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愛知県芸術劇場が2025年度自主事業ラインナップを発表

新規の公募プログラムなど多彩な事業を展開

 愛知県芸術劇場が、2025年度の自主事業ラインナップを発表した。

 前半には、ダンスとアニメーションが融合した舞台作品『ジャングル・ブック』を上演する。演出・振付は、英国ロンドン五輪のオープニングで振付を手掛けたアクラム・カーンである。

アクラム・カーン『ジャングル・ブック』(C)Ambra Vernuccio

 また、新規プログラムとして、若手アーティストの発掘と育成を目指した公募プログラム「AICHI NEXT:Performing Arts Project」をスタートさせる。既存の領域を横断した斬新な作品や、新たな発想で取り組んでいるパフォーマンスなどを募集し、劇場のサポートにより上演の機会を創出する。

ダンス兼演劇作品『ダンスの審査員のダンス』岡田利規×酒井はな「瀕死の白鳥 その死の真相」(2021年)より(C)Naoshi HATORI

鑑賞公演・イベント

日程   事業名会場          概要
4.29(火/祝)愛知県芸術劇場オープンハウス大ホール・小ホール劇場を一日無料開放して、舞台や客席、ビュッフェ等、本格的なバレエやオペラが上演可能な日本初の本格的なオペラシアターを自由に見学いただけます。
5.2(金)、3(土/祝)THE オルガンNIGHT&DAY 2025 コンサートホール「短めのプログラム」、「出かけやすい時間」、「ワンコイン」と、“手軽さ“を追求した10年以上続くパイプオルガンのコンサート。今回はクラシックやジャズなど、多彩なレパートリーと音楽知識に定評のあるオルガニスト山口綾規が出演し、耳馴染みのある名曲や、子どもに人気の曲を演奏します。
5.25(日)、26(月)赤ちゃんと踊ろう大リハーサル室赤ちゃんと一緒に踊りながら、パパ・ママ同士も交流できるダンスワークショップ。抱っこやおんぶをしながらリズムに合わせて踊ったり、ストレッチしたりして、身体も心もリフレッシュできます。
6.28(土)アクラム・カーン『ジャングル・ブック』大ホールロンドン五輪開会式(2012年)で振付を担った世界的振付家アクラム・カーンによるアニメーション×ダンスの公演。人間と動物、気候変動、生き物の多様性など、子どもから大人まで世代を超えて感じ取っていただきたいメッセージの詰まった作品です。
7.10(木)、12(土)ヒューストン・バレエ「オープニング・ガラ」「ジゼル」大ホール2022年に待望の初来日を果たしたバレエカンパニーが愛知に初登場します。豊富なレパートリーの中から、半世紀以上にわたり培われてきた創設期の作品を上演。名古屋出身でバレエ団のトップバレエ・ダンサーの加治屋百合子も出演します。
7.23(水)、24(木)CLUB ORIGAMI(クラブ オリガミ)小ホール ※県内ツアーあり子どもから大人までが楽しめる折り紙をモチーフにした参加型パフォーマンス。巨大な紙を使って、丸めたり、ビリビリ破いたりしながら、ファッション・ダンス・生演奏が一体となったパフォーマンスをお楽しみください。当劇場をはじめ、県内の市町村劇場もツアーします。
7.26(土)東京二期会オペラ劇場『イオランタ/くるみ割り人形』字幕付言語(ロシア語)上演<新制作>大ホール1953年の発足以来、古典から現代に至るまで世界のオペラを上演し続けてきた東京二期会による公演。今回は、チャイコフスキーが手掛けたオペラと、バレエの傑作が融合した新しい舞台作品を上演します。
8.27(水)オルガン・レクチャーコンサートコンサートホール映像と解説を交えた初級者向けのコンサート。今回は、愛知県芸術劇場オルガニストの都築由理江が出演します。日頃から当劇場のオルガンの弾き込みや企画に携わる都築ならではの視点や知識を用いて、オルガンのことをもっと知りたい人に向けた演奏・解説を行います。
8.31(日)愛知4大オーケストラ・フェスティヴァル 2025「ブラームス 交響曲全曲演奏会」コンサートホール愛知室内オーケストラ、セントラル愛知交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団の愛知を拠点に活動する4団体が、当劇場コンサートホールに会するスペシャルコンサート。各音楽監督・芸術監督とともにブラームスの交響曲全曲を演奏します。
9.19(金)-21(日)ダンス兼演劇作品『ダンスの審査員のダンス』小ホール現代演劇の最前線に立ち、海外でも高い評価を受けている演劇作家の岡田利規が手掛ける演劇とダンスの新作。国内外で活躍する注目のダンサー、俳優、気鋭の音楽家や舞台美術家が加わったジャンルを越えたコラボレーションプロジェクトです。愛知県芸術劇場の唐津絵理が統括プロデューサーを務めます。
10.5(日)第46回中部バレエフェスティバル『眠れる森の美女』(全3幕プロローグ付き)大ホール古典バレエの名作を地元のバレエ団と創り上げるダンス公演。振付はバーミンガム・ロイヤル・バレエ団(英国)のソリストとして活躍した山本康介です。持ち前のエネルギッシュで豊富なアイデアを活かしながら、オーディションで選ばれたダンサーたちと舞台を創り上げます。
