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⇒2023-2024年 主な展覧会 愛知(名古屋)、三重、岐阜、静岡、長野、石川、富山、滋賀の美術館・博物館(随時更新)
《愛知県美術館》
☆ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術 2022年1月22日〜3月13日
ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻によって、1967 年にデュッセルドルフで立ち上げられたフィッシャ ー・ギャラリーは、その類い稀な先見性と幅広い活動から、伝説的な存在として語り継がれている。本展では、近年デュッセルドルフのノルトライン゠ヴェストファーレン州立美術館に収蔵された、同ギャラリーが保 管していた貴重な作品や資料と、日本国内に所蔵される主要な作品を通じて、全 18 作家の活動から 1960-70 年代のミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを振り返る。
☆ミロ展—日本を夢見て 2022年4月29日〜7月3日
20世紀の最も偉大な芸術家のひとりとして知られるジョアン・ミロ(1893-1983)。自由な精神と生命の息吹にあふれた彼の芸術は、世界中の人々に愛されている。
この展覧会はミロの前半生に焦点をあて、バルセローナで最初の個展を開いた1918年から、彼の詩的な絵画世界がひとつの頂点に達した1940年代半ばまでの歩みをたどる。故郷カタルーニャの風土に育まれた彼の芸術は、1920年代パリの革新的な芸術環境の中で変貌し、スペイン内戦と第二次世界大戦という社会の激動に直面しながら、いっそう強く豊かに成長した。これまで日本では本格的に紹介される機会の少なかった前半生の作品群は、無垢な夢と喜びの世界として親しまれてきたミロの芸術に、より多様な側面があることを明らかにするだろう。カタルーニャの素朴な自然に向かい合うことによって生まれた、初期のみずみずしい作品群には、彼の創造の原点がある。モノクロームの色彩空間とわずかな形象によって想像力の世界を探究した1920年代末・1930年代の作品は、ヨーロッパ絵画の常識に敢然と挑戦するラディカルな反抗の精神をまざまざと示し、今日もなお新鮮な衝撃を与える。
出品される作品は、世界各地の多数の美術館と個人コレクションから集められた、油彩画、パステル、素描、コラージュ、版画など、総数約80点。
☆国際芸術祭「あいち2022」 2022年7月30日〜10月10日
☆ジブリパークとジブリ展 2022年10月29日~12月25日
2022年11月1日に、愛知県長久手市「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に、スタジオジブリの世界を表現した公園施設「ジブリパーク」が開園する。制作現場を指揮する宮崎吾朗監督は、「サツキとメイの家」や「三鷹の森ジブリ美術館」をてがけ、映画『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』などのアニメーション作品を生み出してきた。ジブリパークはアニメーションで描かれた世界を実際に自分の足で歩き、発見する場所。ジブリパークの開園を記念して、制作の舞台裏を垣間見られる展覧会を、ジブリパークの地・愛知県で開催する。
☆追悼 設楽知昭 2022年10月29日~12月25日
2021年3月に愛知県立芸術大学を退任後、7月に急逝した設楽知昭(1955-2021年)。人が世界を「見る」意味から問い直した作家の、自分の着衣や鏡に描いた作品、世界をドームに見立てた立体と絵画、約4×11mの《透明壁画》などを展示する。
☆展覧会 岡本太郎 2023年1月14日~3月14日
《太陽の塔》で知られる芸術家・岡本太郎(1911-1996)の大回顧展を開催する。1929年に渡仏した岡本太郎は、抽象表現に影響を受けながら画家としてのアイデンティティを確立していく。帰国後、自らの芸術理念の核となる「対極主義」を提唱。制作だけではなく『今日の芸術』、『日本の伝統』などの書籍を通じ文化・芸術論を展開する。《太陽の塔》を頂点とするパブリックな空間に展開する巨大な彫刻や壁画など生活の中で生きる作品群は、「芸術は大衆のものである」という岡本太郎の信念そのものを象徴し、それ故に没後もなお、多くの人々を惹き付けている。岡本太郎の代表作を網羅しつつ、これまであまり注目されてこなかった晩年の作品も紹介する。
☆愛知県美術館・豊田市美術館 同時期開催コレクション展 徳冨満──テーブルの上の宇宙 2023年1月14日〜3月14日
名古屋市に生まれた徳冨満(1966-2001年)は、知覚と認識のあいだのちょっとした ズレや、物のかたちと同一性をめぐる思索を、鮮やかな手つきで作品として提示したアーティストである。東京藝術大学を卒業後、愛知県新進芸術家海外留学奨学金を得て、英国ロンドンへ渡った徳冨は、当時アートシーンを賑わせていたYBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)からの刺激を受けた。その後、外界を目で見ることそのものをあらためて深く問い直し、身体的なスケール感覚と天文学的な距離や大きさの感覚を接続するなどして、独特な思考をかたちにするようになった。2000年に急性白血病の診断を受けて帰国。翌2001年、35歳の若さでこの世を去った。愛知県美術館と豊田市美術館は、2016年度から作家遺族が保管する作品の調査を進め、収蔵をした。「plus, minus, infinity」(小山登美夫ギャラリー、2006年)以来17年ぶりとなるこの度の回顧展では、両館が所蔵する全作品の展示を通じて、絵画、彫刻、インスタレーションと、短い活動期間にもかかわらず多彩な作品を生み出したアーティスト・徳冨満の全貌を紹介する。
《名古屋市美術館》
☆現代美術のポジション 2021-2022 2021年12月11日〜2022年2月6日
名古屋およびその近隣地域で活躍する作家を紹介し、当地方の現代美術を全国に向けて発信する展覧会として、1994年に「ポジション」は始まった。通算6回目となる今回は、東海3県出身または当地で芸術を学んだ作家のうち、個展やグループ展で発表を重ねてきた実績のある中堅作家および今後の活躍が期待される若手作家による代表作や意欲的な新作を展示する。美術系大学に恵まれたこの地域にどのような才能が集まり、いかにそれぞれの表現を模索し、高め、展開させているかを確かめられる貴重な機会。
☆ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント 2022年2月23日〜4月10日
20世紀初頭、ファン・ゴッホ作品の世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラー。ファン・ゴッホの芸術に深い精神性を見出し、情熱と理念をもって収集活動に打ち込んだヘレーネは、のちにクレラー=ミュラー美術館を設立し、作品を広く公開する夢を実現した。本展では、作品を通じて魂の交流ともいえる深い結びつきを得た画家と収集家の関係に焦点を当て、ファン・ゴッホの魅力に迫る。《夜のプロヴァンスの田舎道》(クレラー=ミュラー美術館蔵)が16年ぶりの来日となるほか、ファン・ゴッホ美術館から《黄色い家》などが特別出品。
