愛知出身の新国立劇場バレエ団プリンシパル、米沢唯が現代美術家、音楽家らと創作するダンス公演
名古屋・栄の愛知県芸術劇場小ホールで2023年3月11、12日午後2時から、「DaBY ダンスプロジェクト 鈴木竜 × 大巻伸嗣 × evala『Rain』」が上演される。
2021年に初演し、2022年の全国7会場での再演ツアーで好評を得た「ダンスの系譜学」と「鈴木竜トリプルビル」に続く愛知県芸術劇場、Dance Base Yokohama(DaBY)の連携プロジェク トの続編。
DaBYアソシエイトコレオグラファーの鈴木竜が演出・振付、現代美術作家の大巻伸嗣が美術を手掛け、創作を開始。その後、音楽家のevalaの参加も決まった。
evalaは、立体音響システムを駆使した独自の“空間的作曲”によって、聴覚体験の新しい可能性をひらく作品を発表。作曲のみならず、音響システムを含めた総合的なサウンドディレクションに取り組む。
舞台美術は、“影を物質として捉えること”を試み、空間における影(黒)の質量と空間との関係を可視化させることで観賞者が圧力や重力を体験する作品「LiminalAir-BlackWeight」(2012年発表)を原案とする。
原作:サマセット・モーム『雨』
英国の小説家・劇作家サマセット・モーム(William Somerset Maugham/1874-1965年)によって、1921年に発表された短編小説。
感染症で南の島に閉じ込められた医師と宣教師夫妻らが宿泊先で出会ったのは、品性下劣で信仰心の ない一人の女性だった。
雨が降りしきる閉鎖空間で過ごす中、それぞれの人物の価値観の違いから生まれる心情や軋轢、予想外の結末が描かれる。
公演概要・チケット
名称:愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama DaBYダンスプロジェクト 鈴木竜×大巻伸嗣×evala『Rain』
日程:2023年3月11日(土)、12日(日) 各日14:00開演(13:30開場)
会場:愛知県芸術劇場小ホール
料金:全席自由(税込) 一般: 5,000円 / U25: 3,000 円
※U25は公演日に25歳以下対象(要証明書)
※3歳以下入場不可
※車椅子で来場予定の場合は劇場事務局(TEL052-211-7552/ contact@aaf.or.jp )まで連絡
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◎愛知芸術文化センタープレイガイド(地下2階)
TEL 052-972-0430 / 平日 10:00-19:00 土日祝休10:00-18:00(月曜定休/祝休日の場合は翌平日)
プロフィール
鈴木竜
【演出・振付】鈴木竜(C)Takayuki Abe
Dance Base Yokohamaアソシエイトコレオグラファー。横浜に生まれ、英国ランベール・スクールで学ぶ。
アクラム・カーン、シディ・ラルビ・シェルカウイ、フィリップ・デュクフレ、インバル・ピント/アブシャロム・ポラック、エラ・ホチルド、平山素子、近藤良平、小㞍健太など国内外の作家による作品に多数出演。
振付家としても、横浜ダンスコレクション2017コンペティションIで「若手振付家のためのフランス大使館賞」などを史上初のトリプル受賞するなど注目を集めている。
DaBYでは、2020年度にはDaBYコレクティブダンスプロジェクトに取り組む。また、2021年に『When will we ever learn?』『never thought it would』『Proxy』を創作し、愛知県芸術劇場で初演、KAAT神奈川芸術劇場で再演。2022年度に国内外での再演を予定している。
米沢唯
【出演者】米沢唯(C)Kenji Azumi
愛知県出身。2010年にソリストとして新国立劇場バレエ団に入団。2011年ビントレー『パゴダの王子』で主役デビュー。2013年プリンシパルに昇格。
2004年ヴァルナ国際バレエコンクールジュニア部門金賞、2006年ジャクソン国際バレエコンクールシニア部門銅賞など。2014年中川鋭之助賞、2017年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2018年舞踊批評家協会新人賞、2019年愛知県芸術文化選奨文化賞、2020年芸術選奨文部科学大臣賞、橘秋子賞優秀賞受賞。
愛知県芸術劇場プロデュース作品としては、2004年ダンスオペラ2『青ひげ公の城』、『戸外にて』(振付:アレッシオ・シルヴェストリン)、2005年ダンスオペラ3『UZME』(振付:笠井叡)に参加。2005年「あいちダンスフェスティバル」では、大島早紀子作品『ユークロニア』にクリエイションから参加し、初演に出演した。
大巻伸嗣
【美術】大巻伸嗣(C)paul barbera / where they create
岐阜県出身。「存在」とは何かをテーマに制作活動を展開する。環境や他者といった外界と、記憶や意識などの内界、その境界である身体の関係性を探り、三者の間で揺れ動く、曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試みる。
主な個展に、「存在のざわめき」(関渡美術館/台北, 2020)、「まなざしのゆくえ」(ちひろ美術館, 2018)、「Liminal Air Fluctuation – existence」(Hermèsセーヴル店/パリ, 2015)、「MOMENT AND ETERNITY」(Third Floor – Hermes/シンガポール,2012)、「存在の証明」(箱根彫刻の森美術館, 2012)、「ECHOES-INFINITY」(資生堂ギャラリー, 2005)。あいちトリエンナーレ(2016)、越後妻有アートトリエンナーレ(2014~)、アジアンパシフィックトリエンナーレ(2009)、横浜トリエンナーレ(2008)などの国際展にも多数参加。
近年は「freeplus×HEBE×Shinji Ohmaki」(興業太古匯/上海, 2019)、横浜ダンスコレクション「Futuristic Space」(横浜赤レンガ倉庫, 2019)、「Louis Vuitton2016 – 17FW PARIS MENʼS
COLLECTION」(アンドレシトロエン公園/パリ, 2016)などでも作品を発表する。
evala
【音楽】evala(C) Susumu Kunisaki
音楽家、サウンドアーティスト。新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」主宰。
立体音響システムを駆使し、独自の“空間的作曲”によって先鋭的な作品を国内外で発表。2020年、完全な暗闇の中で体験する音だけの映画、インビジブル・シネマ『Sea, See, She – まだ見ぬ君へ』を世界初上映し、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞。2021年、空間音響アルバム『聴象発景 in Rittor Base ‒ HPL ver』が国際賞プリ・アルスエレクトロニカ栄誉賞受賞。
近作に、世界遺産・薬師寺を舞台にした『Alaya Crossing』(2022年)、『Inter-Scape 22』(東京都庭園美術館, 2022年)、『Haze』(十和田市現代美術館,2020年)、SONY Sonic Surf VRを用いた576ch音響インスタレーション『Acoustic Vessel Odyssey』(SXSW, Austin 2018年)、『Our Muse』 (ACC,Gwangju Korea,2018年)、『大きな耳を持ったキツネ』(Sonar+D, Barcelona2017年)など。https://evala.jp https://seebyyourears.jp