10.30(木)オルガン・アワーコンサート ホールパイプオルガン初級者から中級者へのステップアップにつながる、数々の名曲とともにオルガンの魅力を約1時 間でお届けするコンサート。演奏は、2024年に松本市音 楽文化ホールのホールオルガニストに就任した山田由 希子。数々の国際的なコンクールで入賞を果たし、ヨー ロッパやアジアの15か国以上で演奏会を行った実績あ るオルガン演奏を披露します。
11月愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohamaパフォーミングアーツ・ セレクション2025小ホールプロフェッショナルなダンス環境の整備とクリエイター育 成を行う「Dance Base Yokohama(DaBY)」と共同製作し た新作を上演。今回は、次世代を担う新進気鋭のダン スアーティストが新たな身体表現に挑んだ作品を発表します。
11.22(土)愛知県立芸術大学管弦楽団 第36回定期演奏会コンサート ホール東海地方唯一の公立芸術大学オーケストラによる定期 演奏会。指揮は、バルセロナ交響楽団音楽監督を務め た実績を持ち、現在は大阪フィルハーモニー交響楽団 桂冠指揮者、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモ ニー名誉指揮者の大植英次です。
12.19(金)-21(日)第22回AAF戯曲賞受賞記念公演 『とりで』小ホール上演を前提にしたAAF戯曲賞の受賞作品を舞台化。村 社祐太朗による「陸の孤島」と呼ばれる住宅地の空気と 家庭での会話が描かれる作品です。演出は名古屋の 小劇場を中心に活動する澄井葵と、演劇を広義に捉え た活動を各地で行う羽鳥嘉郎が務め、同戯曲賞公演と しては初めて、2人の演出家が異なる視点でそれぞれ 作品を演出します。
12.24(水)、25(木)クリスマスはオルガンだ!2025コンサート ホール華やかな冬の音楽と本格的なクラシックを堪能いただ けるコンサート。東京芸術劇場のオルガニストとして約 30年にわたりオルガン本来の魅力が伝わる音楽を紹介 することに注力し、現在は同劇場でオルガン・アドバイ ザーを務める小林英之が演奏します。奏者の手元や足 元を大型スクリーンに投影する演出にもご注目ください。
2026.2.7(土)藤原歌劇団公演 プッチーニ作曲『妖精ヴィッリ』 (オペラ全2幕)
マスカーニ作曲 『カヴァレリア・ルスティ カーナ』(オペラ全1幕) 〈字幕付き原語上演〉 ニュープロダクション
大ホール日本で最も歴史のあるオペラ団体の愛知公演。今回は、2人のイタリアの作曲家によるオペラを上演します。 演目はプッチーニが初めて作曲したオペラで、1986年に 藤原歌劇団が日本初演した『妖精ヴィッリ』と、マスカーニが作曲したヴェリズモ・オペラ(庶民の日常生活で起こる事件等をテーマとしたオペラ)の代表作とも言える『カヴァレリア・ルスティカーナ』をダブル・ビルでお届けします。
3.7(土)ピアノ・ツィルクス~5台ピアノの世界 in 愛知県芸術劇場コンサート ホールスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハのフル・コン サート・グランドピアノ計5台がステージ上に並ぶコン サート。白石光隆と田村緑、中川賢一、デュエットゥかなえ&ゆかりという手練れのピアニストたちがフル・オーケ ストラを凌駕するほどの轟音と美しく繊細な音色を奏でます。
3.25(水)META XENAKIS- PSAPPHA 加藤訓子(パーカッション)× 中村恩恵(ダンス)小ホール愛知県出身の加藤訓子(パーカッション)と、中村恩恵 (ダンス)が現代音楽の作曲家クセナキスの初期打楽 器ソロ作品「PSAPPHA(プサッファ)」に挑みます。古代ギリシアの女性詩人サッフォーの視点から生まれる感 情や経験から着想を得た2名の女性アーティストが創り 上げる音楽の情景に詩的叙事詩、身体が交錯する世 界をお楽しみください。

META XENAKIS – PSAPPHA 加藤訓子(パーカッション)(C)Michiyuki Ohba

新規の公募型プロジェクト

日程   事業名会場          概要
8.15(金)、16(土)公募プログラムAICHI NEXT: Performing Arts Project
「Challenge stage」&
「Advance stage」
オープン
スペース・小ホール
新しい人材・才能を公募により発掘し、舞台作品を上演する実演団体やアーティストを支援するプロジェクト。「Challenge stage」では、東海圏にゆかりのある若手アーティストが愛知芸術文化センターのオープンスペースで作品を、「Advance stage」では、全国から公募した次代を担うアーティストが当劇場小ホールにて作品を上演します。
10.25(土)、26(日)公募プログラムAICHI NEXT: Performing Arts Project
「Advance stage」
大リハーサル室新しい人材・才能を公募により発掘し、実演団体やアーティストを支援するプロジェクト。全国から公募した次代を担うアーティストが当劇場大リハーサル室にて作品を上演します。夏の「Advance stage」とは異なるアーティストによる公演にご期待ください。