☆布の庭にあそぶ 庄司達 2022年4月29日~6月26日
愛知県を拠点に50年以上活動を続ける作家・庄司達の個展。1968年、桜画廊で初個展を開催して以来、布を使った作品を数々発表してきた。デビュー作である〈白い布による空間〉シリーズ7点と〈Navigation〉に加え、〈Cloth Behind〉の新作を展示。 〈Navigation〉のシリーズから、「アーチ」「フライト」「レベル」の3種類すべてを一堂に展示するのは本展が初めて。美術館の壁や天井、床などに、白い布が寄り添うようにして生まれる空間は、まるで広々とした庭のように、人々が行きかい、安らげる場所となるはず。80歳を超えた今も新たな表現に挑戦し続ける庄司達の集大成となる。
☆ボテロ展 ふくよかな魔法 2022年7月16日〜9月25日
南米コロンビアの美術家、フェルナンド・ボテロ(1932年–)。彼の手にかかると、楽器や果物、さらにはあのモナ・リザさえも、ボリュームのある形になって現れる。その独特な形態や色彩は、さまざまな感覚を呼び起こし、見る人を惹きつけてやまない。日本では26年ぶりとなる今回の大規模な絵画展では、ボテロ監修のもと、初期から近年までの油彩・水彩・素描など70点を紹介。いまも制作を続ける彼の画業をたどる。
☆「クマのプーさん」展 2022年10月8日〜11月27日
『クマのプーさん』は、1926年に英国人作家のA. A. ミルンが描いた子ども向けの話。少年クリストファー・ロビンのクマのぬいぐるみプーと仲間たちが過ごす日常が、E. H. シェパードの挿画を交えて綴られている。展覧会は、シェパードが出版社のE.P.Dutton(ダットン社)のために、1950~60 年代に描いた貴重な原画約100点とミルンの言葉とで、クマのプーさんの物語世界をじっくりとたどってゆく。クリストファー・ロビンが大好きなプーや仲間たちと過ごした「夢のような時間」が空間全体に広がる。
《金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)》
☆ゴッホ・アライブ 2022年12月10日~2023年3月5日
真っ暗な広い展示室に設置されたさまざまな大きな壁と床に大迫力の“ゴッホ”が投影される新感覚のゴッホ展。自分が作品に溶け込んでいくかのような感覚を五感で体験できる。体を包み込むような迫力のクラシック音楽が流れる中、ゴッホ作品3000以上の画像が、壁や柱、床など、ありとあらゆる場所に最大40台のプロジェクターで映し出される圧巻の展示である
《名古屋市博物館》
☆特別展「大雅と蕪村―文人画の大成者」 2021年12月4日~2022年1月30日
江戸時代の中頃に活躍した池大雅(いけのたいが、1723~1776)と与謝蕪村(よさぶそん、1716~1783)は、日本における文人画の大成者として知られる。その両者が競演したことで名高い国宝『十便十宜図(じゅうべんじゅうぎず)』(明和8年作、川端康成記念会蔵)は、かつて鳴海宿(なるみじゅく、現名古屋市緑区)の豪商・下郷学海(しもざとがっかい、1742~1790)が所蔵していた。本展覧会は、『十便十宜図』誕生から250年を記念して、大雅と蕪村、両者による文人画の名品を展示。加えて、関連資料や尾張ゆかりの画家の作品をまじえながら、大雅・蕪村と当地の関係を探る。文人の理想を表現した文人画は中国に起源があるが、彼らは中国絵画の思想や主題、技法や様式をどのように受容し、この日本においてどのように発展させたのか。『十便十宜図』の企画にならい、両者の個性を対比させながら、それぞれの魅力を紹介する。
☆特別展 DC展 スーパーヒーローの誕生 2022年3月8日〜5月8日
世界的に人気を博すバットマンやスーパーマン、そして近年大人気となったジョーカーなどを生み出したアメコミ出版社・DC。貴重な出版当時のコミックや設定資料、映画の衣装や小道具などから、時代とともに形を変え、オリジナルのキャラクターと物語を作り続けるDCの80 年以上の歴史とその魅力に迫る。
☆ 特別展 もしも猫展 2022年7月2日~8月21日
猫が人だったら、人が猫だったら。
「もしも、うちの猫が人間のように話したら?」そんな想像をしたことはありませんか。人間以外の何かを人間になぞらえることを擬人化と呼ぶ。猫を擬人化して描いた浮世絵を通して、江戸時代の擬人化表現の面白さと、浮世絵師歌川国芳の魅力に迫る。
☆日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~ 2022年9月10日〜11月6日
紀元前770年、周王朝は洛陽に遷都したが、次第にその権威は失われ、各地で有力な諸侯が独立していく時代に入った。約550年続いたこの群雄割拠の世が、後に言う春秋戦国時代である。紀元前221年、秦の始皇帝がついにこの戦乱を終結させ、史上初めて中国大陸に強大な統一帝国を打ち立てた。わずか十数年のうちに秦は滅亡したが、始皇帝の墓に眠る兵馬俑や、万里の長城といった数多くの遺物は、当時の絶大な国力を現代に伝えている。そして紀元前202年、漢の劉邦が西楚の項羽を破って再び中国を統一する。秦の国家制度を引き継いだ漢帝国は、古代中国における一つの黄金時代だ。この二国の時代は、後に「秦漢帝国」と称せられ、中国の基礎を確立した時代として今に知られている。本展では、秦漢両帝国の中心地域であった陝西省の出土品を中心に、日本初公開となる貴重な文物を多数展覧。それらが語る歴史を紐解いていく。戦国時代の極小の騎馬俑が、なぜ始皇帝陵の等身大の兵馬俑となり、漢代では再び小さくなったのか? なぜ西方の秦が、東の関を守り抜き、東方の六国に勝利しえたのか?日中国交正常化から50周年を数える2022年、古代中国の知られざる秘密が明かされる。
《徳川美術館》
☆春季特別展 広重の旅風景 雨・雪そして人 2022年4月10日~5月22日
☆特別展 名刀正宗と相模伝 2022年5月28日~7月18日
☆企画展 大名の冠・婚・葬・祭 2022年5月28日~7月18日
☆特別展 お宝のうら!なか!そこ! 2022年7月24日~9月11日
☆企画展 祭りの世界―仮装と風流― 2022年7月24日~9月11日
☆秋季特別展 名物―由緒正しき宝物― 2022年9月17日~11月6日
☆企画展 鷹狩 2022年11月12日~12月15日
《豊田市美術館》
☆ホー・ツーニェン 百鬼夜行 2021年10月23日〜1月23日
映像、インスタレーション、サウンド、演劇など、ジャンルを横断しながら、アジアをテーマに作品を展開するシンガポール出身のアーティスト、ホー・ツーニェンさんの個展。広い視点で日本とアジアを捉え、アニメーションを駆使しながら、歴史のレイヤーに分け入っている。
☆サンセット/サンライズ 2022年2月15日〜5月8日
