2020年11月11日の中日新聞夕刊によると、2022年に開催予定の次回の「あいちトリエンナーレ」について検討していた組織委員会(大林剛郎会長)が、名称を国際芸術祭「あいち2022」に変更する。また、芸術監督は、森美術館(東京・六本木)館長の片岡真実さんに決まった。
片岡さんは初の女性の芸術監督。名古屋市生まれ、愛知教育大学美術科卒業で、愛知県との縁も深い。 ニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館。2020年より同館館長。 国際美術館会議(CIMAM)の会長も務める。
新・国際芸術祭(仮称)のWEBサイトによると、選任理由は次の通り。
・国際的なキュレーター、ディレクターとして豊富な経験と実績を有しており、国際水準の芸術祭が期待できること。
・国内外で美術関係を中心とした豊富なネットワークを有しており、コロナ禍においても国内を拠点としつつ、2022年に向けて国際芸術祭の開催準備ができること。
・館長などの重責を担っており、適切かつ柔軟な組織運営を行うことができること。
・愛知県出身で、地域の状況を把握しており、地域特性を活かした「あいち」の魅力向上・発信が期待できること。
・初めての女性監督であり、新たな視点による芸術祭が期待できること。
片岡さんは、 2007~2009年は、ヘイワード・ギャラリー(英国ロンドン)で、インターナショナル・キュレーターを兼務。韓国の第9回光州ビエンナーレ(2012年)共同芸術監督、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)。
2014年から国際美術館会議(CIMAM)理事を務め、2020年から会長。
また、文化庁アートプラットフォーム事業・日本現代アート委員会座長、第7期東京芸術文化評議会評議員、美術評論家連盟(AICA)会員。京都芸術大学大学院客員教授、東京藝術大学客員教授。
中日新聞によると、2019年に開催したあいちトリエンナーレが、「表現の不自由展・その後」を巡って混乱。「トリエンナーレ」の名称を避けることで刷新を図る。
中日新聞によると、海外では従来の名称が広がっていることから、英語名は「トリエンナーレ」の表記を残す方向だという。
2019年のあいちトリエンナーレの芸術監督は、ジャーナリストの津田大介さん。企画展の「表現の不自由展・その後」で展示された元慰安婦を象徴する少女像や、昭和天皇の肖像を燃やすシーンのある映像作品に抗議が殺到。一時中止に追い込まれた。