愛知県芸術劇場が新しい作品を募集
愛知県芸術劇場が、若手アーティストの実験的な作品によって、文化芸術の発信や人材育成を目指す公募プログラム「AICHI NEXT:Performing Arts Project」をスタートさせる。新しい才能、人材を発掘し、小ホールや大リハーサル室、愛知芸術文化センター内オープンスペースでの公演を通して、複合文化施設であるセンターの活性化を図る。
採択プログラムには、会場使用料の免除だけでなく、作品制作費の支援などのサポートがある。若い世代のアーティストを中心に、領域を横断した実験的な作品、アーティストの視点による地域資源の発掘、魅力発見など、ユニークかつ新規性のあるプログラムを募集する。
同劇場は、2015年から約9 年間にわたり、公立劇場で上演の機会の少ない先駆的で実験的なパフォーマンス群「ミニセレ」(ミニシアター・セレクション)を小ホールで上演してきた。
時代に合わせ、「ミニセレ」をさらに発展させるため、領域を超えた新しいパフォーマンスに出合う機会を拡充する。
「Advance stage」と「Challenge stage」
プロジェクトは「Advance stage」と「Challenge stage」の2 種類を用意。
「Advance stage」は活動実績がおおね3年以上あり、過去に1作品以上の上演経験を有するアーティストが対象。8月に愛知県芸術劇場小ホール、10月に愛知県芸術劇場大リハーサル室で上演する。
「Challenge stage」は東海4 県にゆかりのあるアーティストを募集し、8 月に愛知芸術文化センターのオープンスペースで上演する。
募集期間は2024年12月10日から2025年2月1日(必着)。
唐津絵理芸術監督より
ⒸAtsuko Chiba
AICHI NEXT: Performing Arts Project に寄せて
若手アーティストの発掘と育成を目的とした「AICHI NEXT: Performing Arts Project」は、昨今、様々な公立劇場でも行われておりますが、多くが提携事業としての位置づけであるため、アーティストへのサポートは、会場使用料の負担軽減など、内容も限定的です。しかし、作品を上演するためには、創作過程において多くの経費や業務が発生しますので、自主公演を開催する場合、アーティストへの負担が大きい現状です。
そこで本プロジェクトでは、制作にかかる経費の負担を軽減するために制作費のサポートを行います。加えて、広報や当日運営、舞台技術のアドバイスなど、専門人材によるサポートも取り入れることで、本格的な公演の機会を創出します。これにより、フリーランスの若いアーティストやクリエイティブスタッフにとって、より健全な創作および上演環境の整備に取り組んでいきたいと考えています。
また、愛知芸術文化センターが立地している栄地区は名古屋の繁華街ではありますが、観光客や地域市民をはじめとした賑わい創出は常に課題です。「AICHI NEXT: Performing Arts Project」では、いわゆる劇場空間だけではなく、オープンスペースを活用した取り組みも募集いたします。そのことによって、賑わいを作り出す一方で、これらの挑戦的なパフォーマンスをより多くの方にも無料で観ていただく機会を創出します。まちづくりの方針として公共空間の利活用が掲げられている今、本プログラムはその先行例になるよう取り組んでまいります。