劇場と子ども7万人プロジェクト

 日程 事業名 会場      概要
11.12(水)愛知県芸術劇場 舞台芸術鑑賞教室 2025 絵本×朗読×パイプオルガン『終わらない夜』コンサート
ホール
カナダのトリックアート画家が手がけた絵本をもとに、当劇場が創作したオルガンプログラム。絵本を映像投影しながら、本コンサートのために作曲されたオリジナルのオルガン曲を中心にお届けする1時間のコンサート。演奏は国内で広く活躍する勝山雅世、朗読は女優の藤井咲有里です。
2026.1.28(水)愛知県芸術劇場舞台芸術鑑賞教室
2025 ニッセイ名作シリーズ 2025
舞台版『せかいいちのねこ』
大ホール画家ヒグチユウコの心温まる絵本を舞台化。本物の猫になりたいと願うぬいぐるみが、旅先で出会う猫たちの優しさに触れながら幸せを見つけます。表情豊かな人形とダンサーたちが、絵本の優しく切ない世界を描きます。

<劇場と子ども7万人プロジェクト>
 愛知県内には、1学年あたり約7万人の子どもたちがいます。子どもたちが一生に一度は劇場を訪れてくれることを目指し、2015年度から「劇場と子ども7万人プロジェクト」を市町村と連携して進めています。地域の将来を担う子どもたちを劇場に招待し、質の高い舞台芸術に触れてもらうことによって、子どもたちの豊かで健やかな心を育てることを目的としています。

愛知県芸術劇場舞台芸術鑑賞教室2025 ニッセイ名作シリーズ 2025 舞台版『せかいいちのねこ』(C)三枝近志

プロデュース作品を広く届けるための公演

日程   事業名会場            概要
4.26(土)、27(日)高槻城公園芸術文化劇場×愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション2025 in Takatsuki高槻城公園
芸術文化
劇場
国際的に活躍するアーティストが社会に問いかけ、身体表現の新たな可能性に挑むダンスプログラム。岡田利規(演出)と酒井はな(ダンス)が、古典バレエの名作『ジゼル』をYouTuberとして披露する作品と、島地保武(ダンス)と環ROY(ラップ)による「哲学的コント」とも呼べる作品を再演します。

唐津絵理芸術監督より

 4月より愛知県芸術劇場の芸術監督に就任しました唐津絵理です。愛知県芸術劇場は気軽に足を運べる「県民の広場」でありたい。そしてまた「世界への窓」として、多様な世界への入口でありたいと思っています。
 現代社会のなかで、インターネットやテクノロジーが発達し、いとも簡単に世界各地とつながることができるように感じられますが、実感をもって自分の身体を感じること、肯定感をもって生を実感できる機会は少なくなっているように感じています。演じる者と観る者が、同じ場所、時間を共有することで、リアルに交流することのできる舞台芸術は、生への実感をリアルに感じることのできる、今だからこそ大切な空間であると考えています。
 2025年度前半のプログラムとしてまずご紹介するのは、ダンスとアニメーションが融合した『ジャングル・ブック』です。ウォルト・ディズニーが最後に手がけたとされるこの著名なアニメーションが、子どもから大人まですべての人が楽しむことができる舞台作品になりました。演出・振付を手掛けたのは、ロンドン・オリンピックのオープニングで振付を手掛けたアクラム・カーンです。エンターテインメントとアートが融合したこの作品は、ひとりでも多くの皆さまに来ていただきたいと考えている愛知県芸術劇場のこれからを象徴する作品のひとつです。
 また、新規プログラムとして、若手アーティストの発掘と育成を目指した公募プログラム「AICHI NEXT:Performing Arts Project」をスタートします。既存の領域を横断した斬新な作品や、新たな発想で取り組んでいるパフォーマンスなどを募集、当劇場のサポートにより上演の機会を創出します。
 ほかにもたくさんの自主企画を予定していますが、従来からの18歳以下無料の公演を増やすだけでなく、気軽に参加いただける無料企画、アクセシビリティを高めるための字幕の導入など多様な方にお越しいただける工夫を行ってまいります。
 来年度も県民の皆さまの広場となるよう努めてまいります。愛知県芸術劇場へのご来場をお待ちしております。

過去年度のラインナップ

・2021年度の自主事業ラインナップはこちら
・2022年度の自主事業ラインナップはこちら
・2023年度の自主事業ラインナップはこちら
・2024年度の自主事業ラインナップはこちら

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