「サンセット(日没、夕暮れ)」と「サンライズ(日の出、夜明け)」。それは、毎日、誰にでも、平等に訪れる美しい自然現象である。生きとし生けるものはすべて、この宇宙に流れる悠久のリズムに寄り添いながら生きている。「サンセット/サンライズ」の豊かさは、眠りと目覚め、終わりと始まり、死と生、闇と光など、さまざまな象徴や解釈の可能性を差し出してくれる。日没と日の出の前後に現れる薄明の神秘的な時間帯は「マジックアワー」とも呼ばれる。心が揺さぶられる魔術のような光景に立ち会う経験は、思いもかけない美術作品との出会いにどこか似ている。
☆機能と装飾のポリフォニー 交歓するモダン 2022年6月7日~9月4日
1910年代から30年代は、西欧を中心に、日本を含む世界各地でさまざまなモダンの形が現われた時代だった。機能主義に基づく「モダニズム」のみならず、大衆消費社会が進展する中、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた儚き「モダニティ」の時代でもあった。実際、この対立的に捉えられることの多い二つの「モダン」はいくつものモダンの形をうちに含み、それらは複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていた。当時の作家たちは、時間差なく情報を共有し、国やジャンルを越えて同期し合い、その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市まで、いわば、私たちの生活空間、身体活動全般におよんでいた。ウィーン工房は、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレと刺激し合い、一方で、ロベール・マレ=ステヴァンなど同国のモダニストにも影響を与えた。その生活全般への眼差しはまた、日本の森谷延雄や斎藤佳三にも共有された。同時性絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専心し、ルネ・エルブストらモダニストは都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払った。バウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、また同校を離れた作家たちが、ブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組むことになった。1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したことだった。急速に変化する社会の中で、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を紹介する。
☆ゲルハルト・リヒター展 2022年10月15日~2023年1月29日
ドイツが生んだ現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)。私たちはどのように世界を捉えているのかー? その条件を問い直すため、リヒターは、具象絵画、抽象絵画、写真(やその上に描いたもの)、ガラスや鏡を用いた作品、映像作品など、実に多岐にわたる制作をしてきた。本展は、1960年代に本格的に活動を開始して以来、世界のアートシーンの最前線を走り続け、その地位を揺るぎないものにしているリヒターの、日本での待望の大規模個展。リヒターが90歳を迎える2022年、作家が大切に手元に残してきた作品群を中心に、60年にわたる画業を紹介する。
☆未生の美-技能五輪の技 2022年10月15日〜11月27日
愛知県は製品出荷額が全国有数の工業地域。中でも豊田市は自動車産業が盛んな「ものづくり」の中心地である。古くは猿投古窯に代表される焼き物、近代には養蚕業と、伝統的に製造業が盛んな地域だった。現在、「ものづくり」の現場ではさまざまな工程の自動化が進み、人手による作業が機械に置き換わる領域が増えている。しかし、手作業の重要性が失われることはなく、どんなに機械化が進み、ロボットが作業を代行するようになっても、ロボットに動きを教えるのは人間だ。自動化とは、人の手わざの滑らかな動きをまねることだともいえる。自動化されたシステムを制御する技能も同様。製造業の企業では、そういった技能の重要性を認識し、それを会社として伝承していこうとしている。2年に一回開催される技能五輪国際大会は、訓練を重ねた若い技能労働者たちが世界中から集い、腕を競う場で、そこで生み出された「もの」は超絶した精確さを具えている。本展は、ものづくりにおける人の手わざの重要性を再認識し、その意味や役割を知ると同時に、それらが持つ精確さの中に「美」を見出し、卓越した技能が生み出す「もの」に新たな光をあてる。
☆ねこのほそ道 2023年2月25日〜5月21日
決して飼いならされることなく、野生を保ったまま人間とともに暮らすねこ。なにかの役に立っているわけではないのに飼い主の情緒に豊かに訴える、そんな普通で、変な生きもの。群れをつくらずひとりで狩りをする肉食獣の彼らは、独立心が旺盛で優雅な、家のなかの小さな虎である。これまで人間は多くの種に影響を及ぼし、世界中の動物を絶滅へと追いやってきたが、ねこは長い時間をかけて人間と暮らすようになった。そして、人間が自然を離れて都市を形成し、高層ビルに住むようになると、ねこも一緒に空に上がってきた。ねこはいつも、人工的な環境のなかでも決して手なづけられることのない、小さな自然である。本展では、隙間や内と外を自在に行き来する逸脱可能性として、また言葉の秩序から逃れる不可思議な存在として、自由、野生、ユーモア、ナンセンス溢れる、ねこのような現代美術を紹介する。出品作家は、泉太郎、大田黒衣美、落合多武、岸本清子、佐々木健、五月女哲平、中山英之+砂山太一。
《愛知県陶磁美術館》
☆企画展 酒のうつわ ―その美、こだわり… 2022年4月9日~7月3日
古来、神と人をつなぐ媒介であった酒。江戸時代以降になると、都市部を中心に庶民層にまで、飲酒の習慣が広がる。「盃を交わす」という言葉にあるように、人々は酒を酌み交わして絆を深めた。次第に飲酒は娯楽の一つとなり、宴の席で酒が愉しまれるようになった。実はこの時期は日本のやきものが大いに発展した時代と重なる。江戸時代には磁器焼成が始まり、また日本各地に大小多くの窯が開窯し、多種多様なやきものの酒器が生み出された。そして現在に至るまで人々は好みの酒器を使い、愛で、もてなし、遊び心を持ち、さまざまな思いを込めて酒のうつわを楽しんできた。そこには日本人の豊かな感性が生み出した面白き「うつわ使い」の世界を垣間見ることができる。
☆テーマ展〈織部を焼こう〉の軌跡―復元古窯による実験焼成の成果― 2022年4月9日~5月15日
桃山時代の人々を魅了したやきもの「織部」は、美濃、現在の岐阜県で焼かれた。そこで使われた窯は、桃山時代に新たに朝鮮半島から取り入れられた連房式登窯であり、江戸時代には瀬戸・美濃の地に根付いていた。愛知県陶磁美術館では、平成12年(2000)以降、加藤清之氏(陶芸家・瀬戸)を講師として、館内にある復元古窯を用いた実験焼成を重ねてきた。中でも「織部を焼こう」として定着していった、連房式登窯(復元窯)を用いた実験焼成企画では、伝統的な窯・材料を用いた制作・焼成を積み重ねてきた。本展では、復元古窯による実験焼成「織部を焼こう」の成果を紹介する。
