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あいちトリエンナーレ さらに9組が展示辞退

 2019年8月12日付の「ARTnews」(web) のオープン・レターと、8月14日配信の「美術手帖」(web)、8月14日夕刊、15日朝刊の中日新聞、朝日新聞などによると、ウーゴ・ロンディノーネ、タニア・ブルゲラ、ピア・カミル、クラウディア・マルティネス・ガライ、レジーナ・ホセ・ガリンド、ハビエル・テジェス、モニカ・メイヤー、レニエール・レイバ・ノボ、ドラ・ガルシアの9作家がキュレーターの1人、ペドロ・レイエスとともに、「表現の不自由展・その後」の中止に抗議し、展示作品の一時的な取り下げを主催者に申し出た。
 既に展示が中止となった韓国の2作家、イム・ミヌクとパク・チャンキョン、米国の非営利報道機関・CIR(調査報道センター)の3組を加え、辞退は12人(組)のアーティストと1人のキュレーターに拡大した。また、トリエンナーレの企画アドバイザーを務める批評家、思想家の東浩紀さんが、展示辞退者が相次ぐ中、自身のTwitterで辞任の意向を表明。事態は一層、混迷を深めている。
 オープン・レターによる声明では、「表現の自由を擁護する」と題し、「表現の不自由展・その後」の閉鎖決定を非難。河村たかし名古屋市長、菅義偉官房長官の発言、匿名電話による嫌がらせや脅迫のファクスを表現の自由に対する攻撃だとした上で、スタッフと鑑賞者の安全を確保した上での再開を要求している。また、アーティストの声や作品を守ることは倫理的な義務で、表現の自由は、どんな文脈からも独立して擁護される必要がある不可侵の権利だとしている。
 その上で、トリエンナーレの主催者が、参加アーティストやキュレーターと議論することなく「表現の不自由展・その後」を閉鎖したことに疑問を呈し、アーティストの権利を守り、表現の自由を守ることは主催者の責務だと強調。「表現の不自由展・その後」が公開されていない期間中、連帯の意味を込めて、自分たちの作品の展示を中止するよう主催者に要求した。
 中日新聞によると、実行委は展示継続を目指し、作家側と協議を続けている。
 一方、東さんは、辞任理由として、津田芸術監督に、謝罪をした上で対策について市民や出展者を交えた議論すること、混乱の責任を取って芸術監督を辞任し、他のキュレイターと協力関係を築くことなどを提案したが、受け入れられなかったことを挙げ、「アドバイザーとして職務を果たすのが困難な状況になった」と説明している。東さんは、海外のアーティストが主張する表現の自由と、展示作品のイデオロギーを嫌悪する市民感情とのねじれを作った責任は、津田芸術監督にあるとし、慰安婦を象徴する少女像を巡る政治問題化と、市民への説明不足を解きほぐし、「表現の自由は守る」と、作家を説得しなければならないとしている。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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