2019年8月3日の朝日新聞、中日新聞などによると、愛知県で開催中の「あいちトリエンナーレ2019」の国際現代美術展内の企画展示「表現の不自由展・その後」に対して、名古屋市の河村たかし市長が展示作品の一つ、従軍慰安婦を象徴する少女像の展示中止を含めた適切な対応を求める抗議文を大村秀章愛知県知事に出すなど、混乱が起きている。
両紙などによると抗議文は「日本国民の心を踏みにじる行為で、行政の立場を超えた展示が行われている」などとしている。少女像は、韓国人彫刻家、キム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻が慰安婦を象徴的に表現した「平和の少女像」で、過去の美術展などでの撤去作品20数点とともに特集展示されている。トリエンナーレの開幕から2日間で、主催者に電話400件以上、メール500件以上が届き、多くは批判、抗議だという。
トリエンナーレの芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介さんは2日に緊急の記者会見をし、「表現の自由を巡る状況を議論するための問題提起」「(行政に認められない表現が展示されないとなれば)憲法21条の『検閲』にあたる」とする一方で、「内容の変更を含めた対処を考えている」などと語った。批判、抗議の電話が止まらず、テロ予告や脅迫じみたものもあるという。津田さんは政治問題化しつつあることについては「僕の意図から外れている」と述べたという。
中日新聞によると、河村市長は「表現の自由は相手を傷つけないことが絶対(条件)」「十億円も税金を使った場所で展示し、あたかも公的にやっているように見える」と話した。同紙によると、12億円の運営費のうち、名古屋市は2億円を負担している。文化庁の補助事業にも採択され、国からも県に本年度末に約7800万円が交付されることになっており、菅義偉官房長官も2日の会見で慎重に対応する考えを示したという。