☆特別展 ホモ・ファーベルの断片―人とものづくりの未来― 2022年7月16日~10月2日
フランスの哲学者アンリ=ルイ・ベルクソンは、道具のための道具を製作すること、あるいはその製作に変化をこらしていく能力(創造性)が人の知性の本質であると指摘し、創造性をもつ人をホモ・ファーベル(工作人)と定義した。やきものはその原初を辿れば、人が知性の本質に従って創造した道具であり、今なお人の営みにあわせてつくり続けられている。なかでも現代陶芸は、作り手の自由な意思行為にもとづく造形として展開され、時代を映す多様なあり方を示していることから、「ホモ・ファーベルの断片」として捉えることができる。東海地域には豊富な天然資源があり、ありとあらゆるやきものをつくり出して人々のくらしを密に支えてきた。本展では、人の創造性をテーマに、創造の前提となる「素材」、培われてきた「技」、形成されてきた「場」に焦点を当てる。この3つの観点から、当地域の現代陶芸を紹介し、人とものづくりの関係性を再考する。なお、本展は本県の誇る歴史、地場産業、伝統文化の再発見をコンセプトの一つに掲げている国際芸術祭「あいち2022」と同時期に開催。連携イベント等を行うことで、この地域の陶磁文化を国内外に発信する。
☆特別展 平安のやきもの―その姿、うつろいゆく 2022年10月29日~2023年1月15日
8世紀末から12世紀まで約400年間続く平安時代は、古代の日本で最も豊かなやきもの文化が花開いた時代である。平安のやきものは、奈良時代までに発達した技術と造形、それに珍重された金属器や中国陶磁のデザインが融合、さらに仏教文化の変遷のなかで、重層的なデザインの移り変わりをみせた。本展では、緑釉・灰釉陶器という平安時代の二大陶器と、その系譜を引く無釉陶器に焦点を当て、前代の須恵器や金属器、中国陶磁といった関連資料と合わせて変遷や特色を紹介。平安のやきもの400年の魅力に招待する。
☆特別展 アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライドまで 2023年1月28日~3月26日
産業革命後に失われつつあった職人たちの手仕事による制作活動を再生・復興することを目指した英国人デザイナー・ウィリアム・モリス。彼が中心となって提唱したアーツ・アンド・クラフツ運動は、大きな潮流となって、英国のみならず欧米を中心に世界各地へと広がった。本展では、モリスのパターンデザインや書籍のほか、活動に影響を受けた各分野の作家の家具、金工、タイル、ジュエリーなどを幅広く紹介し、アーツ・アンド・クラフツ運動の全容を明らかにする。
《岐阜県美術館》
☆アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.11 横山奈美 【公開制作】2021年11月12日~12月11日【作品展示】12月21日(火)~2022年1月23日
滞在制作では、《forever》というドローイング作品を制作する予定。横山さんが、芝生に寝そべる自分自身を一定期間描き続けるシリーズで、2020年、名古屋のKENJI TAKI GALLERYでの個展「誰もいない」では、1週間のバージョンが公開された。横山さんが、前日の絵を見ながら同じように描き続けるルールのもとに制作。今回は、30日間、毎日、美術館のアトリエで描くことになる。
☆ポーラ美術館特別協力 new-fashioned:日本洋画 美の系譜 2021年12月10日~2022年3月13日
視覚的な表現である絵画は、時代や社会を超越し、感性や感覚を鑑賞者と交感することができるメディアである。歴史が移り変わるたびに、新たな要素を取り込みながら、時代を象徴する表現を生み出してきた。従来、絵画は、平面上に反射した光を描き鑑賞することを前提としており、その色彩と形態のなかに美の存在を求めてきた。しかし、デジタル化へと加速度を増す現代社会では、直接発光する画面越しの画像が日常生活に満ち溢れ、かつてないほどの視覚認識の変化が、画家や鑑賞者にもたらされようとしている。いつの時代も、画家が求めてきたことは、本物の表現が宿す永遠なる美へのあこがれだった。本展覧会では、絵画における美のありかを探るべく、西洋文化が一気に流入し、日本文化に大きな変容をもたらした明治まで時代を遡る。日本に美術が制度として定着していくところから、関連する西洋の絵画に時代を読み解く鍵となる今日の芸術を織り交ぜながら、新たな潮流を創出していった日本洋画の美の変遷をたどる。西洋の影響を深く受けてきた日本人画家の内面における美意識の形成と、さまざまな表現への拡がりを紹介する。
☆塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記 2022月4月23日~6月26日
塔本シスコさんは1913(大正2)年、 熊本県郡築村(現 ・ 八代市) に生まれた。養父の傳八は、自身のサンフランシスコ行きの夢を託し、彼女をシスコと命名した。 シスコさんが9歳の頃、 家業がかたむき、小学校を中退。その後、奉公を重ね、20歳で結婚する。一男一女を得たが、46歳の年、夫が急逝。心身ともに不調の日々から立ち直るなかで、子どもの頃から憧れていた絵を描くことに夢中になっていった。
53歳のある日 、彼女は大きなキャンバスに油絵を描き始めた。その絵画世界は何ものにもとらわれない彼女の胸中に宿る喜びや夢で満たされていた。作品の主題は身近な草花や動物、そして時間も場所も自由自在にのり越えて、子どもの頃の思い出にまで広がった。生涯にわたって、少女のような純粋さを保ち、自身の喜びと夢を制作の源泉に絵筆を握り続け、 2005年に91歳の人生を閉じた。
本展では、これまで広く紹介される機会が少なかったシスコさんの作品を200点以上集め、ほとばしるように展示室に満ち溢れるシスコ・パラダイスを楽しんでもらう。
☆1980年代の美術 2022年4月5日~7月22日
☆日本からメキシコへ、メキシコから日本へ キシオ・ムラタ展 2022年4月5日~7月22日
☆ルドンの色 2022年4月5日~7月22日
☆ぎふの日本画 東に歩む 2022年4月5日~6月26日
☆特集:ラリッサ・サンスール 2022年4月19日~6月26日
2019年のベネチア・ビエンナーレで、パートナーの出身国であるデンマークの代表を務めたパレスチ
ナ人アーティスト、ラリッサ・サンスール。岐阜県美術館で2017年に開催した「ディアスポラ・ナウ!」展を
きっかけに収集した作品を中心に映像作品を紹介する。
☆IAMAS ARTIST FILE #08 福島諭「記譜、そして、呼吸する時間」 2022年7月5日~9月11日
