、英語の両方で書き起こされ、全文はReversible Destiny Foundationと荒川+ギンズ東京事務所のWEBサイトからPDFとしてダウンロードできる。

 インタビューをしたのは、元・国立国際美術館主任研究員の平芳幸浩さん(現・京都工芸繊維大学教授)。荒川は約30分のインタビューで、建築的身体のコンセプトについて語り、人工的自然、文明と建築、コンピューターとアートの関係などにも、独特の哲学的トーンで言及した。荒川の制作へのアプローチ、多様な分野への考えを伝えるとともに、1990年代末という時代に荒川というアーティストがどんな視線を注いでいたかが分かるインタビューである。

 翌1998年には、ICCが企画した展覧会「新しい日本の風景を建築し、常識を変え、日常の生活空間を創りだすために 荒川修作/マドリン・ギンズ (The City as the Art Form of the Next Millennium ARAKAWA/GINS)」が開催された。筆者も、新聞記者時代に名古屋から取材に訪れた展示である。当時のICC、そして、荒川展は大変な熱気に包まれていた印象が残っている。

 同展では、宿命反転都市の大型模型、コンピューター・グラフィックスによる壮大な計画案、体験型インスタレーションなどを通して、荒川がインタビューで語った新しい文明を創造するための絵画から建築への移行や、その後の都市計画のヴィジョンが紹介された。

 展覧会開催中には、荒川ギンズによる実験映画「Why Not (a Serenade of Eschatological Ecology) 」(1969年、110分)と「For Example (A Critique of Never)—A Melodrama」(1971年、95分)の上映会、講演会、荒川と建築家磯崎新によるシンポジウムなど、多岐にわたる関連プログラムが行われた。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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