記事内に商品プロモーションを含む場合があります

第22回AAF戯曲賞 大賞に『とりで』(村社 祐太朗)、特別賞(2作品)に『往復する点P』(川辺恵)、『廃熱バイパス』 (近江就成)

大賞受賞作は2024年度以降に小ホールで上演

 愛知県芸術劇場が主催する第22回AAF戯曲賞の公開最終審査会が2023年1月28日、名古屋・栄の愛知芸術文化センター12階アートスペースEFで開かれ、大賞に『とりで』(村社祐太朗)、特別賞(2作品)に『往復する点P』(川辺恵)と『廃熱バイパス』(近江就成)を選んだ。

 大賞受賞作品『とりで』は、2024年度以降に同劇場プロデ ュース公演として、小ホールで上演する予定。

 91作品を岩渕貞太(ダンサー・振付家)、鈴 木みのり(作家・ライター)、立山ひろみ(演出家・「ニグリノーダ」主宰・宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター)、鳴海康平(演出家・「第七劇場」代表・Théâtre de Belleville 芸術監督)、羊屋白玉(演出家・劇作家・俳優・「指輪ホテル」芸術監督・ソーシャルワーカ ー)の 5人が審査した。

 審査員が全作品を読み終えた後、一次、二次、最終審査と3回の審査をした。最終審査では、ノミネートした5作品について観客の前で熱い議論を繰り広げた。

 AAF戯曲賞は、上演を前提とした戯曲賞。 次代を担う劇作家と後世に残すべき戯曲を発掘しようと、愛知県芸術劇場が2000年に始めた。2015年からは、「戯曲とは何か」というコンセプトを掲げ、演劇の可能性に挑戦している。

受賞者プロフィール

大賞 『とりで』村社祐太朗

 新聞家主宰。演劇作家。1991年、東京生まれ。作品の特異な上演様態は「読むこと」 そのものとも言われる。書くことや憶え繰り返すことを疎外せずに実現する上演を模索中。 2019-20年度公益財団法人セゾン文化財団セゾンフェローI。2020-22年度 THEATRE E9KYOTO アソシエイトアーティスト。

特別賞 『往復する点P』川辺恵

 高校時代、演劇部に所属し、「海恋し」で近畿優秀脚本賞を受賞。京都芸術大舞台芸術学科卒。「Time line の東」で第21回AAF戯曲賞一次通過。「ラブの餓鬼道」で第5回田畑実戯曲賞受賞。文学座附属演劇研究所所属。

特別賞 『廃熱バイパス』 近江就成

過去のAAF戯曲賞など関連記事

・「ヌトミック『ぼんやりブルース2022』愛知県芸術劇場小ホールで12月2、3日上演」
「第20回AAF 戯曲賞受賞記念公演『リンチ(戯曲)』愛知県芸術劇場小ホールで11月4-6日に上演」
「第21回AAF戯曲賞 大賞に守安久二子さん『鮭なら死んでるひよこたち』」
「第20回AAF戯曲賞受賞作品『リンチ(戯曲)』を読んでみる」
「第20回AAF戯曲賞『リンチ(戯曲)』羽鳥ヨダ嘉郎」
「AAF戯曲賞大賞作品『朽ちた蔓延る』愛知県芸術劇場で11月7~9日」
「第19回AAF戯曲賞は小野 晃太朗「ねー」 愛知県芸術劇場」
「『俺が代』『日本国憲法を踊る』の凄み—愛知県芸術劇場」

最新情報をチェックしよう!

ステージの最新記事8件

>文化とメディア—書くこと、伝えることについて

文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

CTR IMG