情報科学芸術大学院大学[IAMAS]と岐阜県美術館との連携事業「IAMAS ARTIST FILE」は2013年に始まり、本展で第8回目。今回は、IAMAS博士後期課程に在籍する福島諭の個展である。コンピューターと木管楽器による室内楽作品の空間展示を中心に、福島諭が以前より進めてきた、他者との交換形式によって創作した音楽や平面、映像作品などを展示する。また、福島と同様に作曲から造形へ表現を拡張した佐藤慶次郎(1927-2009年)による電子オブジェも同会場で見ることができる。
☆「いろとかたち-工芸・立体を中心に」展 2022年7月30日~9月11日
☆アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.12 大平由香理 2022年9月23日~11月6日
岐阜県出身の日本画家、大平由香理が住民参画型の公開制作をする。
☆開館40周年記念 前田青邨展 究極の白、天上の碧-近代日本画の到達点- 2022年9月30日~11月13日
岐阜県中津川市出身で、大正から昭和の日本美術院で中核を担った日本画家、前田青邨(1885-1977年)の回顧展。青邨は16歳で梶田半古に師事し、写生と古画研究によって実力を身につけた。尊敬する岡倉天心や下村観山からも指導を受けながら、同世代の精鋭と研鑽を積んだ。朝鮮半島や中国への旅行、欧州留学によって、異文化を体験する中で、日本画の将来性の確信を得、以後、92歳まで意欲的な制作を続けた。歴史人物画の名手として知られ、中でも2010年に重要文化財に指定された《洞窟の頼朝》(大倉集古館蔵)が有名である。本展では、この名作が全期間通しで展観される。ルネサンス期の壁画に触発されたモニュメンタルな大作《羅馬使節》(早稲田大学 會津八一記念博物館蔵)は約40年ぶりの郷土での公開となる。日本画の技法で表された自画像の名品《白頭》(東京藝術大学蔵)、やまと絵に学んだ華麗な色彩が目を惹く《紅白梅》(ひろしま美術館蔵)などの代表作も集結する。小品も厳選して、初期から晩年まで100点を超える作品群によって、稀有なる日本画の巨匠、前田青邨の全貌を紹介する。
☆ アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.13 力石咲 2023年1月21日~3月12日
☆第11回円空大賞展 共鳴-継承と創造- 2023年1月20日〜3月5日
円空は、江戸時代に美濃国で生まれ、修行僧として全国を行脚しながら生涯に12万体もの神仏像を彫り続けたと伝えられている。岐阜県では、「円空の独創性や慈愛の精神」を注目すべき本県の個性と捉え、平成11年度より土着の伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造している芸術家を「円空大賞」として顕彰している。第11回円空大賞展では、円空の生き方を感じさせる5人の現代作家が選ばれた。天然繊維や合成繊維に限らず、和紙、生分解性プラスチックなど様々な素材に注目し、全国各地の職工、染色職人と協力しながらテキスタイルデザインの可能性を追求し続ける須藤玲子(円空大賞)。風倒木や立ち枯れ木を素材とし、それを育てた自然の中で、土地の人々と関りながら滞在制作をし、作品に新たな命を吹き込むDavid Nash。粘土という素材の持つ可塑性とその焼成によって表現される形態の変化に、伝統的な器ではなく、造形的な美を追求する中島晴美。一貫して「人間とは何か」というテーマを追求し、自分自身と向き合う人間の姿を、自身が確立した楠の木彫に大理石の玉眼を埋め込むというスタイルで、表現し続ける舟越桂。「陶」を用いて、氾濫する情報や大量消費商品がゴミに変わっていく現代社会の不安感や恐怖感を訴えるとともに、溶融スラグを素材とし、環境問題にも関心を深める三島喜美代。(以上、円空賞)。第11回円空大賞展では、岐阜県羽島市の円空仏7体と受賞者の作品が響き合う会場構成を試みる。
☆アートまるケット 知るもしるもシル 2023年1月17日~3月20日
岐阜県美術館では第8回目となる「アートまるケット」。2015年からスタートした館長日比野克彦のディレクションによる「アートまるケット」は岐阜の言葉で「まみれる」を意味する「まるけ」と「マーケット」に「アート」を結び付け、「アートまみれ」にしようとする企画である。2015年度より3年間は、展示室から庭園へ、次に美術館を飛び出し公園へ、人が自由に集まる場所で魅力を発信した。2019年度は、コロナ禍のためオンライン企画へシフトし、現在も配信し続けている。2022年度は、「知る」をテーマに2組のアーティストL PACK.とplaplaxを迎え、展示室と庭園を使い、リアルへとリスタートするためのプロジェクト。作家たちは県内各地へと赴き、自身の目で、肌で岐阜の姿に触れた。L PACK.は土地にまつわる歴史、文化、民俗、また日々の生活の中で見聞きするあらゆる事象に視線をそそぎ、アート、デザイン、民芸など表現領域にとらわれることなく「風景の一部」となることを目指す。plaplaxは空間、映像、さらには当館所蔵品を組み合わせ、観客参加型=インタラクティブな作品をベースに「うつわ」という言葉・物質の多岐にわたる文化的概念を視覚化し、体感型の作品を設置する。彼らのまなざしを通して現れるハイブリッドな「岐阜のかたち」は、鑑賞者の好奇心をくすぐり、日常の中に、私たちのそばに存在する「アートの力」の意味を再考する機会となるはずである。
☆開館40周年記念 美術館の名品ってナンヤローネ 岐阜県美術館名品尽くし!
第2部 2022年10月4日~12月25日
第3部 2023年1月5日~3月19日
《岐阜県現代陶芸美術館》
☆開館20周年記念 特別展 ロマンティック・プログレス 2022年9月17日〜11月13日
開館20周年を迎える同館が収集してきた近現代の作品と、現在活躍する作家の作品を対峙させることで、新たな文脈から陶表現の過去・現在・未来を探る。歴史は、予期せぬ事態の繰り返しにより紡がれてきた。さまざまな時間、地域、人、そして作品が複雑に絡み合い、思わぬ相互作用が生じることで進展してきたのである。それはまさに、ロマンティック・プログレスといえる。元来、陶芸は産業や工業と分かちがたく結びついていたため、19世紀後期において美術から切り離されるに至る。これもまたロマンティック・プログレスであり、こうした事象こそが今日の陶芸をかたち作っているのである。
○参加作家
川端健太郎/桑田卓郎/アルベルト・ヨナタン・セティアワン/田中陽子/田村麻未/橋本知成/桝本佳子/宮下サトシ/安永正臣/湯口萌香/中﨑透
☆開館20周年記念 特別展 愛のヴィクトリアン・ジュエリー 華麗なる英国のライフスタイル 2022年11月26日〜2023年1月29日
☆開館20周年記念 特別展 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA 2023年2月11日〜4月9日
《三重県立美術館》
☆杉浦非水 時代をひらくデザイン 2021年11月23日〜2022年1月30日
愛媛県松山市に生まれ、日本におけるモダンデザインの草分けとして知られる杉浦非水(すぎうら ひすい、1876-1965年)。日本画家を志して上京するが、洋画家黒田清輝との出会いをきっかけにデザインの道に進んだ。1908年に三越呉服店に職を得ると、27年間にわたって同店の広告を手がけ、巧みなデザインによって一躍その名を知らしめる。本の装丁、パッケージデザインなどにも優れた手腕を見せ、その明るく洗練されたデザインの数々は、今もなお色あせない魅力を放っている。本展では、ポスターや図案集などの代表作のほか、制作の過程を示すスケッチや写真、遺愛の品々から、非水の生涯をたどる。東海地方の美術館では初めてとなる非水の大規模回顧展を、ぜひお見逃しなく。
☆コレクションによる特別展示 春をまちわびて 美術から考える自然との調和(=エコロジー) 2022年2月23日~4月3日
エコロジーとは、もとは生態学を指す言葉。今から60年前の1962年、米国の海洋生物学者レイチェル・カーソン(1907-1964)が環境汚染に警鐘を鳴らした著作『沈黙の春』を発表したことをきっかけに世界各地で環境保全運動が急速に拡大。以来、エコロジーという言葉は自然や環境との調和を意味するものとして広く使われるようになった。それから半世紀。地球温暖化による気候変動、放射能による汚染、未知のウイルスによる脅威など、私たちを取り巻く状況は深刻さを増している。美術館で美術作品を鑑賞することが、地球上で起こる問題を直接解決するわけではないが、時代や地域を越えて守られてきた作品との出会いは、自分とは違う「他」を思い、想像を巡らせ、いま自分にできることを見直す大きなきっかけとなるはずである。本展では、三重県立美術館が所蔵するコレクションの中から、自然や環境と向き合い制作された作品約70点を紹介。今いる場所からエコロジーについて考える。
☆開館40周年記念 宇田荻邨展 2022年4月23日~6月19日
開館40周年記念展の第1弾は、三重県松阪市に生まれ、京都画壇を代表する日本画家として活躍した宇田荻邨(1896-1980年)の回顧展。流麗な線描と、明るく爽やかな色彩で描き出される格調高い荻邨の京洛風景は、今もなお人々を魅了してやみまない。
松阪第一尋常高等小学校(現・松阪市立第一小学校)時代から非凡な才能を示していた荻邨は、伊勢の画家・中村左洲に手ほどきを受けた後、1913(大正2)年に17歳で上洛。京都画壇の菊池芳文、芳文没後はその養子である契月に師事して研鑽を積み、1919(大正8)年の第一回帝展に《夜の一力》が初入選を果たした。以降、帝展・新文展・日展・京展などを舞台に活躍を続け、近代の日本画界に確固たる地位を築いた。
今回の展覧会では、初期から晩年までの代表作に、思考の跡をたどることのできる下絵や写生帖、さらに郷里・松阪との繫がりを感じさせる作品などを加えて展観。65年に及ぶ荻邨の画業を紹介する。三重県立美術館が【没後三年 宇田荻邨展】を開催してから、40年ぶりとなる回顧展。
☆開館40周年記念 いわさきちひろ展―中谷泰を師として 2022年7月16日〜8月28日
美しく清らかな色彩で終生、子どもの姿を描き続けた画家、いわさきちひろ(1918-1974年)。ちひろが絵本画家として歩み始める以前の、模索期にあたる時期に大きな影響を与えたひとりに、三重県松阪市出身の洋画家、中谷泰(1909-1993年)の存在がある。本展では、両者の結びつきを作品や資料をもとにたどり、これまであまり知られてこなかった側面を紹介す。
☆開館40周年記念 岡田米山人と半江 2022年9月23日〜11月6日
岡田米山人(1744-1820年)とその子半江(1782-1846年)は、江戸時代の後期、大坂(現:大阪)を舞台に活動した文人画家。父子は、米屋を営むかたわら、独力で書画を学んだ。豪快な父に対し、子は繊細で鋭い作風。伊勢国津藩がその才能を認め、藩の役人に採用したほどで、三重県にゆかりの深い画家といえる。本展は、国内で、半世紀ぶりとなる米山人と半江の展覧会。
☆西洋美術へのまなざし―開館40周年を記念して 2022年11月19日〜12月11日
1982年に開館した三重県立美術館は40周年を迎える。これまでに築き上げてきたコレクションは、油彩画、版画、水彩画、素描、彫刻など6,000点以上に上る。本展では西洋美術を中心に、コレクションの傑作を紹介。三重県とバレンシア州の姉妹提携30周年を記念し、一室ではスペイン美術特集を組む。
☆特集展示 生誕100年 元永定正展 2022年9月6日〜12月11日
三重県伊賀市出身で、具体美術協会での活動や絵本画家として知られる元永定正(1922-2011年)。その生誕100年を記念した特集展展示である。出身地・伊賀との関わりにも焦点をあて、元永定正の表現の源流をさぐる。
《グローバルゲート・ガレージ名古屋(garage NAGOYA)》
☆WHO IS BANKSY? バンクシーって誰? 2021年12月19日~22年3月27日
2021年2月3日~6月20日に、名古屋展が金山南ビルで開催された「バンクシー展 天才か反逆者か」に続く日本での2つ目のバンクシー展である。「バンクシー展 天才か反逆者か」 と同様、バンクシー非公認の展覧会である。今回は、世界各都市を巡回した「ジ・アート・オブ・バンクシー展《The Art of Banksy》」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介する。この《The Artof Banksy》は、アントワープ、イスタンブール、アムステルダム、メルボルンなどを巡回。WEBの情報では、バンクシーの元代理人、スティーブ・ラザリデス(1969年生まれ)がキュレーションしたと伝わる。
《一宮市三岸節子記念美術館》
☆貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―
彗星の如く画壇に現れ、独自のロマンティックな世界を描いた夭折の画家、三岸好太郎(札幌市生まれ/1903〜1934年)。女流洋画家の先駆的存在として苦難の道を切り拓いた文化功労者、三岸節子(愛知県一宮市生まれ/1905〜1999年)。日本の洋画史上最も有名な夫婦の出会いから100年を迎えることを記念し、約30年ぶりの全国巡回の二人展が開催される。本展では、出会いから結婚、「貝殻旅行」と称した最後の夫婦旅行と好太郎の急逝、その後の節子の奮闘の軌跡をたどり、二人が築いた鮮烈なる絵画世界を紹介する。
☆河鍋暁翠展 2022年10月22日~12月4日
《静岡市美術館》
☆平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰 2022年2月5日〜3月27日
2022年に開創970年を迎える平等院は、平安時代中期に朝廷で絶大な権勢を誇った公卿・藤原道長が所有した宇治川畔の別荘を、永承7(1052)年に長男の頼通が寺院に改めて建立した京都屈指の名刹である。同寺は現世に極楽浄土を再現するべく壮大な伽藍が整備され、創建期に遡る現存唯一の遺構である鳳凰堂には、建築、彫刻、絵画、工芸と技術の粋が結集されている。定朝作の阿弥陀如来坐像(国宝)を安置した堂内は善美を尽くした装飾で華麗に荘厳され、優美で格調高い王朝貴族の美意識を今に伝えている。平等院では近年、創建当初の姿の復元を目指し、鳳凰堂の修理や調査研究が進められている。本展では雲中供養菩薩像(国宝)に代表される鳳凰堂ゆかりの名品を中心に、調査の過程で新たに発見された貴重な作品、養林庵書院(重文)襖絵など塔頭の浄土院に伝わる知られざる寺宝の数々もかつてない規模で展観。平等院が守り伝えてきた信仰と美の遺産を見ることができる。
☆スイス プチ・パレ美術館展花ひらく フランス絵画 2022年4月9日〜6月19日
☆ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」 2022年7月2日~8月28日
武者絵は『平家物語』のような軍記物語や武勇伝説に登場する英雄ヒーロー を描いた絵画。浮世絵の祖と言われる菱川師宣の時代から、江戸後期の歌川国芳、明治期の月岡芳年にいたるまで、 多くの浮世絵師が武者絵を手掛けた。源頼光、源義経、上杉謙信、武田信玄などの武将のほか、スサノオノミコトの武勇、巴御前のような女武者の奮戦も描かれている。武者絵は伝統的に描き継がれたことで、時代を越えて広く親しまれてきた。本展覧会では、世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館の所蔵品から、厳選した刀剣と武者絵率100%の浮世絵版画、そして武者絵と共通のイメージがデザインされた刀剣の鐔つばを通じて、さまざまなヒーローたちの活躍を紹介する。国内コレクションからも刀剣、浮世絵を特別出品。
☆出版120周年 ピーターラビット™展 2022年9月15日〜11月6日
今なお世界中で愛されるいたずら好きなうさぎ、ピーターラビット™。1902年刊行の絵本は、2022年に出版120周年のメモリアルイヤーを迎える。盛大なバースデーパーティをテーマとした本展では、ピーターラビット誕生前夜から今日に至るまでの歩みを、貴重な原画や書籍、関連アイテムなど約170点で振り返る。なかでも創作の原点となった作者のビアトリクス・ポター™(1866-1943)の直筆絵手紙や、『ピーターラビットのおはなし』の彩色画全点が一堂に展示されるのは日本初の機会。
☆杉浦非水 時代をひらくデザイン 2022年11月19日〜2023年1月29日
杉浦非水(1876-1965)は日本のモダンデザインの先駆者。明治41(1908)年に三越呉服店に嘱託として入社し同店の看板デザイナーとして活躍するほか、カルピスやヤマサ醤油などの広告やパッケージのデザイン、多くの本の装丁等を手がけた。明快で洗練された非水のデザインは今日もなお色あせぬ魅力を放つ。本展では、東京美術学校時代の写生や、ポスター、図案集といった代表的仕事に加え、彼の創作の原点となるスケッチや、写真、遺愛の品々などを紹介し、その全貌をたどる。
☆東海道の美 駿河への旅 2023年2月11日〜3月26日
慶長6(1601)年、徳川家康が東海道に宿駅を設置し、街道が整備されると、東海道図屏風や歌川広重の保永堂版東海道五拾三次など「東海道」を主題にした絵画が広く普及した。一方、東海道は詩書画を好む駿河の文化人たちと上方や江戸の絵師たちとの交友も可能にし、京都の円山応挙一門や江戸の司馬江漢をはじめとする新しい傾向の絵画は、駿河の人々に歓迎された。本展では、描かれた東海道と街道をめぐる絵師たちの往来に注目し、東海道が育んだ駿河の美術や文化を紹介する。
《静岡県立美術館》
☆大展示室展 2022年4月2日〜5月15日
作品を展示するための「ハコ」である美術館の展示室には、安全に、そして快適に作品を見るための工夫がある。展示室のさまざまな機能が紹介され、普段はひっそりと身を隠す美術館の裏方を知ることができる。
☆日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~ 2022年6月18日〜8月28日
日中国交正常化50周年記念展。国家一級文物(最高級の文化財であることを示す中国独自の区分)24点を含む約200点により、秦漢王朝の遺産を核とする中国古代文明の真髄を紹介する。約半数が日本初公開作品。秦の始皇帝は、紀元前221年に、史上初めて中国大陸に強大な統一国家を打ち立て、春秋戦国時代にわたって約550年も続いた戦乱の世を終結させた。統一後、わずか十数年のうちに秦は滅亡したが、始皇帝陵で発見された兵馬俑をはじめとした多くの遺物は、その絶大な国力を示している。その後、劉邦が創始した漢帝国は、中国古代における黄金時代の一つ。漢は、後の中国、アジア、そして世界の歴史に多大な影響を及ぼした。本展では、今から2000年以上前の秦と漢の王朝の時代に、地下に数多く埋蔵された兵馬俑に焦点を当て、古代中国の遺産の数々を紹介する。
☆絶景を描く—江戸時代の風景表現— 2022年9月10日〜10月23日
当館および個人のコレクションから、富士山をはじめとした日本各地の風景を描いた江戸時代の絵画を中心に展示し、その展開を辿る。古くから描き継がれてきた名所絵、南画家達による旅の感興を表す真景図、そして写生をもとに迫真性を追求する実景図と、江戸時代の風景表現の諸相を紹介する。多様な表現を比較しながら、それぞれの特徴や魅力を明らかにするとともに、題材となった風景の歴史にも注目する。
☆みる誕生 鴻池朋子展 2022年11月3日〜2023年1月9日
「『観客はもはや人間だけではない。』人間の視点中心だったこれまでの芸術は、今、地球規模での問題と共に大きな転換期を迎えている」。そう考える現代アーティスト鴻池朋子(1960年生)が、本展では2020年の個展「ちゅうがえり」(ア一ティゾン美術館)で試みた、従来の美術館の仕組みから観客を解放するさまざまな取り組みを、さらに発展させようとする。夏に展示が立ち上がる高松市美術館からバトンを引き継ぎ、アーティストという生き物も、コレクションという物も、風土や風景と共にリレ一し変化していく。
☆近代の誘惑—日本画の実践 2023年2月18日〜3月26日
《長野県立美術館》
☆生誕100年 松澤宥 2022年2月2日〜3月21日
☆善光寺御開帳記念 善光寺さんと高村光雲 未来へつなぐ東京藝術大学の調査研究から 2022年4月2日~2022年6月26日
☆マン・レイと女性たち 2022年4月21日~ 2022年6月19日
20世紀を代表する芸術家の一人、マン・レイ。幅広いジャンルで活躍した作家は、写真でもその類稀な才能を発揮した。マン・レイの写真を特徴づけるのが、独自の技法や、軽やかな撮影スタイル、そして長い生涯のなかで出会った女性たちの存在である。彼女たちはマン・レイにとっての“ミューズ”であると同時に、激動の時代を生きる自由な人間性の象徴でもあった。写真を中心に、絵画やオブジェなど250点を超える作品が紹介される。
☆ジブリパークとジブリ展 2022年7月16日~ 2022年10月10日
《金沢21世紀美術館》
☆コレクション展2 BLUE 2021年11月20日~2022年5月8日
光のスペクトルにおいて、赤の長い波長がまっすぐ進むのに対し、青の短い波長は四方に拡散し、空間のなかに溶け込んでゆく。手につかむことのできない空や水に象徴されるように、青はその深みにおいて認識される色であり、それゆえに古代より人々の憧憬の念を掻き立ててきた。地上に目を移しても、青い色をした自然物は非常にめずらしく、ラピスラズリは洋の東西を超えて珍重されてきた。かつて映画監督のデレク・ジャーマンが「ブルーは目に見える闇の色」と語ったように、青は光と闇、生と死のあわいに現れる色でもある。人々が内省へと向かう今にあって、青は私たちの心に最も浸透する色といえるかもしれない。
本展覧会では、金沢21世紀美術館のコレクションを中心に、絵画、彫刻、工芸、映像といったジャンルを横断しながら、国内外のさまざまな文化圏の作家による多様な青の表現を紹介する。当館の恒久展示作品であるレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》やジェームズ・タレルの《ブルー・プラネット・スカイ》、アニッシュ・カプーアの《L’Origine du monde(世界の起源)》にも新たな光を当てることにもなる。招へい作家として、青い色彩と光が印象的なドローイング・アニメーションを制作してきた画家/映像作家の石田尚志の作品も展示する。
☆ジェフ・クーンズ×ベルナルド 2022年4月9日~9月11日
ジェフ・クーンズ(1955年、ペンシルベニア州ヨーク生まれ、ニューヨーク在住)は、米国大衆文化やセレブリティなどのテーマを結びつけた独特のイコノグラフィーによって世界を魅了し続ける作家。本展は、フランスのリモージュを代表する磁器ブランド「ベルナルド」との協働により、クーンズのシグネチャーともいうべき「バルーン・ドッグ」を中心に、イノベーティブで極めて精巧なデザインワークを紹介する。
☆ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ 2022年5月3日〜9月4日
現代韓国を代表するアーティストデュオ、ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホによる国内初となる大規模個展。彼女たちは結成当初よりアートの社会的機能と役割を提示しつつ、さまざまな領域の専門家との対話と協働のための実践的なプラットフォームを提唱してきた。
本展では、未来の人類が生存と自由の獲得のために葛藤する姿を詩的に描いた新作映像インスタレーション、2021年に韓国国立現代美術館で発表された《News from Nowhere : Freedom Village》及びアポカリプス前後の異なる時間軸とその接続を精緻に描き出した代表作《世界の終わり》を中心に展観。さらに2018年から進めてきた金石地区(金沢市)での滞在制作についても、映像、ドローイング、マケットなどを通じて、彼女たちの思考と活動を多面的に紹介する。現代社会が直面する課題を抽出し、未来と過去を往還しながら、現在を生きる我々が思考するための力強いメッセージを投げかける彼女たちの作品世界を存分に体験できるだろう。
☆甲冑の解剖術 ―意匠とエンジニアリング の美学 2022年5月3日~7月10日
戦国時代から江戸時代にかけて、戦いの場で、武士の誇りと力の象徴として独自の展開を遂げた甲冑。蒔絵や金工、組ひもなど工芸的な技と斬新な意匠を駆使した美学と、防具としての機能性やエンジニアリングの発達。これらの魅力を現代アーティストによる空間デザインで展示する。細部や構造をデジタル解析したライゾマティクスによる映像や、甲冑を現代人の身体のリアリティにしなやかにつなげるナイル・ケティングの空間デザインを通して、甲冑が現在の私たちに語り始める。
☆コレクション展1 うつわ 2022年5月21日~10月16日
当館収蔵作品を中心に「うつわ」を主題に展観。「う つわ」には、容器としての機能を持つものと、実用性から抜け出した考えのもとにつくられたものがある。さまざまな角度から「うつわ」を見つめることで、「うつわ」 に込められた意味や価値について考える。
☆特別展示:マシュー・バーニー 2022年5月21日~9月11日
「捕鯨」や「茶道」に表象される日本文化を、映画、彫刻インスタレーション、写真など多彩なメディアで展開したマシュー・バーニーによる映画作品《拘束のドローイング9》(2005年)の主題を軸に開催する。映画《拘束のドローイング9》に登場する捕鯨母船「日新丸」を場所であると同時にキャラクターとして捉え、「キャラクター・ガラスケース」 シリーズに凝縮された造形作《DRAWING RESTRAINT 9: Cabinet of Nisshin Maru》を中心に6点の写真作品と共に展観する。
☆金沢21世紀美術館と国立工芸館の 所蔵作品によるコラボレーション展 「ひとがた」をめぐる造形 7月23日~9月11日
いにしえより長きにわたりつくられてきた造形に「ひとがた」がある。つくり手の思いが豊かに映し出されているそれ は、工芸の分野では「人形」として、美術の分野では「彫刻」として捉えられてきた。しかし、現在では、分野の枠にとらわれない人体表現が多彩に展開され、新たな世界をつくりつつある。本展では、金沢21世紀美術館と国立工芸館 の所蔵作品から、現代の作家による「ひとがた」の造形を紹介し、その新しさを探る。
☆特別展示:オラファー・エリアソン 2022年7月23日~9月11日
《太陽の中心への探査》は、エコロジーと再生可能エネルギー に対するオラファー・エリアソンの関心から生まれた。この作品は、ガラスで覆われた多面体と太陽光発電ユニッ ト(ソーラーパネル及び蓄電池等電源供給システム)により 構成され、きらめく偏光フィルターの輝きが鑑賞者を作品世界へと没入させる。太陽と惑星との関係をトレースするような光の動きは、アートを通して安定した持続可能な世界の実現を提示する、エリアソンの魅惑的なインスタレー ションである。
☆時を超えるイヴ・クラインの想像力 ―不確かさと非物質的なるもの 2022年10月1日~2023年3月5日
1950年代から60年代に活躍したフランスのアーティスト、イヴ・クラインを中心に、イタリアの空間主義運動や 日本の具体などの同時代の作家、さらに現代の作家を加えて、彼らの芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせる。荒廃した戦後の「タブラ・ラサ(空虚)」ともいえる状況から、イヴ・クラインは新しい人間性を探求する作家として、彗星のごとく登場した。作品の素材や支持体のみに依存しない、芸術の「脱物質化」を徹底的に推し進め、同時代のアーティストのみならず後世の作家たちにも多大な影響を与えている。現代の私たちは、気候変動 やウイルス、インターネットによる情報環境が生みだす混乱など、無数の「見えないもの」に影響を受け、その実体が見 えない不確かさの中で、多くの厄災や分断と向き合っている。イヴ・クラインを中心とした革新的な芸 術家たちの「非物質性」を志向する創造的探求は、今の私たちが向き合う不確かな現在を乗り越える想像力を与えてくれる。
☆コレクション展2 Sea Lane – 島々への接続 2022年11月3日~2023年3月19日
テーマは「沖縄と海を繋ぐ島々」。収蔵作品を中心 に、海洋で繫がるさまざまな地域で生まれた作品の中から、自然や文化の成り立ちの多様性に着目する。海は島と島を繋ぐ「道」として、互いの地域に影響関係をもたらしてきた。 島々で育まれた多様性と、海洋を巡る歴史的背景による他地域からの影響に目を向けた作品を紹介する。